(1)教職員の資質向上のための研修
人権教育を進めていくうえで、一人ひとりの教職員が自分と人権問題との出会いや係わりを見つめ直すことはとても重要です。そのための一つの方法として、新転入者研修での実践を紹介します。
「部落問題との出会いを語り合う新転入者研修」
本校では、新転入者に対する人権教育研修に校長も入り、部落問題との出会いを語り合うようにしています。校内だけで行っていたこともありましたが、現在は地域に出向き、人権に係わる活動をしてみえる方にも入っていただいて行っています。
この研修の留意点としては、「出だしを大事にすること」があります。最初の話がありきたりな内容だと、その後も同様になりがちです。それで、最初に誰がどんな話をするかを大切にしています。人権教育担当と相談し、校長が口火を切らせてもらったこともありました。
私は、人権教育に対する思いを語るということは、「ともに人権教育を進めていきましょう」という、新転入の教職員へのラブコールであると考えています。また、お互いに思いを出し合うことで、つながりを深めることもできると感じています。
部落問題との出会いが少ない教職員にとっては、この研修で聞いた話が一つの出会いとなり、その後、教育的に不利な環境のもとにある子どもと係わっていくときの「芯」になると考えています。