平成27年請願第8号


厚 生 常 任 委 員 会
請 願 番 号 請 願 第 8 号 受理年月日 平 成 2 8 年 2 月 2 9 日
知的障害者が安心して暮らせる入所施設の充実を求める政府意見
書の提出についての請願
【請願要旨】
1.知的障害者が生涯を通じ24時間切れ目のない安心して、快
適に暮らせる入所施設及びグループホームを充実すること
2.必要な支援の制限につながる現行の障害支援区分は、本人に
とって必要な支援が受けられる仕組みに充実すること
3.安定して継続的な支援が受けられる職員体制を維持すること
4.国及び地方公共団体は、知的障害者が自己選択権を行使でき
るよう、契約行為とその履行について責任を負うこと
【請願理由】
1.知的障害者は、障害の状況を問わず、生涯を通じた24時間
請願の件名 切れ目の無い支援と見守りがなければ一人で生き辛い特性を多
かれ少なかれ持っています。
障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法
律(障害者総合支援法)による施設の事業形態では昼夜分離と
なり、利用者にとって生活支援が最も必要な朝夕の時間帯を含
む施設入所支援の質量を左右する給付費が、日中の給付費の約
3分の1になっており朝夕の給付費を充実すべきです。
昼夜一体的運営をする障害者支援施設において、昼間の職員
配置をもって夜間の支援を併せ行うため、職員配置が不足し、
昼夜を通じて支援の質の低下と量の不足が生じています。その
ため、障害者虐待の発生の一因ともなっていると考えます。ま
た、グループホームについても、夜間の職員配置が必要と考え
ます。
生涯を通じた24時間切れ目のない支援と見守りが可能な施
設を必要とする知的障害者にとっては、親亡き後の生涯を通じ
た「家庭(終の住処)
」として、地域福祉の拠点と位置づけ活
用すべき社会資源です。
その意味において、入所施設を、知的障害者がより豊かな生
活が享受できるものにするとともに、グループホームについて
も、同様の位置づけに立って充実するべきです。
なお、骨格提言で述べられている「知的障害者が長期施設入
所を余儀なくされている」のではなく、その障害の実態から長
期の利用を必要としていることも付け加えておきます。
2.障害者等の障害の多様な特性その他の心身の状態に応じて必
要とされる標準的な支援の度合いを総合的に示すものとした障
害支援区分においても、区分による障害福祉サービスの制限は
依然として存在しています。
また、障害支援区分を給付費額の多寡(支援の質量)に結び
付け、更に障害福祉サービスの制限等を行うなどにより、知的
障害者の暮らし方まで制限するものといえます。
一人ひとりの特性に合った必要な支援が受けられる仕組みに
充実すべきです。
3.障害福祉サービスを提供する人たちの賃金は、一般企業と比
較して職員賃金が低く、労働に見合わないとして従事する人た
ちが少なくなってきています。
従って、給付費の増額と人件費・一般管理費など事業経営上
恒常的に必要とする給付費については、職員体制が維持され安
定した支援が受けられるような環境整備をすべきです。
4.司法例において、多くの知的障害者には契約能力がないと判
断されているにもかかわらず、支援費制度から障害福祉サービ
スの利用契約が知的障害者と事業者間で行われているところで
す。
このような仕組みの下では、国・地方自治体の公的責任が明
確ではないばかりでなく、むしろその後退が進む懸念がありま
す。
従って、障害福祉サービスの利用については当事者(障害者
本人及びその家族等)の意思決定を、国・地方自治体が責任を
もって担保するべきです。
前記4項目について、貴議会において採択いただき、意見書を
国へ提出されるよう請願する。
紹 介 議 員 横田 照夫 野﨑 幸士 満行 潤一 来住 一人
重松幸次郎

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