内容説明
どうにもならない。どうにもならない。ドウニモナラナイ...。男の未来は暗い。仕事仕事の毎日は彼を狂わせる。単調な日々に倦んだ男が、ある夜団地の屋上で、耳ざわりな童謡を歌っている少女と出逢い、人生が変わる表題作「頭の中の昏い唄」。香港に赴任した男が食と色の欲に溺れていく、脳味噌と胃袋を刺激する美食譚「香肉」。老人たちによってこき使われ搾取される若い世代が、ある日肩に現れた緑色の小人によって一致団結してゆく「世代革命」。スランプにおちいった作家に"やつ"がささやき、人格を乗っ取ろうとする「誰...?」など、必ずやあなたに悪夢をお贈りする、クールで鋭利な奇妙の味の短篇集。星新一による解説を再録。
目次
- 1(香肉;過去の女;蜥蜴;遺伝;夜歩く者;念力;頭の中の昏い唄;ダブル・ショック;殺しあい;ヤブイリ;世代革命;夢幻器;誰...?;名人;前世;大脱走;いやな奴;顔;ゆたかな眠りを;暗い海暗い声)
- 2(ああ、神様!;恋の痛み;哀しい道化;しつこい男;MAMMY‐O)
- 東京二〇六五
「BOOKデータベース」 より