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2012年06月27日
しかく 本格復興の入口(長文スマソ)

一昨日25日(月)より1月・2月以来となる復興まちづくり説明会を開始した。
前回は仮設団地+行政区の大枠+町外三か所の合計40会場だったが、
今回は町外3か所(石巻・大崎・仙台)を含め、行政区の大枠で23会場。
まちづくりの具体的なスケジュールと町の支援内容についてが主な説明内容。
町単独の支援策については

町内定住促進支援補助(10年間)
土地購入+新規家屋取得(建て替え含む)=200万
新規家屋取得のみ=150万
中古家屋取得=100万

防災集団移転における住宅用地の借地料
30年間土地評価額の1.4%(=固定資産税相当額)

災害公営住宅家賃
規定家賃から当初5年を半額(6年目以降順次縮小、11年めから通常家賃)

町内定住促進支援補助については、被災者のみならず町内での住居新規取得に対して行う。
つまり、これから町内で住宅を取得する(建設する)方(つまり転入者も含む)が対象。
壊滅した我が町である。
津波が浸水した被災エリアには建物はほとんど残っていない。
そのような現況の中で
「これから(も)女川で頑張ろう」
という方々への支援策、ということである。
故に
「定住促進支援」
とさせてもらった。
これらに加え、防集をはじめとする各種の復興まちづくり事業の説明や生活再建支援制度と、
離半島地区においては防集移転地の概要、
町中心部では冬の説明会以来具体化を進めてきた新たな町の絵姿を示す。
この説明会を7月7日まで行い、
その翌週から被災各世帯の個別面談に移行する(約一か月)。
更には、既設のまちづくり推進協議会のもとにワーキンググループ(WG)を設置、
去る24日に第1回目のWGを開催した。
協議会委員からの推薦者と公募メンバーで構成される。
募集の結果、公募24名を含む63名のエントリーとなった。
20代〜70代まで、各世代が参画し、
そのなかでもこれからの郷土を担う青年層が厚い構成である。
町長就任直後から住民が直接まちづくりに参画できる枠組みを作ることを考えていたが、
まちづくりの絵面の大枠が固まった段階に入り、いよいよ始動することとなった。
WGは決してガス抜きの場ではない。
これから女川で暮らしていくのは我々自身である。
だからこそ、これから我々が生きていく町の姿を皆の手で描きたいのである。
そして一人一人が関わることで、これからの復興を皆の力で実現したいのである。
もちろん、一定の基本的な縛りやルールはある。
例えば、住居地の設定や土地利用区分、道路位置、地盤高などは執行権者(つまり私)が
政治的責任を以って定めるものであるし、
また、復興予算そのものの問題(例えば国が当該事業に予算をつけるか、等)もある。
全体の方向性として町の中心部高台(シビックコア)の拠点化、
それを以ってのコンパクトシティづくりというベクトルも既に示している。
それらを前提としてどのようなまちの絵姿を皆で描けるか。
分かりやすく言えば、新たに家を建てようとしよう。
家を建てる場所と家の基礎と総床面積、建物の工法は議会の理解のもと行政が定め、
家の間取りや家具のデザイン、屋根は切妻がいいか寄棟がいいかなどを
住民の直接参画で議論してもらい、
それを予算の範囲でどう実現していけるか、ということである。
必然、壁材はもうちょっと安い部材にしようとか、
他の予算を削ってもキッチンだけは立派に、とか
様々なことが議論され、形作られていくことになる。
行政・議会のみならず女川という皆の新しい"家"を皆で考え、皆で創りたいのだ。
復興計画は住環境・産業・防災・人材育成・保健医療福祉の五つの柱で構成されている。
このうち当面のまちづくりの骨格となる部分について大枠の結論を
秋口まで出してもらうようお願いしている。
WG初回では「個の意見が全体の利益に適うような議論を」とお願いさせてもらった。
この取り組みは理想めいたことかもしれないが、
我が町の規模だからこそ実施できるとも言える。
どこまで出来るか、その理想を実現してみたい。

これからの3か月というのは非常に重要な3か月になると認識している。
どの被災市町村においてもそうだが、防集や区画整理など、
土地に関する個人の権利が密接に絡むものであり、
関係者全員の協力なくしては事業進捗に重大な影響を及ぼすことになる。
説明会や面談を通じて理解促進と協力をお願いしていくことになる。
町内の先行地区の一部について、順調に進めば9月の後半には造成着手の見込みも立った。
但し、地権者の方々のご協力をスムーズにいただければ、の話である。
並行してWGの議論もスタートし、行政的には各事業の許認可と予算要求etc.
本格的な復興事業の入口へと今まさに立とうとしている中で、
この3か月を将来へ向けて大きな意味と意義のあるものにしていきたい。


