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個人事業主とは?メリット・デメリットや開業方法について解説

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個人事業主とは?メリット・デメリットや開業方法について解説

起業する際の選択肢のひとつに、個人事業主があります。

これから独立を考えている方の中には、個人事業主として開業すべきか、法人を設立すべきかをお悩みの方もいるでしょう。

この記事では、個人事業主とは何かを解説するとともに、メリットやデメリット、必要な手続きなどを詳しく紹介します。

目次
  1. 個人事業主とは
    1. 個人事業と法人の違い
    2. 設立・廃業時
    3. 税金の仕組み
    4. 個人事業主とフリーランスの違い
  2. 個人事業主か法人で迷ったときの考え方
  3. 個人事業主のメリット
    1. 事業開始に手間や費用がかからない
    2. 青色申告特別控除が受けられる
    3. 必要経費を計上することで節税が可能となる
  4. 個人事業主のデメリット
    1. 社会的信用度が低い
    2. 一定の所得額を超えると税負担率が高くなる
  5. 個人事業主になる際に必要な手続き
    1. 開業届の提出
    2. 青色申告承認申請書の提出
  6. 個人事業主になってから行うべきこと
    1. 国民健康保険・国民年金への加入
    2. 確定申告
    3. 個人事業主が納める税金の種類
    4. 個人事業主の確定申告の方法
  7. まとめ

個人事業主とは

個人事業主とは、法人を設立せず個人で事業を営み、継続的に事業で生ずる所得を得ている人のことを指します。

ここでの「事業」とは、原則として反復、継続、独立という3つの要素をすべて満たしている仕事のことです。一過性ではなく、継続して収入を得る事業を営むのであれば、個人事業主になることができます。職種や業種に決まりはありません。

個人事業主になるためには、所轄の税務署に開業届の提出が必要です。

個人事業と法人の違い

個人事業と法人は、設立・廃業時の手続きや税金の仕組みに違いがあります。

設立・廃業時

個人事業主は、事業を始めるのに設立資金も設立費用も必要ありません。税務署に開業届を提出すれば、すぐに事業をスタートさせられます。

一方法人は、登記や定款などの作成が必要です。費用も、株主などの出資者が設立資金を準備し、設立の費用として20〜30万円はかかります。

また廃業時も、個人事業主は税務署に届け出を出すのみと、とてもシンプルな手続きであるのに対し、法人は解散や登記などの諸手続きに時間と費用がかかります。

税金の仕組み

個人事業主と法人では、課せられる税金の仕組みも異なります。

事業で得た所得に対し、個人事業主の場合は所得税、法人の場合は法人税が課せられます。

課税方式

税率

個人事業主(所得税)

累進課税制度
(所得が高くなるにつれ税率も高くなる)

5%〜45%の7段階

法人
(法人税)

比例課税制度

(所得にかかわらず、税率は一定)

原則として23.2%

出典:所得税の税率|国税庁 / 法人税の税率|国税庁

所得がなければ、所得税も法人税も発生しません。

赤字の場合、個人事業主は住民税も免除になります。一方、法人はたとえ赤字でも法人住民税(均等割)を支払う必要があります。

個人事業主とフリーランスの違い

個人事業主は、税務署に開業届を提出し、税法上の所得区分を「事業所得」としている人を指します。一方、フリーランスとは、会社などの組織に属さず案件単位で業務を請け負う働き方、もしくはその働き方をしている人を表す言葉です。

フリーランスはあくまで働き方を指す言葉であり、税法上の区分を意味するものではない点が、個人事業主との違いです。

フリーランスでも、開業届を提出すれば、税法上の区分は個人事業主になります。

個人事業主か法人で迷ったときの考え方

個人事業主か法人で迷ったときの考え方

個人事業主と法人では、設立にかかる費用や手続き、税金の仕組みが異なります。それぞれにメリットとデメリットがあり、一概にどちらが有利とはいえません。

例えば、所得に対する税負担率は、利益の額によって個人事業主が有利になるケースと、法人が有利になるケースがあります。

個人事業主は所得に対する累進課税、法人は所得にかかわらず税率は一定です。

利益が少ない場合は、個人事業主の税負担は軽くなるため、法人よりも有利といえます。一方、利益が多い場合は、利益にかかわらず税率が一定である法人が有利といえるでしょう。

初期費用を抑えたい場合は個人事業主、社会的な信用度を高めたい場合は法人など、何を最優先したいかを基準に個人事業主にすべきか法人すべきかを判断するとよいでしょう。

個人事業主のメリット

個人事業主として開業するにあたってメリットはどのようなものがあるのか、いくつか紹介していきましょう。

事業開始に手間や費用がかからない

個人事業主の大きなメリットとして、事業開始に手間や費用がかからないことが挙げられます。

個人事業主として事業を開始する場合、開業届を税務署に提出することで開業手続きが完了します。法人で株式会社を設立する場合には、定款認証費用や登録免許税として20万円以上が必要ですが、個人事業主の申請に費用はかかりません。

青色申告特別控除が受けられる

青色申告特別控除が受けられることも、個人事業主のメリットです。

開業届と共に青色申告承認申請書を提出することで、青色申告の対象となり、さまざまな優遇措置が受けられます。国税電子申告・納税システム(e-Tax)を用いて申告をすると、最大65万円の青色申告特別控除を受けることが可能です。

必要経費を計上することで節税が可能となる

必要経費とは、事業で売上を上げるために支払った費用のことです。

個人事業主として青色申告をした場合、必要な経費を正しく計上し、支払いを低く抑えることで節税が可能となります。必要経費と認められる支出にはどのようなものがあるのか、正しく理解しておきましょう。

