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2024年06月18日 05:00

いちき串木野市立生冠中学校|雄大な霊峰・冠岳を描く 再編で25年度末に閉校へ

[画像:背後に冠岳がそびえる生冠中学校]
背後に冠岳がそびえる生冠中学校
校区内にそびえる霊峰・冠岳を表した<紫の 山連はるか>から始まる。西岳、中岳、東岳が連なり、最も高い西岳の標高は516メートル。校章には、朝日に映える姿があしらわれる。

古代山岳仏教、真言密教の地として知られ、秦の始皇帝の命を受けた方士・徐福が仙薬を求めて訪れた伝説も残る。

現在は登山や紅葉見物で市内外から多くの人々が訪れる。2番でも<そそりたつ 冠嶽の峰>と歌われる。卒業生で、生福地区まちづくり協議会長の井手迫琢磨さん(67)は「地元にとって特別な存在。2回出てくるのも納得」とうなずく。遠足や初日の出を見に登ったと懐かしむ。

歌は1953年に制定。作詞の冨宿三善氏は串木野女子高校(現神村学園)の校長を務め、郷土史編さんにも携わった。

<水も美わし>は校区を流れる五反田川とみられ、周辺には水田が作られた。子どもの多くは泳いだり、釣りをしたりして遊んだ。サツマイモ栽培も盛んだったという。学校再編に伴い2025年度末で閉校となる予定。井手迫さんは「寂しいが、思い出とともに心の中で大切にしたい」と話した。

くろまるメモ 1947年、串木野町立第三中学校として開校。校区は市の北東部に位置し、生福、冠岳両地区を由来とする現校名には49年改称した。ピーク時の1960年代には約300人の生徒がいたが、現在は38人(5月1日時点)。校訓は「強く 正しく 美しく」。

しかくいちき串木野市立生冠中学校 校歌
作詞・冨宿三善
作曲・渉 秀豊


紫の 山連(やまなみ)はるか
水も美わし
山幸の花 野にかおり
学び舎のいらか 輝く
ああ 生冠の礎かたし
永久に 栄光あれ


そそりたつ 冠嶽(かんがく)の峰
仰ぐ朝(あした)は
自治の教えの 身にしみて
その上の歴史は はるか
おお 豊かなる文化きずかん
永久に 栄光あれ


吹き荒ぶ 火立ちおろしに
鍛えたる
健康の色 冴え冴えと
日本の基(もとい)は 強し
いざ独立の炬火(ひ)はもえ出たり
永久に 栄光あれ

(南日本新聞6月18日付)

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