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2021(令和3)年度
《様々な人権問題に係わる最新情報》
〇ハンセン病患者・元患者の人権について、原告(*)団長の林さんが「無知こそ差別の始まり」と言っていたこと
は、すべての個別的な人権問題につながることだと思います。教師自身が個別の人権問題について知っておく
必要があると感じました。
(*)ハンセン病家族国家賠償訴訟(2016年)…ハンセン病元患者家族が、国の隔離政策等で偏見差別を受けた
として、賠償と謝罪を求めた訴訟。
〇人権問題は、自分が知ろうとしなければ知らないままになってしまうものもあると思うので、意図して知る機
会をつくることが大事だと思った。また、子どもや家族が当事者であるという場合もあり、取組を進めるには
慎重さを要する。どの人権問題に取り組むにも、子どもたちの生活背景をしっかりととらえることが大事だと
思った。
〇知らないことの怖さを改めて感じました。子どもたちが様々な人と出会う中で、正しい人権感覚をもって、自
他共に人権を守れるように、これからも指導していきたいと思いました。そのためにも、教員も研修を受け
て、正しい知識をもっておくことが大切だと思いました。
《インターネット上で自他の人権を守るために》
〇低学年であっても、ゲーム等でインターネットを利用することが増えています。子どもたちとネットモラルに
ついて学習することを大切にするとともに、やはり、子どもたちどうしが認め合える関係づくり、人とのつな
がり方を身につけていく取組が必要だと思いました。
〇これから先もずっと付き合っていくこととなるインターネットについて、「危険だから使わせないでおこう」
ではなく、上手な使い方ができるように指導をしていかないといけないと思いました。保護者への啓発も大切
だと思いました。
〇中学校や高校の先生方から具体的な事例を聞かせていただき、どのような取組をしていけばよいかを交流でき
たことがよかったです。自分自身のアップデートをしなければいけないと改めて感じました。
〇インターネット上で認められたいと思うのは、実社会であまり認められていないと感じていることも原因の一
つという考え方は、新たな発見だった。「子どもを認める」ということをもっと意識したいと思います。
〇スマホの使い方について、「保護者の協力が必要だ」という感想をグループワークで言ったら、「保護者も含
めて使い方講座をしているよ」と言われて、なるほどと思いました。子どもどうしで考える機会を設けるとい
う事例を聞いて、これもなるほどと思いました。大人が言うより自分たちで意見交換をする方が、きっと印象
に残ると思うので、実践してみようと思います。
前半の、「性的指向・性自認に係る人権課題」をテーマにした講座では、2021年4月に施行された「性の多様性を認め合い、誰もが安心して暮らせる三重県づくり条例」を取り上げ、「カミングアウトとアウティング」等について考えていきました。また、人権学習指導資料『みらいをひらく』にあるワークシートを用いた学習活動を体験していただきました。併せて、LGBT等当事者の子どもが安心して学校生活を送るための支援について、事例を紹介したり、グループで経験を交流したりしながら研修を深めました。講座の様子
後半は、『みらいをひらく(増補版)』に新たに収録した「不安や悩みを抱え込ませないために」に係わる研修を行いました。コロナ禍の影響からか、若者の自死が増加している現状があります。子どもたちが不安や悩みを感じたときに、誰かに相談でき、相談を受けたときに適切に受けとめられるようになるために、ワークシートを用いた学習活動を体験したり、今後の自校の取組についてグループで交流したりしました。
《性のあり方の多様性について考える》
〇性の多様性について、知識をつけ理解することは、すべての人が生きやすい社会にするために、とても重要で
あると改めて感じた。学校という場は、まだまだ性の多様性への配慮が不十分であるところが多く、課題が大
きいことを感じた。積極的に当事者の声に耳を傾けながら、誰もが生きやすく過ごしやすい環境づくりをして
