歩行ガイドロボットの歩道におけるサインパターンの選定
〇松本 武(山梨大学)丹沢勉(山梨大学)森英雄(NPO法人歩行ガイドロボット)
視覚障がい者は全国に約31.2 万人存在している.通常,視覚障がい者は歩行の際に白杖や盲導犬の力を借りている.しかし,日本で実働している盲導犬の総数は視覚障がい者に対して大きく不足している現状である.そこで,盲導犬の代わりとなるような,歩行を補助するロボットとして「歩行ガイドロボット」を製作することにより,これを改善できるのではないかと考えた.
歩行ガイドロボットを用いた補助を行う際には,情報のアナウンスや歩行の補助,危険物の回避があり,これらを行ための機能が必要となる.本研究ではこのうちの歩行補助にあたる機能の研究を行う.
現在,Lidarやカメラ,その他センサを使用した自己位置推定が行われている.この際に取られる手法として主に経路のマッピングを行う方式がとられている.これは現実世界に対応した地図を事前に学習・作成し,現実での移動を地図へと反映することで現在位置を把握しつつ移動先を決定することである.そのため,移動の基準となる地図情報の情報量や精度,さらに継続的な移動によって生じる累積誤差を補正する処理を行うため現在位置を特定できるユニークな指標(ランドマーク),が必要となる.
マッピングでは,現実に忠実な地図を作成するため多くの撮影や測定が必要となり相応の人手も必要となるため作成は容易ではない.また,忠実に地図を作成したとしても季節の変化や工事によって環境は変化する.変化によって再度の地図作成が必要となる可能性もあり,導入やメンテナンスの面でのコストの高さが実装の障壁となる.
人間は忠実な地図でなくとも,経路のうち重要となる分岐路や曲がり角などのポイント情報があれば到達が十分に可能である.これは,目的のポイントに対して進むべき経路を道なりに進むことで目的地に到達することで移動を可能としている.この「道なりに進む」という行動は,マッピングによる移動の必要精度レベルを下げ,マップ精度に依存しない移動を可能にすると考えた.そこで本研究では歩行者が進む道での周囲環境から経路を推定し,経路に沿った走行を行う手法を提案する.
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