内容説明
「われはシバの女王なり」。黄色いシーツを体に巻きつけ、瞼に派手なアイラインを引き、お姫さま遊びのティアラでとび色の長い髪をまとめた母が、厳粛な面持ちでこちらを見つめている...。ウィスコンシン州の湖のほとりで、少年のように育った3人の娘たち。幼い頃から母親が躁うつ病を患い、自分にシバの女王やマリー・アントワネットのようなパワーがあると妄想し始めた。離婚、再婚、被害妄想、自暴自棄、交通事故に訴訟、と、これまで愛を与えてくれたはずの母親の暴走が続く。これは、ジャーナリストでもある著者、ジャッキ・ライデンの身におこった本当の話。本書を書きながら彼女は、その物語の力と意味を解読しようと試みる。悲しくも陽気で、人の心を深く揺り動かす母娘の物語。
目次
- 第1章 うるわしのミス・アメリカ
- 第2章 プッカワセイ湖での釣り
- 第3章 一九六〇年、メキシコ、テオティワカンにて
- 第4章 ウィスコンシンの狩の季節
- 第5章 時代の申し子
- 第6章 旅立ち
- 第7章 メソポタミア、カルタゴ、そしてテーベ
- 第8章 バビロンの地に住みながら
- 第9章 シバの女王
「BOOKデータベース」 より