いきたいと思う。
〇性のあり方について、まだまだ知らないこと、自分の理解が不十分であることがたくさんあると、今日の研修
を通して気づきました。また、日常の中には、マイクロアグレッションがたくさんあることも分かりました。
グループワークを通して、自分の子どもへの言動や、学校の現状を見直すことができました。また、校種の違
う先生のお話も聞くことができ、小学校の段階で「ふつうじゃない」といった意識をなくすことの大切さも実
感しました。自分や子どもが、気づかないところで当事者を傷つける言葉を使ってしまうことがないよう、よ
り意識して生活していきたいと思います。
〇これまであまり知らなかったことについて、知識を増やすことができました。「性の多様性を認め合い、誰も
が安心して暮らせる三重県づくり条例」の第七条にある「教育に携わる者は、(中略)性の多様性を認め合う
ことができるよう必要な措置を講ずるよう努めるものとする。」ということには自分も驚かされました。これ
はきちんと学習させていかなくてはいけないなという思いにさせられました。「このように進めていけたらい
い」と教えてもらえて、ありがたかったです。
《不安や悩みを抱え込ませないために》
〇人によって対処の仕方が違うことが話を聞いて分かりました。自分にはAという引き出ししかなかったので、
B・C…の方法があることが知れてよかったです。今日学んだことを、まず生かせるようにしたいです。不安や
悩みは大小問わず誰にでもあるものなので、教員にも児童にも考えてもらう機会に…。また、困っていること
を自覚し、伝えるスキルも学ばせていきたいです。校外の先生と会って話すことがなかなかできないご時世で
すが、それができる大事な機会を設けていただき、ありがとうございました。
〇令和2年度の自死のグラフを見て、悩みを抱え込んでいる子どもたちが、かなり増えていることを改めて実感
しました。悩みを抱え込ませないようにすることが、どれほど大切かがよく分かりました。自分のクラスに
も、友人関係について悩んでいるけれど、なかなか言い出せない児童がいます。その子が安心して話ができる
雰囲気づくりを心がけるとともに、自分の傾聴のスキルも高めていきたいと思いました。また、話すことのよ
さについて交流することも大切だと感じたので、実践したいと思います。
〇会話の受け止め方が大切だと感じました。私が所属しているのは高校なので生徒どうしで相談することが多
く、教員だけでなく、生徒も悩みの受け止め方や寄り添い方を知ることが必要だと思いました。また、他者を
守るだけでなく、自分を守ることの大切さを学ぶためには、こころとからだのチェックシートはとても有効だ
と思いました。自覚のない不安への気づきを大切に伝えたいと思います。
〇若手の先生への研修にしたいと思いました。教員のスキルとして“自分のことを話す”よりも“相手の話を聞
く”ことの重要性を感じてもらえれば、生徒・保護者からの信頼にもつながると思いました。また、夏休み明
けの自殺の増加傾向に対して、始業式の時に「相談すること」を発信してもよいと思いました。
前半の「障がい者の人権」では、障がいの社会モデルの考え方をベースに、『みんなのひろば(低中学年)』や『みらいをひらく』にある学習展開例を体験しました。グループワークでは、自身の取組を振り返ったり、障がいのある人が当たり前に暮らすためにできることについて考え合ったりしました。また、障がい者の人権に係わる差別的言動への取組についても、具体的な事例を挙げて紹介しました。講座の様子
後半の「外国人の人権」では、『みんなのひろば(高学年)』にある学習展開例を取り上げ、参加型の授業を体験しました。また、『人権教育サポートガイドブック』からヘイトスピーチに係わる情報を紹介しました。さらに、『みらいをひらく』の「北朝鮮当局による拉致問題等」についての学習展開例から、拉致問題に対する関心を高められるように、また、朝鮮半島につながりのある人々に対する偏見や差別意識をもたせることのないように学習することの大切さを確認しました。
《障がい者の人権》
