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ユニバーサルデザインのまちづくり
ユニバーサルデザインとは、ユニバーサル=普遍的な、全体の、という言葉が示しているように、「すべての人のためのデザイン」を意味し、年齢や障がいの有無などにかかわらず、最初からできるだけ多くの人が利用可能であるようにデザインすることをいいます。
この言葉や考え方は、1980年代にノースカロライナ州立大学(米)のロナルド・メイス氏によって明確にされ、7つの原則が提唱されています。
よく取り上げられる身近なユニバーサルデザインの例としては、次のものがあります。
また、戦後の高度経済成長時などにおける、若くて行動に制約のない大人を基準としてきたわが国のものづくり、まちづくりを反省し、最近各分野において、ユニバーサルデザインの視点からの設計や基準の見直しが活発になってきています。
バリアフリーは、人を隔てたり、行動を妨げたりする障壁(バリア)を除去した状態をあらわす言葉です。平成7年(1995年)版「障害者白書」では、4つのバリア(物理的バリア、制度のバリア、文化・情報のバリア、意識のバリア)が定義されています。
現在、バリアフリーという言葉はさまざまな場面で使われ、その使われ方もさまざまです。しかし、「あらゆるバリアをなくす」というように広い視野に立って使われていたとしても、そのイメージは、「障がい者、高齢者」の概念と切り離せず、現にあるバリアを取り除くという発想になってしまいがちです。そこから、バリアフリーは、「障がい者や高齢者など特定の人に対する、特別な対策」であり、すべての人々の多様な関係や平等性、見た目の自然さにまで踏み込まないという問題点が指摘されるようになりました。
たとえば、建物にエレベーターを設置しても、どこにあるのかわかりづらかったり、それを使うことでたいへん遠回りになる場合があります。このとき、エレベーターしか利用できない人がどう感じるかが問題です。
つまり、エレベーターをつけることでバリアフリーになるとしても、もう一歩考えることが重要であり、エレベーター、エスカレーター、階段 を、それぞれ平等、公平に利用できるようにすることがユニバーサルデザインといえます。
また、「障がい者用」「高齢者用」と名づけられた商品や道具などは、バリアフリーといえるかもしれませんが、使用するのに抵抗がある人もいます。年齢や障がいの有無などにかかわらず、だれもがさりげなく使えることもユニバーサルデザインの重要な要素といえます。