なんか一杯書いたが、閑話休題。
WG初回を行った日曜日の夕方前、電話を頂いた。
「石巻まで来ているので行っても構わないでしょうか?」というお電話。
「どうぞどうぞ!」と申し上げたが、
電話の主はバンデスやnews every.でおなじみのミヤギテレビ竹鼻解説委員と柳瀬アナ。
たまたま私も所用で石巻にいたのでマックで待ち合わせ、先導しつつ魚町〜渡波を経由して、
きぼうのかね商店街から私の車に同乗いただき、町内を案内しながら
今後の復興の取り組みについてお話した。
「日曜なのに今日は何でこっちまで?収録ですか?」と聞いたところ、
「たまたま二人とも休日が重なったので、
二人でぐるっと今の状況を唐桑から見てきた」とのこと。
いや〜、休日にもかかわらず頭が下がります。m(_ _)m
付け加えれば、肌寒い中でのイケメン柳瀬アナの半袖姿が素敵でしたw
今後ともよろしくお願いします!


更に閑話休題。
昨日、消費税法案が衆院で可決された。
本質的には税の上がる体質にすること=経済再生が抜本的な薬ではあるが、
もとより、少子高齢化が進み生産人口が減少、
総人口自体も減少局面である今日と将来において、
低負担高福祉(場合によっては中福祉)を実現することは困難と言わざるを得ない。
高齢化に伴い社会保障費の伸びが収まらない、
つまり現状の給付水準ですら維持していけるかどうかという現実がある。
見方を変えれば負担と給付における世代間の代理利害闘争でもある。
政権を奪取したマニフェストと真逆の判断であり
(何せ16兆の財源を生み出せると喧伝していたのだから)
このことは大きく問われるものであるが、現実的な政治的選択であり、
どこかのタイミングでやらなければいけないことではあったと理解する。
但し、被災地の現状を見れば、この判断は非常に重くのしかかるものでもある。
今後住宅などの生活再建が被災地で進んでいくことになるが、
例えば、増税後に税込2000万円で家を再建しようとすれば消費税額が約200万、
つまり、被災者生活再建支援金200万は消費税分で全部消える。
5%であれば約100万が建設資金に直接充当できたことになる。
これは重い。
被災地ではこれから何万棟という住宅が建築されることになり、
恐らく増税時期あたり(14年ごろ)から本格化する。
そしてそれらのほぼ全てが被災者によるものとなる。
住宅再建に限らず控除その他あらゆる手法を用いて
被災者の生活再建に支障をもたらさない形での実施を強く望む。
そして当然のこととして増税する以上その中身(使い方)をどうするかと
今後の社会保障の制度設計が早急に定められなければならない。
併せてもう一つ。
今回の採決自体は俗にいう「決められない政治」から一歩脱却したとも言えようが、
一方で、採決で反対した議員に対する処分が政局的にクローズアップされている。
「厳正な処分」
という首相の言葉があったが、真実「厳正」なものでなかったとするならば、
政党の意思決定並びにその在り様として今後「何でもアリ」ということになりはしまいか?
「政治生命をかける」ということは過程と結果に対して傷を負う(負わせる)ことも辞さない、
という姿勢と覚悟を前提とするはずだ。
それが、他者を巻き込みつつ結果が得られてしまえば自らの組織は
何もなかったことに
というのは他者(この場合野党)を巻き込みリスクを共有させつつ
身内は誰も傷を負わないように、とすることとなる。
(自らの組織内だけで決まる物事であればそれでも構わないだろうが。)
処分の是非ではない、組織としての本質がどうか、ということであり、ガバナンスに直結する。
一般議案や死生観を伴う思想信条(過去の例で言えば脳死関係)に関係する議案なら
多少なりとも割れることもあろう。
今回のは国民生活全体に直結する、全国民一人一人の生活に直結する最重要議案である。
組織も、個々も責任とリスクを背負って行動したはずである。
ここでも
「決められる政治か、決められない政治か」
が問われるのである。


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2012年06月20日
しかく いろんな意味で大切な時期

