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情報公開・個人情報保護
実施機関が行った決定は、妥当である。
審査請求の趣旨は、開示請求者が平成29年2月2日付けで三重県情報公開条例(平成11年三重県条例第42号。以下「条例」という。)に基づき行った、「平成27年9月10日特定交番に勤務していた特定の巡査の現在の配属地」についての開示請求に対し、平成29年2月16日付けで三重県警察本部長(以下「実施機関」という。)が行った公文書の存否を明らかにしない決定(以下「本決定」という。)の取消しを求めるものである。
本件については、審査請求人から意見陳述を行うかどうかの意思表示がなされなかったため、審査請求書に記載された審査請求の趣旨に基づいて審議を行った。審査請求書における審査請求人の主張は、次のとおりである。
拾得物を特定交番に勤務していた巡査らに届け出たが、拾得物件控書の記載に不実が判明した。これは民法第709条不法行為によるものであり、信義則上負う付随義務が発生した。そのため、開示請求を行ったが、公文書の存否を明らかにしない決定は、請求人の権利を無視した行為であり、この決定には不服がある
実施機関の主張を総合すると、次の理由により、本決定が妥当というものである。
対象職員の氏名は、当時巡査の階級にある警察官であり、「三重県情報公開条例第7条第2号の規定に基づき知事が定める職に関する規則(平成13年三重県規則第12号)」により非開示とされる警部補以下の階級にある警察官であることから、公にすることにより当該個人の私生活上の権利利益を害するおそれがある。
当該情報は、条例第7条第2号の個人情報として非開示と認められるものであり、本件のような探索的な開示請求に対して、その公文書の存否を明らかにすれば、他の情報と組み合わされることにより、対象職員の氏名と配属地が明らかになるおそれがある。
条例の目的は、県民の知る権利を尊重し、公文書の開示を請求する権利につき定めること等により、県の保有する情報の一層の公開を図り、もって県の諸活動を県民に説明する責務が全うされるようにするとともに、県民による参加の下、県民と県との協働により、公正で民主的な県政の推進に資することを目的としている。条例は、原則公開を理念としているが、公文書を開示することにより、請求者以外の者の権利利益が侵害されたり、行政の公正かつ適正な執行が損なわれたりするなど県民全体の利益を害することのないよう、原則公開の例外として限定列挙した非開示事由を定めている。
当審査会は、情報公開の理念を尊重し、条例を厳正に解釈して、以下のとおり判断する。
公文書の開示請求があった場合、条例は、原則開示の理念のもとに解釈・運用されなければならないが、条例第11条は、開示請求に対し、当該開示請求に係る公文書の存否を答えるだけで、非開示情報を開示することとなるときは、実施機関は、当該公文書の存否を示さないで、当該公文書の開示をしないことができるとしている。
そして、「当該開示請求に係る公文書の存否を答えるだけで、非開示情報を開示することとなるとき」とは、開示請求に係る公文書の存否自体の情報が条例第7条各号の規定により保護すべき情報に当たる場合をいう。
この考え方に基づき、本請求の対象文書が存在するか否かを答えるだけで、非開示情報を開示することになるか否かを、以下検討する。
当審査会の処理経過は、別紙1審査会の処理経過のとおりである。
| 年 月 日 | 処理内容 |
|---|---|
| 29. 8. 1 |
・諮問書及び弁明書の受理 |
| 29. 8.17 | ・実施機関に対して、意見書の提出依頼 ・審査請求人に対して、意見書の提出依頼及び口頭意見陳述の希望の有無の確認 |
| 29.10.25 |
・書面審理 (平成29年度第4回第2部会) |
| 29.11.22 |
・審議 (平成29年度第5回第2部会) |
| 職名 | 氏名 |
|---|---|
| 会長 (第一部会部会長) |
髙橋 秀治 |
| ※(注記)会長職務代理者 (第二部会部会長) |
岩﨑 恭彦 |
| 委員 | 内野 広大 |
|
委員 |
川本 一子 |
| 委員 | 藤本 真理 |
| ※(注記)委員 | 片山 眞洋 |
| ※(注記)委員 | 木村 ちはる |
|
※(注記)委員 |
村井 美代子 |
なお、本件事案については、※(注記)印を付した会長職務代理者及び委員によって構成される部会において調査審議を行った。