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2008(c) Seikatsushoin Co., Ltd.
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【2009年10月刊行】
介助という実践のなかから、他者との距離感を計測すること、そして、できることなら、この社会の透明性を獲得すること......。

前田拓也【著】
介助現場の社会学
──身体障害者の自立生活と介助者のリアリティ



46判上製 376頁 2800円 ISBN 978-4-903690-45-2 C0036
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介助という実践のなかから、他者との距離感を計測すること、そして、できることなら、この社会の透明性を獲得すること......。
驚くこと、おかしくて笑ってしまうこと、失敗すること、叱られてしまうこと、違和感をおぼえてしまうこと、不甲斐なさを思い知ること、イライラすること......介助する「当惑するわたし」に凝縮して経験され、表現される、この社会での立ち位置。
その当惑を自覚し、押さえ込み、相手と反発しあいつつ、「わたし」のありようを変えていくプロセスは、目の前にいるその人との関係性を変えていくプロセスであり、この社会で位置づけられ、再生産される両者の関係性を組み替える試みへと、静かにつながっていく――「まるごとの経験」としての介助の只中で考え続けてきた、若き社会学者による待望の単著!



【目次】

序 章 介助、その「まるごとの経験」
0 はじめに
1 障害者運動と自立生活

第1章 介助者のリアリティへ
0 健常者というnobody?
1 「介助者=手足」論――介助者の「匿名性」
2 介入とパターナリズム
3 「一人で暮らすこと」と「理念」のあいだ
4 介助者のリアリティへ――〈において〉の視座

第2章 パンツ一枚の攻防──介助現場における身体距離とセクシュアリティ
0 フラッシュバック!
1 「不快」な経験
2 介助のリアリティ/セックスのリアリティ
3 「最前線」としての入浴介助
4 パンツ一枚の攻防
5 脱構築のパンツ
6 「まるごとの社会」のために

第3章 ルーティンを教わる
0 現場の日常、退屈なルーティン
1 ルーティン化の過程――教え、教わる労力
2 伝えることの困難
3 「現場」のフレームのために

第4章 アチラとコチラのグラデーション
0 アチラ側へ
1 支援費制度と障害者自立支援法
2 「技術」のある風景
3 わかること・わからないこと・わからなくてもいいこと
4 世話の途上、素人の発見

第5章 「慣れ」への道
0 排泄介助に「慣れる」
1 ダーティーワークと生理的嫌悪
2 てぶくろを差異に
3 ま、いっか、のココロ
4 曖昧な慣れかた――慣れるのはよいことか

第6章 出入りする/〈介助者〉になる
0 人いきれのなかで
1 CILというコミュニティ
2 障害者コミュニティのなかの介助者
3 参加する/そとへつなぐ

おわりに――「まるごとの経験」のために
1 介助の両義性を位置づける
2 「介助」の偏在に向けて

参考文献

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