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• 台湾を築いた明治の日本人

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なぜ日本人は台湾に心惹かれるのか

「蓬莱米」を開発した磯永吉。
東洋一のダムを築いた八田與一。
統治を進めた児玉源太郎、後藤新平...。

国家のため台湾住民のため
己の仕事を貫いたサムライたち!

明治のリーダーは私たちと何が違うのか

日本の台湾統治にエリート技師としての職分を存分に果たした八田與一と磯永吉
という二人の日本人の中に、私は明治の精神をのぞきみている。そして、第四代
台湾総督・児玉源太郎と、台湾近代化の基盤づくりのことごとくに総督府民政長官
として偉大なる貢献をなした後藤新平、この二人の思想と行動の中に、理性と
豪気をあわせもつ明治日本の指導者の原像を探っていきたい。(「はじめに」より)
アジアに造詣の深い開発経済学者が放つ群像劇!

主な内容

• はじめに
• 第一章 「台湾農業の父」は磯永吉
  ◎にじゅうまる「蓬莱米を見届ける責任がある」
  ◎にじゅうまるきっかけとなった米騒動
  ◎にじゅうまる台湾農業近代化を求める訓示
  ◎にじゅうまる末永仁の研究に魅せられる
  ◎にじゅうまる蓬莱米開発の苦闘
  ◎にじゅうまる内地種の意外な伸び
  ◎にじゅうまる大日本帝国二位の栽培面積
  ◎にじゅうまる台北帝国大学の「磯小屋」
  ◎にじゅうまる四五年ぶりの帰国
• 第二章 蓬莱米が起こした「緑の革命」
  ◎にじゅうまる八番目に創生された改良品種
  ◎にじゅうまる忘れられた日本人・杉山龍丸
  ◎にじゅうまるインド人青年の訴え
  ◎にじゅうまる杉山家三代の宿命
  ◎にじゅうまるなぜ野牛は炎天下で腹ばいになるのか
  ◎にじゅうまるパンジャーブ州総督に会う
  ◎にじゅうまる「あなたのような日本人は初めてです」
  ◎にじゅうまるユーカリ樹林帯
  ◎にじゅうまる「蓬莱米は台湾だけのものではない」
• 第三章 台湾というフロンティアの夢
  ◎にじゅうまる海賊集団には絶好の巣窟
  ◎にじゅうまるもうひとつの日清戦争
  ◎にじゅうまる「旧慣」と「自治」
  ◎にじゅうまる不作、豊作は天の采配
  ◎にじゅうまる未開のフロンティア・台湾
  ◎にじゅうまる「人類ノ為メ 國ノ為メ」
  ◎にじゅうまるバルトン、浜野弥四郎の「自利利他」
  ◎にじゅうまる八田與一に白羽の矢を立てる辣腕長官
  ◎にじゅうまる台湾の地政学的重要性
• 第四章 困難に屈しない技術者たち
  ◎にじゅうまる荒涼の嘉南平原
  ◎にじゅうまる「米と砂糖の一大供給地になる」
  ◎にじゅうまる「不抜の信念があるか」
  ◎にじゅうまる台湾の最大河川を利用しない手はない
  ◎にじゅうまる八田工法の独自性
  ◎にじゅうまる空中移動する削岩機
  ◎にじゅうまる無間地獄か
  ◎にじゅうまる「ハッタダム」の由来
  ◎にじゅうまる優秀者に解雇通告
• 第五章 なぜ嘉南大圳は成功したのか
  ◎にじゅうまる平原は一枚の緑の絨毯
  ◎にじゅうまる烏山頭ダムの完成
  ◎にじゅうまる「三圃制」の画期的な活用
  ◎にじゅうまる犠牲者一三四名の殉工碑
  ◎にじゅうまる技術者集団「南方開発戦士」
  ◎にじゅうまる大洋丸の惨劇
  ◎にじゅうまる遺体発見
  ◎にじゅうまる子供たちに宛てた五枚の絵葉書
  ◎にじゅうまる烏山頭に疎開した妻の最期
• 第六章 理性と豪気の児玉・後藤政治
  ◎にじゅうまる後藤を長官に抜擢した児玉の直観力
  ◎にじゅうまる「我が輩の方針は〝無方針〟である」
  ◎にじゅうまる武装集団「土匪」をどうさばく
  ◎にじゅうまる台湾に伝わる「保甲」
  ◎にじゅうまる後藤思想の源流『国家衛生原理』
  ◎にじゅうまる適者生存の理を究めよ
  ◎にじゅうまる台湾銀行なくして開発はない
  ◎にじゅうまる新渡戸稲造を動かした一言
  ◎にじゅうまる後藤の行政手腕
• 最終章 英米は台湾統治をどうみたか
  ◎にじゅうまる欧米の代表メディアが絶賛
  ◎にじゅうまる中国は無法の島を手放しほっとしたのではないか
  ◎にじゅうまるアヘン吸引者を減らす方法
  ◎にじゅうまる我慢強く寛容な日本人
  ◎にじゅうまる日本統治下の経済成長は「衝撃的」
  ◎にじゅうまる台湾中等学校教科書『認識台湾』
• おわりに――「韓国反日 台湾親日」由来は何か

著者について

渡辺利夫(わたなべ・としお)

拓殖大学学事顧問、前総長、元学長。昭和14(1939)年、山梨県甲府市生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。同大学院経済学研究科修了。経済学博士。
筑波大学教授、東京工業大学教授、拓殖大学教授を経て現職。専門は開発経済学・現代アジア経済論。(公財)オイスカ会長。日本李登輝友の会会長。平成23年、第27回正論大賞受賞。
著書に『成長のアジア 停滞のアジア』(講談社学術文庫、吉野作造賞)、『開発経済学』(日本評論社、大平正芳記念賞)、『西太平洋の時代』(文藝春秋、アジア・太平洋賞大賞)、 『神経症の時代 わが内なる森田正馬』(文春学藝ライブラリー、開高健賞正賞)、『アジアを救った近代日本史講義 戦前のグローバリズムと拓殖大学』(PHP新書)、 『放哉と山頭火』(ちくま文庫)、『新脱亜論』(文春新書)、『士魂 福澤諭吉の真実』『死生観の時代』(海竜社)など。