くらしが育んだ「里」を未来へ
人々のくらしに育まれてきた健やかで美しい「にほんの里」100選。
各地のニュースや活動、特色や所在地――里からの発信をお届けします。
山間の盆地に大小20の湿原が点在する。水田と湿原が同居し、のどかな田園風景が広がる。茅(かや)ぶきの農家も残り、木々も豊かだ。
※(注記) 交通アクセスや店舗情報などは、お出かけ前にご確認ください。
※(注記) 車ナビは、里を訪れる際の目標ポイントを数値化したマップコードで、()内が施設名や地点です。地図では★で示しました。カーナビのマップコード検索で利用できます。
2017年06月01日
●くろまる湿原に咲くカキツバタの花(芸北 高原の自然館提供)
地元の力で保全・再生
年間の平均気温が10 度前後という北広島町の芸北地区。降水量の多い冷涼な高原地帯に大小さまざまな湿原が点在し、その総称が八幡湿原だ。湿原を彩るのはカキツバタ、ノハナショウブ、ハンカイソウ、ミズチドリなどの花々で、水辺を好むハンノキの林も広がる。カスミサンショウウオなどの水生生物の姿も豊かだ。
過去の農地や牧場の開発によって、そうした湿原が分断されたり、乾燥化したりした場所もある。地元では残された湿原の保全とともに、貴重な湿原を後世に伝えるための再生にも取り組んできた。休耕田を活用した「カキツバタの里」も整備されており、たくさんの花が咲く初夏にはにぎわいを見せる。