吉津宜英著作集 全4巻
≪2018年7月刊行開始!≫ 【呈内容見本】
『吉津宜英著作集』編集委員会 編
菊判上製・函入・各巻平均500ページ
各巻予価 税込16,500円(本体15,000円+税) ISBN978-4-653-04430-7(セット)
東アジア仏教研究の新しい古典
南北朝隋唐時代の仏教、とりわけ華厳思想に関する研究において若くして画期的な論文を次々と発表し、注目された吉津宜英博士。【各巻内容】
第1巻 浄影寺慧遠の思想史的研究
第2巻 浄影寺慧遠と大乗起信論
第3巻 華厳思想の形成と展開
第4巻 元暁・法蔵融合形態と東アジア仏教
<編集委員> (50音順)
石井 修道 駒澤大学名誉教授
岡本 一平 慶應義塾大学非常勤講師
金 天鶴 東国大学仏教文化研究院HK教授
佐藤 厚 専修大学特任教授
崔 鈆植 東国大学教授
陳 永祐(本覚) 元中央僧伽大学教授
馬淵 昌也 元学習院大学教授
吉田 叡禮 元花園大学教授
<吉津宜英先生の略歴>
1943年(昭和18)12月17日、広島県府中市に生まれる。1966(昭和41)駒澤大学仏教学部禅学科卒業。1971年駒澤大学大学院人文科学研究科仏教学専攻博士過程満期退学。1992年『華厳一乗思想の研究』(大東出版社)により博士(仏教学)を取得。駒澤大学仏教学部教授、駒澤大学仏教経済研究所所長、駒沢宗教学研究会理事長等を歴任。2014年(平成26)1月5日逝去。享年70歳。
主要著書:『阿毘達磨倶舎論索引』三巻(共著、大蔵出版、1973年―1978年)、『華厳禅の思想史的研究』(大東出版社、1985年)、『大乗起信論新釈』(大蔵出版、2014年)等。
受賞:1980年、日本学士院賞(『阿毘達磨倶舎論索引』三巻により、平川彰・平井俊榮・袴谷憲昭・高橋壯と共に)等。
『吉津宜英著作集』を推薦する 東京大学名誉教授 木村清孝
故吉津宜英博士とは、私の方が少し年上で、出身地も学歴も違う。性格もかなり異なる。しかし、何か不思議な縁で結ばれていると感じる。というのは、はっきりしたことだけでも、同じ宗門に属すること、華厳思想の研究を中心的課題としたこと、鎌田茂雄先生等を通じて中国仏教の面白さや奥深さに目覚めたこと、後年には、平川彰先生が中心となって設立された仏教思想学会から学術賞を同じ年に受賞する栄に浴したことなど、共通点がいくつも挙げられるからである。博士の早逝を思うと、今も心が痛む。『吉津宜英著作集』の刊行に寄せて 駒澤大学名誉教授 石井修道
吉津宜英博士と私の出会いは、不思議な仏縁の一言に尽きる。二人とも一九四三年の同じ年に曹洞宗の寺院の子弟に生まれ、駒澤大学禅学科に同時に入学以来、大学院も仏教学部への奉職も最後の七十歳の定年退職の年に至るまで、共に切磋琢磨してきた。痛恨の極みは彼の遷化のために残念ながら退職の日は同時に迎えることはできなかった。