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No.74 渦鞭毛藻・ディノフィシス属4種 2012年9月14日
前回は,県下でみられる麻痺性の貝毒原因プランクトンのうち2種を紹介しました。いっぽう下痢性の貝毒原因プランクトンは全てディノフィシス属で13種が県下で確認されています。ただし県内の毒化事例は,ディノフィシス・アキュミナータが主体となっています。
※(注記)さらに詳しく知りたい方は,『貝毒について知っていただきたいこと(三重県庁)』へ。
※(注記) 現在は検査体制が確立されており,毒化した貝が店先に並ぶことはありません。安心してください。
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ディノフィシス・アキュミナータ (2011年4月11日 志摩市的矢)
今回はそのアキュミナータと,代表的なフォルティ,コウダータ,ロトゥンダータの同属4種を紹介します。鎧板(よろいばん)で体を覆われているのは,前回のアレキサンドリム属と同じです。さらに翼片(よくへん)という特徴ある部位を持っています。特に体を横断する横溝翼片は冠のようにも見えます。研究員は,この翼片を特徴に検鏡します。
翼片を持つプランクトンを見つけたら,あとは形の特徴で,種名まで明らかにできます。 以下の写真は,すべて県内沿岸の採水から得たものです。
どうですか? アレキサンドリウム属に比べると種名を調べるのは,ずいぶん楽です。冠をかぶったような姿でゆっくり回転しながら泳ぐため,ユーモラスな感じです。でもその風貌とは裏腹に,おいしい二枚貝を毒化させてしまう恐ろしい存在です。
さて,下痢性の毒性分の一つは”オカダ酸”といいます。「岡田さん」と聞くたびに,反射的に下痢性貝毒のことを思い浮かべてしまうのは,仕事柄なのでしょうね。
(2012年9月14日掲載 水圏環境研究課)