おひさです。
台風のおかげで昨日から今日にかけては各地で大変な状況だったろう。
女川も例に漏れず、のところ。
言うまでもなく、地盤沈下の影響は大きく受けている。
また津波被災旧市街区の各水路の流下能力も低下したままだ。
(主要水路の浚渫は予定していたが今回には間に合わなかった)
加えて今回は
大潮+満潮+豪雨
が深夜3時くらいに全て重なってしまった。
更には、台風が太平洋に出た後、それまで70km/hくらいだった速度が一気に落ち、
牡鹿半島東部で停滞したことで(つまり強い低気圧が滞留した結果)
海面の上昇局面が続いたものとも考えられる。
幸い、といっていいだろうか一部床下浸水等があったものの人的被害はなく、
最小限の被害で済んだといえる。
実は今日までの3日間町議会開会中であった。
今日の開会時間は午前開始から午後開始に遅らせてもらいつつ、
昨日の一般質問終了後そのまま災害対応シフトに入り、
徹夜明けでそのまま補正予算議案等の議会、ということでかなりタフな3日間となった。
全議案可決いただきホッとしている。
でものんきにホッとはしていられない。
来週からはまちづくり説明会を23会場で行う。
今のところは他職務の都合による1会場を除き全会場出席を予定している。
これが終われば被災全世帯対象の個別面談。
並行して用買をはじめとする各種事業を並行して行う。
一つ一つが欠かせない重要な手続きとステップだ。
これらの場でこれまで検討を重ねてきたまちづくり概要のより具体的な姿と
住民の生活再建へ向けた具体的な事項を示していくことになる。
例えば、既報だが住宅取得者へのMAX200万の町単独による定住支援策などがそうだ。
また災害公営住宅における家賃低減策や土地鑑定に基づいた土地・用地買収など、
今日やっと議会に示せたものも含めて様々な材料は揃いつつある。
非常に重要なこれからの3カ月になると強く意識している。
これが順調にいくか否かでその後の展開とスピードが大きく変わってこよう。
それぐらい大切なこれからの期間である。
丁寧さとスピードを両立できるよう、関係機関の助力を得ながら
全スタッフ一丸となって取り組んでいく。
とはいいつつ、今日はさすがにもう休みます・・・。
フラフラですorz

最後に感謝の意を一言。
本HP、来訪者数が延べ40000を超えました!
ありがとうございます!m(_ _)m
東京他で講演するときがあるが、
「ブログ見てますよ〜」
と言われますと、「更新しなきゃ...」という強迫観念と感謝の念が同時に沸き起こり
複雑な思いをry
いやいや、お励ましは大変ありがたく思っています!
お気軽にお声掛けください!
で、今後も不定期ながらその時々のことを記していきたく思っておりますので
今後ともお付き合いのほどよろしくお願いいたします。

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2012年06月02日
しかく 惑いは常にあるものですが

今日で自分の30代はおしまい。
明日から迎える日々と人生はどんなものになるだろう?
"不惑"とは言うものの、日々悩んだり、惑いながら生きるのが人の常だろう。
何をするにしても全く惑いがない人がいるとしたならば
その極意をご教示いただきたいところであるが、
おそらく、"惑わず"というよりも、初志や意志を"貫き通す"ということが
世代として今後は特に必要不可欠になる、或いは要求される、ということなのだろう、と
勝手に解釈してみる。
例えば復興のまちづくりにしても、未来において何が正解かを今正確に提示することは
神様でもない限り不可能である。
それでも、私たちは未来を見据えながら今を捉え歩むべき道を
提示・選択・決定していかなくてはならない。
ここで生きていく私達や将来の世代にとってより良き未来であるように、と。
でも、そのプロセスの中で、やはり悩み、惑いながら誰もが日々を生きているはずなのだ。
「この道は正しいはずだ、でもほかの道だったらどうだろう?別な道はないだろうか?」と。
悩んだり惑ったりしない人生などないはずなのであり、
だからこそ「どこへ向かうのか」「向かおうとするのか」が大変重要なのであると思う。
「向かう先に何を見ようとするのか」の意識がなければならないのだ。
それを見据えることで初めて今という時間軸から未来へと貫くものが出来てくる。
このことを、惑うたびに自分自身に言い聞かせながら歩んでいきたい。

平均寿命で言えばこれで半分に達したことになる。
順調ならばこれまで過ごしたのと同じ時間量をこれから過ごすのだろうが、
その時間量の中でどう生きるか、が一番問われるわけで、
経験や体力や思考など、衰えるものと成熟するもの色んな要素がバランスし
ヒトという生物が"人間"として一番脂の乗るときであろう時期が恐らく40代。
人生の後半戦の序盤の始まり、郷土の復興とともに思いを強く持って歩んでいく。

さて、4日月曜日に町議会の復興特別委員会が開催され、
そこにおいて町独自の住宅再建支援策の検討結果について報告する予定だ。
支援策の具体的検討といずれかの時期における実施についてはこれまでも表明してきたが、
議会の方々からも早い段階での提示を求められていた。
今月下旬からは地区ごとのまちづくり説明会も冬場に続き実施する予定であり、
まずは議会の方々に報告させていただく。
また、用地関係の協議も一層具体化していかなくてはならないので
今月に入りごく若干ではあるが人事異動も実施した。
まだまだ詰めるべき部分は当然あるのではあるが、
全体を動かしていく前提がいろんな部分で出来つつある。
一日も早く町民の方々に「前に進んでいる!」ということを実感していただけるように、
明日からまた精進していきます。
(順調だとして)これからの40年もどうぞよろしくお願いいたします。

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