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2007年08月29日
しかく サプライズ

昨日、改造安倍内閣の人事が発表された。
各政党や有識者(といわれる方々)の評価があちこちで出ている。
「サプライズがないのがサプライズ」というようなことを
民主党の鳩しろまるさんが言っていた。
しかし地方政治に携わっている人間からすると
まさに「サプライズ」はあった。
総務相への増田前岩手県知事の起用である。

政治的に言うと、増田さんの最初の知事選は民主党の小沢現代表が
全面的に支援して勝利した選挙であった。
三期目の選挙あたりから距離感が微妙になったと伝えられるが、
経緯からすると当時と比し真っ向から対立する立場になったわけである。

そのことはある意味どうでもいいのだが、
増田さんといえば改革派知事、と言われた中でも地方分権推進の旗手として
知られた人物である。
霞ヶ関(旧建設省)出身でありながら、
いやだからこそ国に対し分権の必要性と具体の施策について
絶えず訴え続けてきた。
全国知事会でもその発言力は突出していたものと認識している。
のみならず、現実の為政者として、岩手県内市町村への権限委譲と
県の地方機関への予算を含めた裁量権の拡大を実施した人である。
更には道州制への萌芽たるべく北東北三県の連携を促進してきた。
つまり、地方分権の実践者であった人物だ。

参院選における自民大敗の一つの要因は疲弊する地方への配慮の無さであった。
増田さんの起用はそのことに対する率直な反省、そしてその上に立った
今後の取り組みを大きく意識したものと理解する。

選挙中各党、特に民主党は地方政治や地域経済に対する政府与党の姿勢に
批判を繰り返してきた。
三位一体改革後の地方財政の疲弊振りを見れば、そのことは一部その通りだろう。
しかし、今回の増田氏起用に対し、民主党の大幹部が何も感じないとするならば、
彼らの言ってきたことは票取りの為のまやかしであり、
地方政治における各位の取り組みに対し何らの関心も抱いていなかったことの
証左ではなかろうか。
「常に批判さえしていればいい」というのが現在の野党の本質ではないかと
思えてならない。

当然ながら知事経験者が総務相のポストに付いたからといって、
何かがすぐ変わるわけは無く、特に地方への財源委譲については
財務省の抵抗が相当高い壁になってくる。
熾烈な綱引きも想定されるが、それを突破してこその政治力である。
額賀財務相との良好な連携を期待したい。
逆に言うならこれを突破できなければ安倍内閣は本当に終わりだ。
何らの指導力を発揮できなかったことになるからである。

増田さんのことばかり記したが、総じて実務派・政策通とされる方々が多く、
政治力にも期待できる布陣である。
「若さが無くなった」「派閥の親分ばかり」という声もあるが、
惨敗後の出直しを図る中で政策の実行や実現力を考慮すれば
むしろ当然であろう。
世論調査の改造内閣への支持率も改造前に比べれば大きく向上したのも
国民の期待の現れだと考える。

しかし「期待」で終わってもらっては困る。
期待される政策を実現してこそはじめて「評価」になるのである。
私自身についても同じことが言える。
付託を得た理念や政策を「かたち」にすることが
有権者の思いに応える唯一の方法である。

崖っぷちの安倍内閣。
この再スタートが多くの国民の声に応えるものになることを望む。




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しかく 同期会ご参加の皆様へ(お詫び)

すみません。
色々あってまだ写真UP出来ていません。
近日中に上げれると思いますのでもう少々お待ち下さい。
大変ご迷惑をおかけしますがよろしくお願いいたします。m(__)m

投稿時間 : 02:43 個別ページ表示 | トラックバック (0)

2007年08月02日
しかく 戦い済んで

選挙もあってしばらく更新を控えていた。
当事者じゃなければ選挙について書いてもかまわないんだろうけど、
何かの間違いで公選法違反とかになったら堪りませんので・・・。

で、参院選が終了した。
ご存知のとおりの自民党"大惨敗"である。
正直、地域でどうあがいてもあの逆風は跳ね返せない。
というよりは、これまでの経緯経過に対する
有権者の率直な投票行動の現れであろう。
この結果は謙虚に且つ真摯に受け止めなければならない。
党人としての私も同様である。


今回の参院選の大敗は
1数の力の横暴、という"イメージ"
2年金問題の噴出
3閣僚等の不祥事や説明責任の放棄、及び対応のミス
などに起因している。
年金問題については、現在の取り組みについて結果的に
有権者の理解を得るところまでは行けなかった。
言わば政府側の失点(と有権者が判断した各事象)によるところが大きい。

それにしても2年前とは全く逆の結果である。
振り返って郵政解散といわれた2年前の選挙において
自民党は歴史的勝利を収めた。
当時、大敗した野党側に失点といえるものがあったか、
と思い返すと、これといって大きなものは見当たらない。
敵失でもないのにあれだけの勝利を呼び込んだのは
政府与党自らのメッセージで有権者の共感を呼んだから、と言える。

2年前と今回の違いは何か?
それは"覚悟"の違いではないだろうか。
未来のことは誰にも分からない。
その未来に向けて政治生命を賭け、自らの身を滅ぼしたとしても、
ビジョンと政策を掲げ、我が国と国民の未来を問う、
という姿勢、メッセージの有無ではないだろうか。
失点があれば当然それは選挙結果に影響を及ぼす。
しかしそれ以上に、(政策に妥当性があるという前提で)
有権者はその未来を切り拓こうとする"覚悟"に
一票という自身の想いを託してくれるのではないか、
と考えるのである。

今回、野党、特に民主党にそのメッセージがあったかどうかは懐疑的である。
子育て支援や全農家に対する直接補償など、
その実行には15兆円以上の財源が必要と言われる。
増税もせずにその15兆円をどのように調達・捻出するかについて、
民主執行部は特別会計改革などと言ってはいるが
具体的な手順や方法論は一切触れていない。
衆院が少数野党で政権交代が無いことが分かった上での
"空手形"と言わざるを得ない。

また年金問題の温床となった社保庁をはじめとする公務員改革についても、
民主の比例候補のトップ当選者が自治労(公務員労組)の
組織内候補であることを考えれば(公明党を除く全比例候補でもトップの50万7千票!)、
民主党主導ではその抜本的改革は遥か先になりそうだ。

なお、小沢代表や渡部(恒)最高顧問が「負ければ政界を引退する」と表明したが、
これは自民劣勢がどこから見ても明らかになった時点での表明であり、
前述の郵政解散時における小泉首相の"覚悟"とは明確に異なるものなので、
この"覚悟"がそれほど有権者に共感を呼んだとは思えない。
(支援者に対する鼓舞にはなったであろう)

そうであるならば、為政者(首相)がその"覚悟"を如何に示すかが
今まさに問われている。
今後の衆参のパワーバランスと政策課題を考えると
近い将来の政界再編も現実のものとなりそうだが、
そうしたことも含めて鉄の意志が示されなければならない。
首相続投が表明されたが、"何故?"という声に明確な答えは現状示されていない。
であればなおさらである。

自民党自体も政権や与党の立場にしがみつくことなく、
選挙の勝ち負けだけに囚われるのでなく、
民意が得られなければ下野することも辞さない"覚悟"をもって
あるべき日本の姿を提示し、これからの社会の在り様を
国民に問うていかなければならない。
そうでなければ何のための、誰のための政治であろうか。

地方政治も同様である。
一つ一つの決断に、未来の礎になる覚悟で対峙していかなくてはならない。
今、強く自分自身に言い聞かせている。

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