三重県埋蔵文化財センター嬉野分室で考古学イベント「まいぶん祭2025」を開催しました。2日間とも雨が降り、悪天候の中でのイベントでしたが、2日間で300人を超える方にご来場いただきました。
体験工房(勾玉づくり)
材料の滑石を3種類の紙やすりで削っていき、形を作りました。四角形の滑石から勾玉の丸みを帯びた形を作るのはとても大変です。大人とも協力しながら、きれいな勾玉を完成させていました。できあがった勾玉をながめたり、首にかけたりしてとても満足そうでした。何度も仕上げの紙やすりできれいに磨いてはキズがないか確かめて、美しく仕上げようとするお子さんもいました。
土器や石器にさわってみよう
縄文時代の土器や石器、弥生時代の土器、古墳時代の土器など県内の遺跡からみつかった資料を触ることのできるコーナーです。みなさん、本物を手にとって重さや硬さなどを比べて楽しんでいました。
むかしの火おこしをやってみよう
木と木をこすり合わせ、まさつ熱で火をおこす「まいぎり式」で火をおこしました。
まさつにより、火種ができたら、ほぐした麻につつんでうちわであおぎます。雨の中、なかなか火につかないようでしたが、うまくいかなくても根気よくやり直して、パッと火がつくと、歓声がおこりました。
三重の遺跡パネル展示
三重県を代表する遺跡を紹介するパネル展示です。今回は当センターのホームページ「みえの遺跡紹介」で紹介した遺跡の出土遺物や、過去の展覧会で紹介した遺跡の遺物を展示しました。津城跡の安東焼や石薬師東古墳群の鹿形埴輪など、さまざまな遺物や遺跡の様子を多くの方にごらんいただきました。
「レベル」って何?発掘調査のための機械、のぞいてみませんか?
発掘調査には欠かせない、地面の高さの違いを測定する機器、「レベル」の操作を体験してもらうコーナーです。
測定したい場所に機器を向け、ピントを合わせて測定するには、コツが必要です。スタッフの説明を聞きながら、うまく合わせることができていました。
古代の布を作ろう入門編
今回初めて実施した、段ボール紙を使った簡単な機織り機を使って、本のしおりのような布を作る体験コーナーです。
縦糸と緯糸をうまく組み合わせながら編みあげていくのは根気がいりますが、編み目をしっかりつめたり、色をカラフルにしてみたり、思い思いの布を完成させていました。
今回の「まいぶん祭2025」でも、参加者にワークシートを配布し、それぞれのコーナーを体験したり、展示をよく見て解答するクイズに挑戦してもらいました。みなさん熱心に取り組み、正解するともらえるプレゼントを迷いながら選んでいました。このイベントをきっかけに、子どもたちだけでなく、ご来場された大人の方も考古学に興味をもってもらえることを期待しています。