車の整備は自分でできる?整備方法や業者に依頼するポイントも解説
- 自動車関連
車の整備は費用や手間がかかることも多く、こまめにできていないという人は多いかもしれません。しかし、大きな故障や事故を防ぐためには、日頃の整備が重要です。
自分で比較的簡単に行える整備もあるため、試してみてはいかがでしょうか。また、業者に依頼する場合も、工夫次第で費用を抑えた整備が可能です。
今回は自分でできる車の整備や、業者に整備を依頼するときのポイントを解説します。
自分でも行える車の整備方法
車の整備は、簡単な内容なら自分で行えることもあります。自分でもできる車の整備方法を紹介します。
タイヤの整備
タイヤの整備でチェックするべきポイントは、大きく3つです。
- タイヤの溝の深さ
溝には、タイヤがすり減って深さが不十分になると現れる、スリップサインという目印があります。スリップサインが見えるようになったら、タイヤ交換が必要です。
- 空気圧
車種ごとに適正な空気圧があり、運転席のドア付近に記載されているはずです。下がりすぎていないか確認しましょう。
- ゴムの劣化
タイヤのゴムが劣化し、ひび割れがひどい状態だと事故につながる危険があります。
タイヤは車の走行で消耗しやすい部位です。1ヶ月に1回程度の定期的なチェックをおすすめします。
ワイパーゴムの整備
ワイパーゴムの整備は、実際に動かしてみながら下記の2つをチェックしてみましょう。
- 汚れを拭き取れているか
十分に拭き取りができていなければ交換が必要です。
- ゴムが劣化していないか
劣化や破れが見られる、拭き取り面が曲がって嫌な音がするといった場合も交換しましょう。
ヘッドライトの整備
ヘッドライトの電球が切れていないか、点灯させて確認します。左右で色が異なって見える場合は、どちらかが切れかけている可能性があるため、交換したほうがよいでしょう。
電球の交換を自分で行う場合は、消灯してすぐはバルブが熱くなっているため、やけどに注意してください。バルブ面に手の油分などがつくと破損の原因になることもあるため、素手で触らないことも重要です。交換後はヘッドライトに水が入らないように、ふたをしっかりと取り付けましょう。
ただし、電球の種類によっては、交換が難しい場合もあります。ハロゲン球は比較的簡単に交換できますが、高圧電流が流れているHIDライトはショートすると車に負荷がかかるため、注意が必要です。LEDのものは交換できないため、業者に依頼してください。
ウォッシャー液の整備
ウォッシャー液は、フロントガラスの汚れを落とし、ワイパーゴムの摩擦を和らげる役割を担います。無くなると視界の確保やワイパーゴムの負担に影響があるため、定期的に補充しましょう。
カーショップなどでウォッシャー液を購入し、通常エンジンルーム内にあるタンクに補充します。撥水や解氷といった効果のあるウォッシャー液もあるため、用途や好みに合わせたものを選びましょう。
エアコンフィルターの整備
エアコンフィルターは、メーカーによって1年ごとの交換が奨励されています。汚れが溜まると、エアコンが効きにくくなる、悪臭を放つなど、車内環境を悪くする原因になります。汚れ具合は車の使用頻度によっても異なるため、目視で確認して汚れが目立っていたら交換しましょう。
一般的にエアコンフィルターは、助手席側のグローブボックスの奥に取り付けられています。グローブボックスを外してチェックしてみましょう。
エンジンオイル周りの整備
車の整備で重要なものの1つが、エンジンオイル周りの整備です。一般的に3,000〜5,000kmの走行距離での交換が目安とされていますが、トラブルを防ぐために、日頃から量や汚れ具合に問題が無いか確認しておきましょう。
エンジンオイルの確認は、エンジンルーム内の「オイルレベルゲージ」を見て判断します。抜き差しして、オイルがゲージの上限と下限のしるしの間に付着していれば、量は適正範囲です。オイルの色も確認しましょう。真っ黒になっていたら汚れている証であるため要注意です。
バッテリーの整備
年式の古い場合や乗ることが少ない車は、バッテリーの劣化が原因でエンジンがかからなくなることがあります。バッテリーの整備で必要な確認は下記の3つです。
- バッテリー液の量
バッテリーの側面には上限と下限の線が書かれています。範囲内にバッテリー液が入っていれば適正です。少ない場合は足しましょう。
- 製造年月日
メンテナンスフリーバッテリーは、バッテリー液の量を確認する必要はありません。しかし劣化するため、製造年月日から3年以上経過していれば早めに交換することをおすすめします。
- 電圧
電圧の確認には専用の機器が必要です。自宅に機器が無い場合は、整備工場やガソリンスタンドなどで確認してもらいましょう。
ブレーキパーツの整備
シューやパッドなどのブレーキパーツは、使用すると擦り減ります。薄くなるとブレーキが効きにくくなるため、3mm以下を目安に交換しましょう。
