城之越遺跡は近鉄伊賀神戸駅から北東約1kmのところにある古墳時代の遺跡です。平成3(1991)年、ほ場整備などに伴う発掘調査が行われ、貼石や立石で護岸された大溝など、庭園の原型と考えられる遺構が発見されました。大溝の源流にあたる井泉からは清水がコンコンと湧き出ており、湧き水に関する祭祀が行われていたと考えられています。
また、祭祀に用いたと考えられる木製品や小型丸底壺などの遺物も多く出土しました。
これらの遺構は我が国の庭園史を考える上で非常に貴重であったことから現地で保存されることとなり、平成4(1992)年に三重県の史跡、平成5(1993)年に中心部が国の名勝および史跡に指定されました。
城之越遺跡 大溝
おもな時代:古墳時代(1650年〜1550年前)
遺跡の所在地:伊賀市比土
発掘調査報告書のリンク:『城之越遺跡』(1992年)