大阪府北部を震源とする地震発生を受けて行ったブロック塀等の安全点検に係る調査については、以下のとおりです。
1 調査結果(詳細は別紙1のとおり)
(1)ブロック塀等の有無
県立学校70校中33校67箇所にブロック塀等がありました。
(2)ブロック塀等の耐震対策の状況に係る調査
1調査方法
各県立学校において、別紙2に基づき、建築基準法施行令におけるブロック塀等の構造基準を充たし
ているかについて、高さ等の測定や設計図書(図面等)による点検を行いました。
その中には、高さの測定方法などが不明確なブロック塀等(左右で地盤の高さが異なるもの、坂道に
設置されているもの、基礎がコンクリートなどで高められているものなど)もあります。
また、今回の調査結果に含めているものの中には、モルタル吹付の壁や体育館の出入り口階段の手す
りを施した壁のように、ブロック塀として扱うべきかどうかなどの事例もあります。
これらを含め、今後、一級建築士、二級建築士等の有資格者による詳細調査が必要なものもありま
す。
基礎、鉄筋は、設計図書(図面等)で確認する必要がありますが、設計図書がない場合には、基礎を
掘ったりブロック塀の一部を壊したりして、直接確認する必要があります。
以下は、今回の学校での調査結果をとりまとめたものであり、今後の詳細調査で件数が変更となる可
能性があります。
2調査結果
ア)高さ、壁の厚さ、控壁
各学校で測定し、現時点で構造基準を充たしていないと分類したブロック塀等は、31校57箇所
でした。
【内訳】
i)高さ 11校11箇所
ii)壁の厚さ 8校8箇所
iii)控壁 31校57箇所
イ)基礎、鉄筋
i)基礎
・基準を充たしていることが図面で確認できたもの 2校2箇所
・設計図書がないため、基準を充たすかどうか確認できないもの 33校65箇所
・基準を充たしていないことが確認できたもの なし
ii)鉄筋
・基準を充たしていることが図面で確認できたもの 2校2箇所
・設計図書がないため、基準を充たすかどうか確認できないもの 31校56箇所
・基準を充たしていないことが確認できたもの なし
※(注記) 高さ、壁の厚さ、控壁、基礎、鉄筋のすべての基準を充たしていると区分できるものは、1校1箇
所です。
(3)劣化・損傷の状況
各学校で目視により点検した結果、ひび割れや破損等が確認されたブロック塀等は16校28箇所あ
りました(全ての箇所が上記(2)2 ア)の基準を充たさないブロック塀等に含まれています)。
2 今後の対応
(1)注意喚起による安全確保
今回の点検により基準を充たしていないブロック塀等と今後、詳細調査を要するブロック塀等につい
ては、その形状や設置場所、周囲の状況等に応じて、注意表示やロープ、コーン、バリケードなどによ
り児童生徒等が近づかないよう、各学校において注意喚起を行います。
(2)詳細調査の実施
1 高さ等の確認
高さの測定方法などが不明確なブロック塀等(左右で地盤の高さが異なるもの、坂道に設置されて
いるもの、基礎がコンクリートなどで高められているものなど)や、控壁の形状の確認が必要なもの
などについては、現地で有資格者による調査を行います。また、劣化・損傷等について、専門家の視
点で確認を行います。
2 ブロック塀等に該当するか否かの確認
門に接続して設置されているモルタル吹付の壁や体育館の出入り口階段の壁については、その構造が
ブロック塀に該当するか否かについて、業者への委託やその他の確認方法を検討します。
3 基礎と鉄筋
設計図書のないブロック塀等は、基礎の掘削や塀の一部を壊しての確認が必要になりますが、上記1
、2 の結果を踏まえて、業者委託の必要性を検討します。
(3)基準を充たさないブロック塀等の対応
今回の調査で高さの基準を充たさないなどが明らかになったブロック塀等や今後の詳細調査で基準を
充たさないことが明らかになったブロック塀等については、撤去とフェンスの設置など必要な代替措置
を検討し、対応を行うこととします。