直接パーツを確認するためにはタイヤの着脱が必要ですが、普段のチェックはエンジンルーム内のブレーキフルードである程度判断できます。フルードのタンクに記載されたメモリを見て、下限の線に近くなったら交換しましょう。
ただし、同時期にフルードとパーツの交換をしていない場合は、目安がずれてしまうため注意してください。
車体の整備
雨による水垢などが付着したまま紫外線に晒されると、塗装の劣化につながり、汚れも落ちにくくなります。こまめに洗車を行い、車体の整備をしましょう。
まずは水洗いして表面の汚れを流してから、洗剤をつけて擦り洗いを行います。劣化を防いできれいな車体を保つためには、1ヶ月に1回の洗車が目安です。
車の整備を依頼できる4つの業者と特徴
自分での車の整備に不安がある場合は、無理をせず業者に依頼しましょう。整備を依頼できるのは、下記の4種類の業者が代表的です。それぞれの業者について特徴を紹介します。
ディーラー
購入者に対して総合的なサポートを行っているディーラーは、相談しやすい業者の1つです。取り扱いのあるメーカーに関して専門性が高く、豊富な知識や部品があるため、サービスに安定感があるのが魅力です。点検で交換や修理が必要だと判明したら、車種に適した対応を提案してもらえます。
一方、純正のパーツに交換することになるため、部品代は高くなりがちです。また、整備が提携している外部の整備工場で行われる場合は、修理に時間がかかるかもしれません。
費用や時間がかかっても、品質を重視したいという人にはディーラーへの相談がおすすめです。
カー用品店
車関連の商品を販売しているカー用品店は、工賃を追加することで、購入商品の交換や取り付けを行ってくれる店舗が多いでしょう。品ぞろえが多種多様で、価格を安く抑えたい、こだわりの部品を付けたいといった希望も叶えやすいでしょう。簡単な部品交換やキズの補修といった、軽度の修理や整備を頼みたいときにおすすめです。
大掛かりな分解が必要な作業などは断られる可能性もありますが、指定工場がある店舗なら、本格的な整備も引き受けている場合があります。依頼したいカー用品店があれば、どのような整備をしてもらえるか、確認してみるとよいでしょう。
自動車整備工場
街の一般的な自動車整備工場は、幅広いメーカーの車について依頼することができます。修理で直せる箇所は、部品交換よりも修理を優先してくれる場合が多く、費用を抑えやすいのはメリットです。
また、修理に希少なパーツを使う車は、ディーラーやカー用品店では断られる場合がありますが、自動車整備工場なら代替品での修理を提案してもらえる可能性があります。
ただし、工場によってクオリティーやサービスは異なるという点には注意が必要です。パーツの取り寄せに時間がかかる場合もあります。依頼を考えている工場について、信頼できる技術者がいるか、希望する整備に対応しているかといった点を、事前に確認しておきましょう。
ガソリンスタンド
無料点検を行っているガソリンスタンドもあります。費用が発生しない上に、給油のタイミングで相談でき、依頼しやすいでしょう。法定点検やコーティングといったサービスは、安い価格で実施してもらえる傾向にあり、費用を抑えたいという場合はおすすめです。
ただし一般的なガソリンスタンドは、整備に特化した業者ではないため、経験が浅い従業員も働いています。点検の担当者が、専門的な知識や技術を十分に持っているかは、見極めが必要です。点検後に部品交換を勧められる場合もありますが、交換の必要性や勧められた商品に交換するのが最善かといった点は、自分でも確認して検討しましょう。
車の整備の見積もりを依頼するときのポイント
車の整備をできる限り安く済ませたいと考える人も多いでしょう。業者に依頼する場合でも、工夫次第で価格を抑えることが可能になるかもしれません。また、支払い方法が限られている店舗もあるため事前の確認が必要です。
見積もりを依頼するときに気を付けたいポイントを紹介します。
保証や保険が使えるか確認する
まずは、保証や保険が使えるかを確認しましょう。店舗保証やメーカー保証があれば、購入した店舗に相談して依頼すれば、安くなる場合が多いからです。
支払い方法を確認する
支払い方法は一般的に、現金、クレジットカード、ローンの活用などがありますが、店舗によって対応していない方法もあるため、確認しておきましょう。整備や修理の価格が高くなると、クレジットカードでの支払いが難しくなるというケースもあります。見積もりのタイミングで確認するとよいでしょう。
複数の店舗に相見積もりを依頼
見積もり料金に納得できない場合や、料金をできる限り抑えたいという場合は、複数の店舗に相見積もりし、依頼先を検討することをおすすめします。ただし、見積もりが有料の店舗もあるため注意してください。
まとめ
適切に車の整備を行うことは、安全な運転のために大切です。自分でできる整備もあるため、日頃からこまめな点検を心がけ、必要に応じて対処を行いましょう。自分での実施が難しいと感じたら、無理せず業者に依頼すると安心です。予算や目的に合わせて業者を選び、整備を依頼してみてください。
執筆年月日:2024年9月