社会的養護施設第三者評価事業
社会的養護施設第三者評価を受審されるみなさまへ
施設の運営の質の向上を図るため、社会的養護関係施設においては、平成24年度から、3年に1回以上第三者評価を受審し、その間の年においては自己評価を実施することが義務化されました。第三者評価を受審する年も自己評価を第三者評価機関に提出するので、自己評価は実質的に毎年実施することになります。
(1)自己評価とは
- 自己評価とは、組織内部の人があらかじめ定められた基準に従って評価を行うことをいいます。
自己評価は、誰が評価するかによって、結果が異なることがあります。たとえば、管理者とスタッフでは、評価結果が違う可能性があります。しかし、評価結果の差は、職員間での話し合いの材料にもなり、その結果、改善活動や意識の共有につなげていく契機にもなります。
- 社会的養護関係施設の自己評価及び第三者評価では、結果を a、b、c の3段階評価で示します。このうち、aは施設運営指針に掲げられている目指すべき状態です。bはこれに至らない、多くの施設で考えられる状態です。cはこれ以上に課題が大きい状態です。評価結果で、cの項目がある場合は、これを改善していく活動が必要です。bの項目は、更にaに向けて努力していくことが重要です。
(2)第三者評価とは
- 福祉サービス第三者評価事業は、もともとは、社会福祉事業の事業者が任意で受ける仕組みです。しかし社会的養護関係施設については、子どもが施設を選択できる仕組み2ではない措置制度であり、また、施設長による親権代行等の規定もあるほか、家庭等で虐待を受けた子どもの入所が増加し、施設運営の質の向上を図ることが急務であることから第三者評価を受審し、その結果を公表することが義務づけられました。義務づけという形式はとられていますが、全ての社会的養護関係施設が、第三者評価制度を主体的に活用して、社会的養護を必要とする子どもたちや母子のために、施設運営の質の向上を図っていくことが大切です。
- 第三者評価は、施設職員(当事者)ではない第三者評価機関の評価調査者が、施設運営の質を評価します。評価調査者の役割は、施設の現状や課題を明らかにして、質の向上を図るために、施設職員の気づきを促すことです。評価調査者は、行政監査の場合とは違い、最低基準が遵守されているかを確かめ指導監督する役割ではありません。また、施設の悪い部分を見つけてペナルティを課すといった役割でもありません。評価調査者は、評価に関する専門的な研修を受け、評価機関に属する第三者の立場で、社会的養護の質の向上に寄与し、全国の施設で展開される社会的養護の質を向上させることを目標にしています。
(3)自己評価と第三者評価の関係
- 自己評価と第三者評価は、相互補完的な関係にあります。第三者評価を受けるには、まず自己評価を行い、その結果をもとにしながら第三者評価を行います。
自己評価は当事者による評価であるため、甘い評価になりやすい一方、理想を高くし、厳しい評価を行う方もあるでしょう。また、当事者では気づかない視点もあるものです。
- さらに気づいていても改善できていないことも、第三者の目が入ることを契機に取り組みが後押しされることもあります。このことからも、第三者が評価する機会を得ることは重要であり、質の向上に取り組む際には、自己評価と第三者評価を積極的に活用することで、さらなる改善につながることが期待されます。
社会的養護関係施設の第三者評価の流れ
平成 24 年度から受審が義務化となった社会的養護関係施設第三者評価は、下図のような流れで進むことを想定しています。受審申込みから結果公表までに必要な期間は、施設と評価機関の計画内容にもよりますが、おおむね3ヶ月から半年程度かかります。受審経費については、評価機関により異なりますが、措置費には30万8千円を上限に算定されます。
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- 社会的養護関係施設は、ホームページ等で情報を収集し、評価を依頼する評価機関を選び、評価方法などを確認し契約を結びます。施設は職員に対して、第三者評価の手順等を説明します。
施設は続いて、事前準備として自己評価を行い、その結果及び事前提出資料を評価機関に提出します。また、評価機関の行う利用者調査(入所児童等へのアンケート)に協力します。第三者評価を行う年の自己評価の方法は、評価機関との打ち合わせによって決めます。
- 訪問調査では、評価調査者 2 名以上が担当し、1.5 日以上の調査を行います。内容は、施設見学、施設長や職員への評価項目に関連するインタビュー、書類等の確認等です。
その後、評価機関は、複数の評価調査者による合議を行う等して、評価結果を取りまとめます。必要に応じて施設に確認する等の調整を経て、評価機関として責任を持って、評価結果を施設に報告します。(文書で送付あるいは評価結果報告会を開催し説明します。)
- 施設は評価結果を受けて、公表様式の施設側のコメント欄に記入します。確定した評価結果は、第三者評価機関が全国推進組織(全国社会福祉協議会)及び都道府県推進組織に提出し、全国推進組織(全国社会福祉協議会)等が公表します。(本サイト社会的養護施設第三者評価 評価結果検索ページ)また、各施設の判断で施設のホームページ上に公表することもできます。
- 「社会的養護施設第三者評価 評価機関一覧表」
(2023年03月28日現在 有効期限:令和7年3月31日)
参考資料
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