5月9日(金)に、松阪市立鵲小学校の5・6年生26名が埋蔵文化財センター嬉野分室に来室しました。鵲小学校では、津波発生時の避難訓練の一環として、三重県農業大学校まで遠足を実施しているとのことで、隣接する当分室まで来室していただきました。担任の先生からは、「施設の見学」と「火おこし体験」の依頼がありました。
まずスライドで埋蔵文化財センターの業務と、鵲小学校近隣の遺跡について紹介しました。子どもたちは、学校の周辺に多くの遺跡が存在することに驚いていました。また、これから歴史学習に入る6年生に向け、当センターが保管する様々な遺物を紹介しました。鴻ノ木遺跡(松阪市)出土の縄文土器深鉢、野添大辻遺跡(大紀町)出土の石器、納所遺跡(津市)出土の弥生土器、片野遺跡(津市)出土の石包丁を展示しましたが、子どもたちは興味津々で観察していました。
雨が激しくなってきたので、予定していた施設見学は中止して、火おこし体験に移りました。湿度が高い状況でしたので、なかなか着火しないグループが多かったのですが、2つのグループが着火に成功し、歓声が上がっていました。
子どもたちは残ったわずかな時間で、意欲的に火おこしに再チャレンジしていました。また、こちらで用意した貫頭衣の着用体験をしてもらい、大変好評でした。
事後のアンケートでは、「火起こしや、昔の人が使っていた道具をさわって体験できたし、自分の学校の周りのことを教えてもらえてよかった」「自分たちが住んでいる場所は遺跡だったと知ってびっくりした」「火おこしでは火はつかなかったけど、やり方がわかってうれしかった」などの声が寄せられました。
三重県埋蔵文化財センターではこれからも、子どもたちの学習につながる様々な出前授業や見学依頼にこたえていきたいと考えています。(活用支援課)
展示遺物の様子 土器説明の様子
火おこし体験 貫頭衣着用体験