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茶業研究室に自由研究の調査に来た小学生、中学生のなかで、大変良くできた作品を紹介します。
夏休みの自由研究の参考にして下さい。
ここでは、平成9年10月23日第25回夏休み社会科作品展で特選「三重PTA連合会賞」を受賞した関町坂下の福島長太郎さん(受賞したとき関中学1年生)の作品の要点を紹介します。
「坂下茶のゆくえ」
今年の7月、僕の家の前にあるお茶工場が閉鎖されることになった。
お茶の時期になると、普段あまり車が通らない僕の家の前をお茶の葉をいっぱい積んだ軽トラックが、次々に通っていた。
こんなにお茶工場を利用する人がいるのに、どうして工場を閉鎖するのだろうか。
僕が住んでいる坂下地区は、山に囲まれて日照時間が短いため、良い品質のお茶ができる。
お茶工場が閉鎖されたり、お茶を作る人がいなくなったらどうなっていくのだろうと思って、坂下茶について調べてみたくなった。
<茶業研究室の写真数枚><伊勢茶のパンフレット>
<茶の品種資料><新聞の切り抜き資料>
質問の内容
質問に対する答え(多いので省略します)
<亀山茶農協の写真数枚>
僕が生まれたときから、家の近くにお茶工場やお茶畑があり、お茶のことは良く知っていると思っていた。
しかし、この研究をしてから、お茶の品種やお茶工・黷フしくみなど、お茶の奥深さがわかった。
また、お茶作りをしている人の苦労がわかってきたら、だんだん気の毒になってきた。
僕の予想より、お茶作りをしている人は高齢化しており、後継者不足が深刻な問題だということがわかった。
お茶は、飲むものだと思っていた。
しかし、茶業研究室の研究員に聞いたら、「最近は食べる茶の研究をしている」と聞いてびっくりした。
どういうことかと聞くと、アイスクリームやクッキーに使われていると聞いてなるほどと思った。
いろいろな飲み物が出てきて、緑茶の消費量が減少してきたのは残念だが、研究員たちの研究によって「みえ緑萌1号の開発」や「食べる茶の研究」が行われており、すばらしいことだと思った。
O-157や虫歯やガンの予防など、健康面にお茶が効果があり、研究員はこのお茶の良さについてPRして、消費をのばす努力をしている。
僕もこの話を聞いて、お茶がこんなに健康に良く、すばらしいものだということがわかった。
茶業研究室や農家での話で一番出てきたのは、「後継者不足」「お茶作りの高齢化」「自分の代でやめる」という夢のない言葉だった。
しかし、消費をのばす努力をする姿や、人より良いお茶を作ろうと努力する人の姿は、すばらしいなあと思った。
そして、僕はこの人たちから、お茶というのは愛情を持って、ほねみをおしまず世話をすることが大切で、忍耐と根性が必要なんだということを教えられた。
僕の家の近くのお茶工場のSさんに聞いたところ、土建業と兼業なので人手不足だし、工場が古くなって、このままお茶を続けていくと赤字になるため、ちょうどやめる時期で、お茶工場が閉鎖されたそうだ。
僕が小さい頃、かくれんぼしたり虫などをつかまえて遊んだ思い出の場所だった。
新茶の香りで、僕にお茶の時期を知らせてくれたのにとても残念だ。
A茶工場が閉鎖されることになって、ほとんどの人がお茶作りをやめるそうだ。
そんな中でTさんは、他の工場で製茶してもらうそうだ。
あくまでも坂下茶を愛する人で、すばらしい人だと思った。
僕は、一人でも多く坂下茶を作り続けてほしいと思った。
僕は、この研究をしていろんな人に出会い話を聞いた。
どの人も皆、お茶に関わっている人は親切で、いろんなことを教えてくれた。
<自分で書いた茶摘みの図>
私は、このホームページを作ったものです。
おかあさんといっしょに、茶業研究室に調査に来た福島長太郎さんのことは、今でもはっきりおぼえています。
ずいぶんはっきりとした問題意識を持って、深い質問をする子だなあと思いました。
彼が、これだけしっかりした夏休みの自由研究を作れた理由を私なりに考えてみました。
お茶一般のことは、本やホームページで調べられますが、一番大切なことは、お茶に関係する人の話を聞くことです。
あなたが聞く内容は、本などからは決して調べられないあなただけの研究であり、そのことが最も大切だと思います。
いろいろな場所に行って、写真をとることは、場合によっては、文字で書くよりも多くのことを表せます。
あらかじめ、自分がどんなことを質問したいのか、考えてから質問しないと、深い研究はできません。
お茶に関係している人は、質問すれば親切に答えてくれると思います。
しかし、ふだんはいそがしく仕事をしているので、あらかじめ電話してから行った方が、あなたのために時間をあけて、よりていねいに答えてくれると思います。
それから、お茶を製造している時期はできればさけて、写真をとる程度にした方がよいでしょう。
お茶を製造しているとき、お茶の関係者は寝るひまをおしんで、必死に働いています。