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情報公開・個人情報保護
実施機関が行った決定は、妥当である。
審査請求の趣旨は、審査請求人が平成29年10月4日付けで三重県情報公開条例(平成11年三重県条例第42号。以下「条例」という。)に基づき行った、「海岸高潮対策事業堤防改良工事に関する文書」についての開示請求(以下「本請求」という。)に対し、三重県知事(以下「実施機関」という。)が平成29年10月18日付けで行った公文書部分開示決定(以下「本決定」という。)の取消しを求めるものである。
条例の目的は、県民の知る権利を尊重し、公文書の開示を請求する権利につき定めること等により、県の保有する情報の一層の公開を図り、もって県の諸活動を県民に説明する責務が全うされるようにするとともに、県民による参加の下、県民と県との協働により、公正で民主的な県政の推進に資することを目的としている。条例は、原則公開を理念としているが、公文書を開示することにより、請求者以外の者の権利利益が侵害されたり、行政の公正かつ適正な執行が損なわれたりするなど県民全体の利益を害することのないよう、原則公開の例外として限定列挙した非開示事由を定めている。
当審査会は、情報公開の理念を尊重し、条例を厳正に解釈して、以下のとおり判断する。
本号は、自由主義経済社会においては、法人等の健全で適正な事業活動の自由を保障する必要があることから、事業活動に係る情報で、開示することにより、当該法人等の競争上の地位その他正当な利益が害されると認められるものが記録されている公文書は、非開示とすることができると定めたものである。
しかしながら、法人等に関する情報であっても、事業活動によって生ずる危害から人の生命、身体、健康又は財産を保護し、又は違法若しくは不当な事業活動によって生ずる影響から県民等の生活又は環境を保護するため公にすることが必要であると認められる情報及びこれらに準ずる情報で公益上公にすることが必要であると認められるものは、ただし書により、開示が義務づけられることになる。
審査請求人は意見陳述において、非開示部分の全てを開示すべきとの審査請求書の提出時における主張を変更し、下請通知関係書類の中の、下請金額、支払条件以外の非開示部分については争わないとしている。このため、「下請通知関係書類」のうち、「下請の請負金額」及び「支払条件」における非開示部分の本号該当性について判断する。
法人が他の法人といかなる金額及び条件で請け負うかどうかは、法人の営業に関する情報であり、これを開示することにより、当該法人の請負金額及び条件の前例となって今後の事業活動に支障をきたすなど、当該法人の競争上の地位その他正当な利益を害すると認められる。よって当該非開示部分は、条例第7条第3号に該当する。
また審査請求人は請負関係という契約の適正性を確認するため、これらの情報については開示が妥当であると主張している。確かに請負契約の適正性の確認は公益上の要請があることを否定するものではないものの、一方これを公開されることによる法人の営業の秘密が明らかになることによる不利益と比較衡量した場合、本件非開示部分を公開することによる法人の不利益を上回って開示するまでの公益上の理由は認めがたい。したがって条例第7条第3号ただし書の情報に該当せず、非開示が妥当である。
当審査会の処理経過は、別紙1審査会の処理経過のとおりである。
| 年 月 日 | 処理内容 |
|---|---|
| 29. 11.29 |
・諮問書及び弁明書の受理 |
| 29. 12. 1 | ・実施機関に対して、対象公文書の提出依頼 |
| 30. 3. 5 | ・実施機関に対して、意見書の提出依頼 ・審査請求人に対して、意見書の提出依頼及び口頭意見陳述の希望の有無の確認 |
| 31. 3.13 | ・書面審理 ・審査請求人の口頭意見陳述 ・実施機関の補足説明 ・審議 (平成30年度第11回第2部会) |
| 31. 4.17 |
・審議 |
| 職名 | 氏名 |
|---|---|
| 会長 (第一部会部会長) |
髙橋 秀治 |
| ※(注記)会長職務代理者 (第二部会部会長) |
岩﨑 恭彦 |
| 委員 | 内野 広大 |
|
委員 |
川本 一子 |
| 委員 | 藤本 真理 |
| ※(注記)委員 | 片山 眞洋 |
| ※(注記)委員 | 木村 ちはる |
|
※(注記)委員 |
坂口 知子 |
なお、本件事案については、※(注記)印を付した会長職務代理者及び委員によって構成される部会において調査審議を行った。