神奈川県警察本部は、2030年度までの完了を目指していた警察署23カ所の浸水対策について、近年の風水害の激甚化・頻発化を踏まえ実施時期の前倒しも検討する。一部の警察署で既に設計を進めており、止水板の設置やドライエリアの嵩上げなどの対策を行うこととした。本年度は川崎署など4カ所で工事、戸部署など4カ所で実施設計をまとめる。
県警では県内自治体が公表するハザードマップや電気設備の状況を踏まえて、警察署54カ所の浸水リスクを調査、23カ所で浸水対策が必要と判断した。これに伴い、23年度から30年度までの8年間で該当する警察署の浸水対策工事を実施する計画を策定した。
対象となる警察署のうち、川崎署と幸署、港北署、保土ケ谷署の4カ所は23年度に実施設計を行い、現在工事の入札手続きを進めている。主に止水板の設置、ドライエリアの嵩上げ、排水設備の逆流防止などを予定する。この他、24年度には金沢署、栄署、磯子署、南署の実施設計をまとめた。本年度は戸部署、伊勢佐木署、山手署、加賀町署の設計を矢野建築設計事務所(横浜市磯子区)に委託している。
県議会第3回定例会の代表質問で亀井たかつぐ議員(公明党)の質問に和田薫警察本部長が答えた。亀井議員は「県内54カ所の警察署は災害活動拠点として位置付けられる。警察署が災害発生時に機能を失うことはあってはならない」と述べ、迅速な対応を求めた。
提供:建通新聞社