熊野保健所には、毎年、飼い主のいない猫(いわゆるノラ猫)に関する苦情・相談が多数寄せられています。また、平成27年度は174匹の猫が収容されましたが、その8割以上が生まれて間もない子猫でした。
三重県では、殺処分される犬・猫を減らすため譲渡事業を実施していますが、殺処分数の更なる減少をめざすには、子猫の引取数を減らす取組を行う必要があります。猫は繁殖力の強い動物で、一般的に年に2〜3回出産し、1回の出産で4〜8匹の子猫を産みます。
猫に関する苦情・相談の多くは、野外での繁殖による個体数の増加や、発情に伴う行動に関連しています。猫による被害を軽減し、子猫の引取数を減らすためには、不妊・去勢手術の実施を推進していくことが重要です。
そこで、熊野保健所では、平成28年4月より特定非営利活動法人グリーンネットと連携してTNR活動の支援を開始しました。また、平成29年1月には
公益財団法人どうぶつ基金の支援を受け、「さくらねこ無料不妊手術事業」を地元住民の皆様のご協力のもと実施しました。
その結果、平成28年度は89匹(オス36匹、メス53匹)の飼い主のいない猫の不妊・去勢手術を行うことができました。
≪市町別不妊・去勢手術支援実施状況≫
オス
メス
合計
熊野市
15
24
39
御浜町
7
7
14
紀宝町
14
22
36
合計
36
53
89
熊野保健所では、今後も地域での猫に関する問題解決と殺処分数減少に向けて、TNR活動等の支援・推進を行っていきたいと考えていますので、ご理解、ご協力いただきますようお願いします。
※(注記)「TNR活動」とは…飼い主のいない猫を捕獲し(T:トラップ)、不妊・去勢手術を施し(N:ニューター)、元の場所に戻す(R:リリース)活動です。不妊・去勢手術を施した猫は、目印として耳先をカットしています。
≪猫を飼っている皆様へ≫
猫の健康と安全のため、近隣に迷惑をかけないために、完全室内飼育と不妊・去勢手術の実施を推奨しています。外で猫を飼うことは、交通事故、迷子、感染症、猫どうしのケンカによる怪我等さまざまなリスクを伴いますので、室内で猫が安心して生活できる環境を整えましょう。