〇障がいの「社会モデル」の考え方は、子どもたちに意識して指導していなかったので、伝えていきたいと思い
ました。また、身近な子たちの事象だけでなく、社会問題としての障がい者差別を取り上げたり、相手を尊重
した親切とはなにか考えさせたりすることも大切だと思いました。
〇「松田慎二さんと直にお会いして話を聞かせてもらい、『障がい者』という見方ではなく『津に住んでるおっ
ちゃん』という感覚になれた子がいた」というエピソード(*)を聞き、すてきだなと思いました。そんなフラッ
トな見方ができる子を育てていきたいです。
(*)『わたしかがやく 教職員用活用資料集』P.44〜45参照
〇私自身、障がい者への理解はある方だと自負していましたが、今回の研修で「当事者の意見を聞く」という話
を聞き、今までの自分の行動は一方通行だったのかもしれないと思いました。障がい者を助ける度「ありがと
う」と言ってもらえることに「自分は正しいことをしている」と思っていましたし、心のどこかで「障がい者
は助けられて当たり前だ」と感じていました。今後は、当事者の話をしっかり聞き、本当のニーズをとらえた
うえで、自分たちにどんなことができるのか、自分たちだけでなく、当事者とも一緒に考えていきます。
〇グループワークで様々な立場や経験をおもちの方と話ができたことがとてもよかったです。学校の差別事象を
なくすための取組を模索していましたが、方向性がみえてきた気がします。
《外国人の人権・北朝鮮当局による拉致問題等》
〇外国にルーツのある子どもたちが抱えさせられている課題の大きさに衝撃を受けました。でも、だからこそ幼
いうちから前向きな出会いをさせていきたいと思いました。まだまだ自分自身が学んでいかなくてはいけない
と思いました。自分にできることを考えていきたいと思います。
〇学校・学級の子どもたちの顔を思い浮かべながら研修できました。「みんなできるかな?」ゲームを活用しよ
うと思います。ヘイトスピーチや拉致問題についての取組の視点を学ぶことができて、よかったです。
〇ヘイトスピーチに関しては、恥ずかしながら「自分とは関係ないこと」だと、自分が日本人というマジョリ
ティに属していることに安心してしまっていました。しかし立場が変われば自分がヘイトスピーチによる被差
別の側になりうると考えるとゾッとしましたし、今学校で取り組んでいる部落差別の問題に通じる部分がある
と思いました。ヘイトスピーチも部落差別も一人の力だけでは解決できません。一緒に考えていける仲間をつ
くっていきます。
〇「当事者の思いを聞く」という大前提を再確認することができました。周囲の人が、課題を解消する主体者で
あることを、個別の人権問題を重ねて考えることで、より深く理解できました。体験やロールプレイで、当事
者の困り感を受けとめて「なくしたい」という強い思いを確固たるものとすることができました。グループで
話し合うことで、考えを広めたり深めたりできました。人と話すって、やっぱり大事です。
前半は「女性の人権」をテーマに、『みらいをひらく』や『みんなのひろば(高学年)』にある学習資料等を紹介しながら、男女共同参画社会の構築に向けて、女性差別の現状と課題について参加者とともに考えました。グループワークでは、性差に関するアンコンシャス・バイアス(無意識の思い込み)について自分やまわりを振り返ったり、今後学校でどのような取組ができるかを出し合ったりしました。講座の様子
後半は、「部落問題」をテーマに研修しました。まずは、『気づく つながる つくりだす』や『みんなのひろば(高学年)』の学習展開例を紹介しながら、権利について学ぶことの必要性を考えました。次に、部落問題学習を進める際の留意点について、『みらいをひらく』の学習展開例を紹介しながら考えました。グループワークでは、「そっとしておけば部落差別はなくなるんじゃないの?」と言う保護者にどう返答するかを話し合うとともに、子どもの心に響く部落問題学習について考えを出し合いました。
《女性の人権》
〇アンコンシャス・バイアスには、はっとさせられました。自分の中にある、無意識の思い込み、固定観念をど
