三重県林業研究所のみえ森林・林業アカデミー棟には、県内で育った様々な樹種の木材が使用されています。
ここでは、アカデミー棟の取っ手に使用されているミズメの木を紹介します。
なお、アカデミー棟に使用されている木材については、
こちらのページをご覧ください。
別名
ヨグソミネバリ、アズサ
学名
Betura grossa
科
カバノキ科
属
カバノキ属
ミズメの葉
ミズメの葉(撮影:津市)
アカデミー棟における使用状況
アカデミー棟における使用状況(右側の取っ手)
※(注記) 写真撮影協力:白山中学校
分布
山地に生え、冷温帯・暖温帯に広く分布、本(岩手以南)、四、九
分類
落葉高木
樹形
高さ25mぐらいになる、箒状
花
5月ごろ若葉と同時に開花、褐黄色で長さ7〜9 cmの雄花序を多数つける
果実等
果穂は2~3cmの楕円形、堅果は2〜3mmの広卵形で広い翼がある
葉
狭卵形または卵形、やや薄く先はとがり縁には重鋸歯がある
樹皮
灰茶色または暗褐色ではがれやすく、サクラの樹皮に似ている。またサロメチールに似た特有の臭気がある
材の性質
目が緻密で重硬、狂いが少ないので靴木型などに用いられる
比重:0.60〜0.84 色:辺材は黄白色、心材は紅褐色
散孔材、道管はやや放射状に配列する傾向にある
用途
建築材、家具材、器具材
その他
材質や樹皮の模様がサクラに似ていることからサクラ類ではないのにミズメザクラと呼ばれる。古代には弓の材料として使われ、縄文時代の遺跡からも出土している。正倉院宝物にも梓弓が現存する
備考
参考
・林 弥栄著、1985年9月1日1刷発行、1990年9月20日15刷発行、山渓カラー名鑑 日本の樹木 株式会社 山と渓谷社
・西川栄明著、2016年3月10日1版1刷発行、2019年3月1日1版6刷発行、樹木と木材の図鑑ー日本の有用種101 株式会社 創元社
・財団法人 林業科学技術振興所発行、昭和60年12月18日第1版発行、平成16年10月1日第4版発行、有用広葉樹の知識-育てかたと使いかた
・出典:森林総合研究所九州支所HP「ミズメ」の項(https://www.ffpri.affrc.go.jp/kys/business/jumokuen/jumoku/zukan/mizume.html)