二〇二五年三月十一日、石川一雄さんが亡くなった。享年八六歳。狭山事件の犯人として逮捕され死刑判決を言い渡された後、一貫して無罪を主張、三一年七カ月に及ぶ獄中生活を送り、仮出獄してからも「見えない手錠」をはずすため、再審実現を求めて石川さんは闘い続けてきた。
袴田事件に続き、大川原化工機事件、福井女子中学生殺人事件と冤罪事件の無罪判決があいついでいる。一方で過半数を超える超党派の国会議員がまとめた再審法改正案はいまだ実現のめどがたたない。生前の石川さんを偲ぶとともに、冤罪を生み出し、温存助長する社会のあり方を考える。
誇り高く生きた八六年の生涯 石川早智子.........2
石川一雄さんの遺志を受け継いで 安田聡.........9
一雄さんとの思い出 坂本英二.........13
狭山事件 石川一雄さんの"不在"を撮る 金 聖雄.........17
石川一雄さんへ 〜謝罪と誓い〜 鴨志田祐美.........21
言葉と写真で世界をみつめる
第53回 国家の消耗品として扱われた命
―戦時増産体制の現場から 佐藤 慧.........26
差別問題 基本の「き」 水俣病問題
第13回 水俣病事件―裁判第一期から関西訴訟まで(後編)田㞍雅美.........32
変わる人権教育・啓発 第9回
人権教育・啓発に関する基本計画の改定について(前編) 内田博文.........38
わたしの視点―メディアの現場から
第106回 裁判報道の壁に挑む 上田大輔.........42
貧困・子ども・人権 第57回
The personal is political 〜性暴力等は絶対に許さない、加害者を見逃さない・許さない社会をめざして〜 石井由美.........46
明日をかえる法人―新たな人権への取り組み
第85回 災害と女性の人権 正井禮子.........50
人権教育の実践の現場から(123)学校が安心できる居場所であるために(後編) 豊能町立東能勢小学校 門野夏海.........56
泰司と元樹の書きたいざんまい 第43 回
×ばつFAMILY』で人権を考える(1) 松村元樹.........64
連載 ライター社納葉子の迷子人生マゴマゴ月報 第33回
―泣いて泣いて食べて笑って泣いた夏 社納葉子.........66
連載 走りながら考える 北口末広.........70
―第289 回 生成AIが仕事や労働に与える影響
連載 本の道草 第138回 冠野 文.........74
―黒い雨と白い灰
連載 映画を通して考える「もう一つの世界」映像のなかの在日(35)
中村一成.........76
第46回人権・同和問題企業啓発講座(オンライン講座)【案内】......25
連載 4コマまんが ガッツせんべい(208)夏の思い出
くぼたかし......31
部落解放・人権研究所 会員のページ
(第一研究部門(朝鮮衡平運動史研究会)報告 八箇亮仁/第五〇回部落解放・人権西日本夏期講座報告 今井貴美江) ......60
人権をめぐる動き......80