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ソロモン諸島は、オーストラリアの北東に位置する島国です。近隣のパプアニューギニアやヴァヌアツ共和国と共に、ソロモン諸島はメラネシア地域に含まれます。メラネシアとは「黒い島々」という意味であり、黒褐色の皮膚をもつ人々が住んでいることに由来するといわれています。
国名に「諸島」とあるように、この国は大小約1000の島々からなりたっており、地域に固有の言語が80以上も発達しています。現地では、1つの言語を共有する人々を「ワントク(wantok)」と呼んでいます。ワントクとは、英語の「one talk」から派生した言葉であり、文字どおり「1つの言語」を意味します。
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写真1 島々を覆っている熱帯雨林(左)、 あちこち浮かぶ小さな無人島(右)
ワントク内における仲間意識はとても強く、お互いに助け合う精神を強くもっています。例えば、小さい子どもがいる母親たちも、ワントクの仲間たちが子どもの面倒をみてくれるので、日中も働きにでることができます。また、こうしたワントクの中では、冠婚葬祭の規模もとても大きくなります。私も現地の結婚式に参加させていただきましたが、会場には親族や友人が300人以上も参加されていたことが印象的でした。ワントクにおける人と人とのつながりは,今でも都市部や農村部において強く生き続けているように感じます。
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写真2 ワントクの中で育つ子どもたち(左)、結婚式に駆けつけたワントクの皆さん(右)
結婚式のようにワントクの皆さんが大勢集まる機会では、伝統的な料理「モトゥ」が用意されます。モトゥとは、「野菜やブタ肉などの石蒸し焼き料理」を意味します。モトゥの準備として、まず、1薪火でいくつもの小石を十分に熱しておきます。2熱くなった小石の上にバナナの葉を敷き、その上にイモやブタ肉などの食材をのせていきます。さらに、3上からバナナの葉をのせて、4熱した小石を敷き詰めていきます。最後に、5熱が逃げないようにバナナの葉を何重にもかぶせます。1時間ほど待つと食材に十分に熱が回って、石蒸し焼き料理ができあがります。
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写真3 モトゥ(石蒸し焼き料理)の作り方
私の配属先は、森林研究省の森林開発・植林課という部署です。こちらの部署では、地域の村落を巡回し、造林地の管理状態を調査しています。造林地の手入れ(枝打ち,間引き)が不十分な場合は、その所有者に適切な管理方法を助言します。また、事務所では植林用の苗木を育成しています。苗木は村落に販売し、伐採跡地の再植林を促進しています。
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写真4 造林地での調査(左)、植林用に育成した苗木
こちらでの活動はまだ始まったばかりですが、今後もソロモン諸島の文化やこちらでの出来事について、日本の皆さんへお伝えしていきたいと思います。