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002:良い死
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尊厳死について、少しでも引っかかるところがあるなら、この本と、それから次に出た『唯の生』とをセットで読んだほうがいい。その引っかかりが何に由来するものなのか、考えてゆくためにどんな問題点がこれまでに議論され、どのような歴史的動きがあったかが、だいたいここに網羅されている。
003:唯の生
上の『良い死』の続きです。合わせると相当のボリュームになりますが、読むべきだと思います。尊厳死したいなぁ、と思っている人は特に。これを読んでからゆっくり考えてから、決めるなり、決めないなり、どっちでもしたほうがいいんじゃないかな。結局、決めても決めなくてもいいんじゃないかな、っていうのがわたしの考えで、わたしは決めないよ、っていうのがわたしの態度であるわけですが、人に布教しようという考えはありません。
004:病の神様
ムチ打ちとか、飛蚊症とか、動脈血栓とか、喘息とか、軽重いろいろ病気と怪我の巣のような人ですが、なんかこう、この人の場合は、何が起こっても悪いことにはならないという感じがします。本人がそう感じているのだから、きっとそうなんです。妙な納得の仕方をしているのですが、この人のすごいところは、その妙さを正直に書いてしまっているところです。変な人だと思われるから、少しそんなことを考えてもふつうは書かないですよ、というようなことを書いてしまっております。
わたしもけっこう病気がちなほうで、入院も何度かしているし、危うく死んでしまうかもしれないところでした、などということもそういえば5年に1回ぐらいは起こっているような気がするのですが、不思議と、これを特別に悪いこととは感じていません。何かに見舞われるたびに、何か考えたりなんかして、それなりに自分で新たなものを発見してきているような気がするのですね。しかもそういう発見は、病気にならなかったら得られなかっただろうなと思われるものばかりです。なので、健康なばっかりが経験ではないのだよ、とわたしは健康信奉者たちに言いたい。ひたすら健康な人には決して到達し得ないであろう、病者の境地というものがあるのですよ。お前らだけがエライわけじゃないんだよ、と。負け惜しみに聞えるんだろうな。ふっ
005:病院の言葉を分かりやすく
どうしてこういう当たり前のことがこれまでちゃんとなされてこなかったのだろうと思うようなレポートです。病院を利用する一般人と医療スタッフそれぞれにアンケートをとって、どういう言葉をどのように理解しているか、どうわかりにくいのか、どのような誤解があるのか、医療従事者とふつうの人とのギャップはどこに生じているのか、ということを明らかにした上で、一つずつの言葉について、正確に伝えるための提案をしています。
「患者様」とか呼ぶことにして小手先の変更で何が改善されたかわからないようなアホなことばかりしてないで、こういうことをふつうにしっかりやったらどうですかね。
006:奇跡の脳
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神経解剖学者が左脳の卒中から回復し、言葉を再獲得してから書いた本。発作中の描写が非常に細かくリアルで、当事者が感じていることが書かれているので驚きつつも参考になる。右脳支配下で何をどう捉えるようになったかという話はとても興味深い。人間の脳の潜在能力を垣間見る気がした。これは希望とも言えるのではないかと思う。この知見をもとに、脳の働きがもっとよく解明されていけば、さまざまな病気の捉え方が変わるだけでなく、人間そのもの、人という存在に対する理解の仕方、世界観も変わるのではないかと思う。
作り話みたいだとか、宗教みたいだとか、そんな批評をしても全然意味はないと思う。だってこの人はこのように感じ、世界をこのように捉えるようになったのだ、と書いているだけなのだから、そうではない人間がどう批判したってまったく的外れなんじゃないかと思う。そうじゃない人がどうやって否定するのだ。わからないことはわからない、すごいと思うのならすごい、と言えばいい。で、わたしはすごいなと思うのですごいと書きたいと思います。これを書いた人もすごいんだけど、人間の脳というものもすごいと思う。
007:医療スタッフのための白血病ハンドブック
最新の治療プロトコルに基づいて看護ケアに約70ページが割かれている。看護ケアは、化学療法、外来化学療法、小児など。ほかに薬剤師の項目もあり。