踏切の触覚誘導表示に関する意識の予備調査
○しろまる豊田航(近畿大学生物理工学部)田崎笙悟(近畿大学生物理工学部)尾形真樹(杏林大学医学部付属病院アイセンター)
2022年4月に奈良県で発生した視覚障害者の踏切事故を契機に,日本全国で踏切の内外に視覚障害者誘導用ブロック等の触覚誘導表示の設置が議論されるようになった.実際に国内の幾つかの踏切内にエスコートゾーンや内方線付点状ブロックが設置され始めており,国土交通省によるガイドラインに関連する新しい検討も進められている.他方,触覚誘導表示は設置さえすれば視覚障害者の安全な移動が無条件で保障されるものではなく,足底や白杖による検出および識別可能な設計[1]や,歩行中の視覚障害者による適切な利用等が満たされることで安全な移動の可能性を高めるものである.そこで触覚誘導表示を利用した歩行の専門性を有する歩行訓練士の実践的知識が欠かせない.歩行訓練士が日々の業務の中で醸成した触覚誘導表示に関する問題意識等から,視覚障害者の安全な踏切横断に寄与する触覚誘導表示のより深い検討ができるようになる可能性がある.
そこで本研究は,歩行訓練士を対象に踏切内外に設置する触覚誘導表示に関する意識について予備的に調査することを目的とした.
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