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2011年04月11日
しかく 忘れない

あの日、帰路で偶然に遭遇できた妻と車の中で一夜を明かした。
目をつぶっても眠ることなどできなかった。
外に出れば、空には満天の星空が拡がっていた。
津波襲来の時刻には吹雪くように雪が舞っていたはずなのに。
これまで見たこともないほど美しく、無慈悲で残酷な夜空だった。
あの夜空を、私は一生忘れることはないだろう。

あれからもう一ヶ月経ったのだろうか?
頭では解っているし、目の前の現実を正面から捉えて
被災者支援と復興に向けた活動を日々しているのに、
未だ現実感が無い、という不思議な感覚に囚われているのが
正直なところだ。
まだまだ瓦礫が山積みで廃墟となった異常であるはずの街並みにも
見慣れてきた感すらある。
被害が軽かった地区では普段の生活が戻りつつあるのを感じるが、
地元ではライフラインが何も復旧していない多くの場所で
明日への不安を抱えながらも協力し合い、
支え合いながら暮らしている被災者がたくさんいる。
自分もその一人であるはずなのに、両者を行き来している内に
感覚が麻痺してきているのだろうか?
身内のみならず、あまりに多くの方を一度に失ったことも
そのことに拍車をかけているのかもしれない。
連絡のとれなかった知人や友人と無事を確かめ合えたときが
あの震災を生き残ったことを実感させてくれる。
だからこそ立ち止まっていてはいけない。
自らの先は考えず、我々全ての今と将来に向かって
やれることとやるべきことを全うするのみだ。


この間、本当に大勢の方々から励ましとご支援、ご協力をいただいてきた。
この場を借りて感謝申し上げます。
しかし、本当に大変なのはむしろこれからだ。
「この地を離れよう」「離れることになった」という声も時折聞く。
一方で再生・新生へ向けた大きな胎動がある。
この直面する現実・試練を乗り越えられるかどうかの戦いであり、
様々な現実に対峙しながら、それを克服し打ち克っていかなければならない。
我々自らの努力もさることながら、今後も各地各界からの支援が必要だ。
皆さんのご協力を切にお願い致します。

誓いを新たにし、未来に向かって進んでいこう。
在るべき平穏と復興を手にすることが犠牲になられた方々への弔いであるし、
残された我々一人一人の責務だ。
長い長い戦いだが、力を合わせ必ず乗り越えていく。

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