一期一会 坂本頼光弁士
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先週土曜日の夕方、庭で猫と犬に遊ばれていた時、大音量で流れてきた隣の町内放送に、聞き覚えのある名前が耳に入ってきた。
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かつて日本全国に八千人を数えた、つまり映画館、劇場数に匹敵するよう配されていた「活動写真弁士」という芸人は、現在全国に20人前後となってしまったそうだ。明治から大正、昭和初期に上映されていた無声映画からトーキーに移りゆく過程で、弁士の活躍の場も失われていったが、敢えて無声映画と弁士による活劇を復活継承するひとり、坂本頼光氏である。
文化の日前後に合わせ、町内文化事業の一環としてコミュニティセンターで公演をする旨を、抑揚のない年寄りのしゃがれた声だったが、繰り返された広報に胸躍らせた。
氏の名前を知ったのは、共に所属する落語芸術協会会員の講談師神田伯山氏のラジオ番組の中で度々挙がっていたから。
VFX、ドルビーサラウンド方式他による現実か仮想空間なのか見分けがつかない映画を作る時代にライブで触れた途端、得も知れぬ話芸の見事さに魅了された。
荒れた昔の映像を映し出す銀幕の中で、大立ち回りの武者の動きに合わせ、七五調の語りが絶妙に噛み合い、役者達の迫力ある演技に手に汗握る。
会場に集まった視聴者の年齢層や反応を覗い、準備してきた十数枚のDVDの中からこれぞというものを仕掛ける。時事ネタも絡めながら汗びっしょりになって語る、笑いあり涙ありのあっと言う間の2時間だった。
坂本頼光氏曰く「私達芸人は、世の中の人の余暇を楽しむひとつの狭いジャンルの中で生かされている。景気が上向いて、今日は活弁でも観に行こうかという経済的なゆとり、殺伐とした世知辛い世の中にあって、腹の底から笑ってもらえる心と時間的なゆとりを持っていただけたらなあ」と。
何もかも便利になり過ぎ、それに歩調を合わせなければならないあくせくしている生き方に、
......ちょっと疲れてませんか?活弁でも聴いて心を解放しましょう......
と、早歩きを緩められた気がした。
たぶん坂本頼光氏との出会いは、この先無いであろう。日本の人口1億2千万人中の1人の活動写真弁士との一期一会は、町内放送を聞けるその場に居合わせた時間・空間の偶然の成せる技であった事に感謝したい。
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ウクライナに栄光あれ!
英雄に栄光あれ!
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