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アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

万座温泉とクマ

2024年08月16日
万座 小栗広之
外で仕事をしているときに、観光客から「この辺で熊は出ますか?」としばしば聞かれます。
昨年は、クマによる人身被害が統計を取り始めてから最多であり、マスコミでも大きく扱われたことから、世間のクマへの関心は高まってきているようです。

上信越高原国立公園の中にある万座温泉は標高1800mの山の中にあり、クマの生息域でもあります。クマの目撃情報も例年多くありますが、今年は特に1組の親子クマの目撃が多発し、遊歩道近くに出没することから牛池と熊四郎山の遊歩道を閉鎖することもありました。(現在は2ヶ所とも閉鎖は解除されています)

牛池遊歩道近くにいた親子クマ


木に登る子供クマ

万座温泉ではクマによる人身被害は今のところありませんが、あまり人とクマの距離が近くなってしまうと、いつ事故が起きてもおかしくないので、事故を防ぐために様々な取り組みを行っています。

クマベルの設置

音でクマに人の存在を知らせるためにクマベルを設置しています。
万座しぜん情報館では散策をする方向けにクマ鈴の貸し出しや販売を行っています。

クマの通り道を知らせる看板

クマの通り道に注意看板を設置し、クマの生息を知らせるとともに人の滞留を抑制しています。

刈払い

クマとばったり遭遇することを防ぐため、刈払いを実施しています。
道路脇や遊歩道近くに笹藪が茂っていると見通しが悪くなり、クマと人がお互いに気づかず接近したり、笹藪を通ってきたクマが急に道路に出てきたりすることを防ぐ目的です。

クマは臆病な性格で積極的に人を襲うことはほぼありませんが、クマと人との距離が適正に保たれていないと事故に繋がることがあります。
そのため、クマベルや声で人間の存在を知らせ、見通しの悪い場所を作らないようにすることはクマと人との距離を適正に保つためにも重要です。

笹藪からこちらを見るクマ

今回ご紹介した他に、クマの監視や追い払い、宿泊施設スタッフ向けの講習会、クマの目撃情報の収集と発信等の取り組みを行っています。

万座しぜん情報館では現在、クマの企画展を開催しています。(9月30日まで)
クマについて知ってもらうこともクマと人が共存する上で大切です。万座を訪れた際には足を運んでいただければと思います。

万座しぜん情報館

企画展の様子

クマの絵本コーナー

通路に写真展示

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