れだけ切り崩せるか、これは、男女のことだけでなく、あらゆる場面で関わってくると思いました。参画の意
味もきちんと分かると、より腑に落ちました。生徒に自分ができることを投げかけることが多いですが、自分
も生徒と同じようにできることを考えながら、この課題に取り組んでいきたいです。
〇「参加」ではなく「参画」する。計画を立てるところから女性が一緒に考えることで、男女が均等に利益を享
受することができる社会をつくっていくことが、よりよい社会にしていくために必要だということが分かりま
した。「なりたい職業ランキング」などを通して、アンコンシャス・バイアスに気づくという活動は自分の無
意識に気づくきっかけになりました。そういう活動や授業も日頃の取組に取り入れ、子どもたちとやってみた
いと思いました。授業も大切ですが、日々の自分の言動や考え方などを常に振り返って、「無意識」に気づく
態度を忘れないようにしたいです。
〇自分自身も知らず知らずのうちに男性、女性というイメージで就く職業を決めているところがあり、講義の中
にもあった「アンコンシャス・バイアス」がかかっていたのだと思いました。このような偏見は、もう子ども
たちの中にも刷り込まれている可能性があることを認識したうえで、考えていく一つのきっかけにしていきた
いです。そうすることで、多様性の感覚も培うことができると思います。また、マイノリティ・マジョリティ
を考えるときに、男性・女性の権利について考えていくことは子どもたちにとっても考えやすい内容だと思い
ますので、上手に活用しながら「特権」というところにも触れて考えさせていきたいです。
〇学校で行える男女共同参画社会について、グループ討議できてよかったです。当たり前の意識を変えることが
大切だと思いました。
〇男女差別がよくわかる資料に出合うことができました。男女の家事育児時間の差を示すものを子どもと一緒に
学習するときに使います。
《部落問題》
〇人権問題や差別について学ぶ際に、まず「権利について学ぶ」ということの大切さがよく分かりました。確か
に、権利について学んでいないと「かわいそう」や「ひどい」という感情を抱くだけで、そこから先の子ども
の思考や行動につながらない授業になってしまうなと思いました。「『基本的人権』の学習」→「差別の現実
を知る」→「自分の意識や身の回りを振り返る」という学習の流れでこれから授業をつくってみたいです。
〇グループワークも大変有意義でした。一人で考えているよりも考えが広まり、深まっていくので勉強になりま
した。また、「そっとしておけば、部落差別がなくなるんじゃないかな?」という思いをもつ保護者も、「部
落差別をなくしたい」というゴールは私たちと同じなんだという言葉には勇気づけられました。経験談にもあ
ったように、その思いもその人なりの私たちへのエールととらえ、粘り強くじっくり対話して取り組んでいく
ことが大切だと思います。
〇私自身、社会科の教員でもあるので、中学校3年生の公民の学習で憲法について授業をするときに、どうしても
堅苦しくなってしまうところがあります。今回の『みらいをひらく』を含め、様々な指導資料は、自分の教科
でも使えるものが多いと思いましたので、教科の授業と絡めて取組を進めていきたいと思います。また、学習
している中で出てくる子どもたちの様々な疑問に関してのアプローチの仕方もこのような研修の場だからこそ
発見できることもあり、非常に参考になりました。今日学んだことを念頭に置きながら、さらなる取組を進め
ていこうと思います。
〇部落問題についての学習は、当事者の方々の思いや考えに寄り添いながら進めていくことが大切であること
を改めて気づかされたように思います。理論武装して頭でっかちの学習になるだけではなく、当事者の方々の
話に耳を傾けながら、指導者として反差別への意識を高め、生徒の感受性にもしっかり訴えられる学習内容や
展開を考えていきたいと思います。
《「女性の人権」「部落問題」に共通して》
〇知識のアップデートの大切さを実感できる内容でした。「権利の学習がまずどの人権問題の解決にもベースに
なること」と「気付きの大切さ」がよくわかりました。学びを共有していきます。