個人事業主のデメリット

メリットがある反面、個人事業主特有のデメリットもいくつかあります。

社会的信用度が低い

個人事業主は、開業や廃業の手続きを簡単に行えるがゆえに、個人事業主は社会的信用が低いというイメージがあります。

事業の実態を公的に証明できる書類が少ないことを理由に、取引先との交渉や金融機関での融資の審査が法人より厳しくなることは、個人事業主のデメリットといえるでしょう。

一定の所得額を超えると税負担率が高くなる

前述したとおり、個人事業主は所得税には累進課税制度が適用されています。所得額が上がれば上がるほど税率が高くなる仕組みになっており、最高税率は45%です。

一方、法人は所得の金額にかかわらず、一律の税率が適用される比例課税制度です。一部の例外を除いて、最大税率は23.2%です。

個人事業主は、一定の所得額を超えると税負担率が高くなるデメリットがあるため、ある程度の事業規模になった場合は法人化を検討してみるのもよいでしょう。

出典:所得税の税率|国税庁 / 法人税の税率|国税庁

個人事業主になる際に必要な手続き

個人事業主になる際に必要な手続き

個人事業主になるには、どのような書類が必要で、どういった流れで手続きが進んでいくのでしょうか。個人事業主になるための手続きについて具体的に説明していきます。

開業届の提出

まず税務署に「開業届」という書類を提出します。開業届の正式名称は「個人事業の開業・廃業等届出書」といい、個人が事業を開業したこと、個人事業主として納税するということを公に宣言するための書類です。

開業届は、税務署の窓口で直接受け取るほか、国税庁のホームページからPDFでダウンロードすることも可能です。

開業届の提出時期は、原則として事業の開始の事実があった日から1ヶ月以内と定められています。万が一提出が遅れたとしても罰則はありませんが、期日内に提出するようにしましょう。

青色申告承認申請書の提出

個人事業主が青色申告をする場合、最大で65万円の青色申告特別控除を受けられます。そのほかにも、赤字を3年間繰り越せる純損失の繰越控除や、少額減価償却資産の特例といった特典があります。

青色申告特別控除を利用するためには、各税務署の窓口もしくは国税庁のホームページから「青色申告承認申請書」をダウンロードし、税務署への提出が必要です。

青色申告承認申請書の提出期限は、開業を始めた日から2ヶ月以内です。開業届と合わせて提出することをおすすめします。

なお、白色申告から青色申告に変更することも可能です。その場合、確定申告を行う年の3月15日までに「青色申告承認申請書」を提出しましょう。申請が下りれば、その年から青色での申告が可能です。

個人事業主になってから行うべきこと

個人事業主になってから行うべきこと

いざ個人事業主として開業した後、保険や年金、確定申告などやるべきことがいくつかあります。以下にて詳しく解説していきます。

国民健康保険・国民年金への加入

個人事業主になると、これまで加入していた保険や年金の変更が必要となる場合もあります。

個人事業主になる場合、国民健康保険へ加入するか、任意継続被保険者として勤務していた会社の健康保険を継続するかを選択します。

国民健康保険へ加入する場合は、以前に勤務していた会社を退職した日から14日以内に、居住する市区町村役場で手続きを行います。

以前に勤務していた会社の保険を継続する場合は、退職日から20日以内の手続きが必要です。ただし、継続期間が限られているため、継続期間満了後は、国民健康保険への切り替え手続きが必要となります。

個人事業主になると、厚生年金から国民年金への加入手続きも必要です。厚生年金と国民年金では、保険料や給付内容が異なります。受け取れる年金が少なくなるケースもあるため、事前に内容を確認しておきましょう。

確定申告

個人事業主となった人は、納付すべき税額がある場合は確定申告を行い、税金を納める必要があります。

個人事業主が納める税金の種類

個人事業主が納める主な税金は以下の4つです。

  • 所得税
  • 住民税
  • 消費税
  • 個人事業税

所得税と住民税は、所得がある場合に国や自治体に納める税金です。

消費税は、商品やサービスの消費に対してかかる税金です。一定の条件に当てはまる個人事業主が、顧客から売り上げと合わせて預かった消費税を国に納めます。

個人事業税は、個人が事業を営んでいることに課される税金です。事務所や事業所のある自治体に納めます。

上記4つの税金のほかに、固定資産税や自動車税、印紙税、登録免許税など、事業で所有しているものに応じて税金がかかります。

個人事業主の確定申告の方法

個人事業主となった場合、原則として毎年翌2月16日から3月15日の間に確定申告を行う必要があります。前年の1月1日〜12月31日までの所得金額と所得税額を計算し、申告します。

所得金額が48万円以下の場合は確定申告は不要です。なぜなら、基礎控除として48万円が差し引かれ、課税対象となる所得が0円となるからです。

ただし、青色申告には3年間にわたって赤字を繰り越すことができる「純損失の繰越し」制度があるため、青色申告者は所得金額に関わらず確定申告をすることをおすすめします。

個人事業主の確定申告に必要な書類は以下です。

  • 確定申告書
  • 青色申告決算書もしくは収支内訳書(白色申告)

確定申告書の準備や作成には、売上や経費、仕入れ、借入れなどのお金の流れを記録した帳簿が必要です。スムーズな確定申告を行うためにも、普段から帳簿を付け、領収書の整理・保存を行っておきましょう。

まとめ

起業をしようと考えた時、手軽に始められる個人事業主は有力な選択肢となります。しかし、事業の種類や規模によっては、法人を選択した方がいい場合もあるでしょう。

本記事を参考に、個人事業主の特性やメリットデメリットを把握したうえで、自身の事業に即した選択をしましょう。


執筆年月日:2024年9月
(注記)内容は2024年9月時点の情報です。法律や制度は改正する場合があります。

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