「補装具の価格の話」について、国立障害者リハビリテーションセンター研究所 障害福祉研究部のがさわけんじが紹介させていただきます。 補装具費支給制度という制度があります。 身体機能等を補完・代替する用具の購入等に公費(補装具費)を支給する制度です。 対象用具(種目)には、 義し 装具 座位保持装置 視覚障害者安全つえ 義眼 補聴器 車椅子 座位保持椅子 重度障害者用意思伝達装置 など計17種もくがあります。 補装具の価格は、基本、厚生労働省による公定価格によっています。 安定して補装具の供給を続けるには、価格設定が重要です。 価格が、たかすぎると、公費・自己の負担が過大に。低すぎると、供給事業者の採算が取れないことになります。 この研究の目的は、持続的な補装具の供給に資するため、供給費用等についての基礎データを提供することです。 補装具の公定価格が実態に合わない。その背景には、制度の想定と現状との食い違いがあると考えられます。 何が食い違うのでしょう? まず、前提となる状況として、用具がどのようなもの、仕様なのか、用具をどのように作るかについての想定が、現状と合っているのかという問題があります。 そしてさらに、各用具の価格根拠情報の想定が現状に合っているのかという問題があります。種目によって、供給費用の把握、あるいは用具の市場価格の把握等が課題となります。 本研究ではこれらの調査を実施あるいは検討してきました。 調査結果の一部は、補装具の価格等が定められている厚生労働省の補装具費支給基準の改正の際、参照されました。 直近の調査結果は、厚生労働科学研究成果データベースから閲覧・ダウンロードできる、令和2年度 「補装具費支給制度における種目の構造と基準額設定に関する調査研究」 総括・分担研究報告書に記載されています。 最後までご覧いただき、ありがとうございました。