2020年1月6日 (月)

漂着ゴミ問題について

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あけましておめでとうございます。

本日は、昨年ニュースなどで話題に上ることが多かった海ゴミ問題を取り上げます。

しかく海ゴミの、海洋のマイクロプラスチックについては、オランダのボヤン・スラット(Boyan Slat)氏が開発した除去装置など、様々な取り組みが進められていますが、現在、技術的に非常にハードルの高い問題として、海岸に漂着したゴミ(漂着ゴミ)問題があります。

しかくまず、漂着ゴミは、海洋に漂うゴミと異なり、ことばどおり沿岸部に漂着したものであり、物理的に、収集が非常に困難です。

また、漂着ゴミには、海水や砂が付着するため、仮に回収できたとしても、これを焼却する場合に、処理施設に大きな負荷をかけてしまいます。

そして、以上の技術的困難も伴い、漂着ゴミの回収には莫大なコストがかかります。

しかくでは、漂着ゴミは、法律上、どのような取り扱いとなっているのでしょうか。

実は、漂着ゴミの取り扱いを定めたマニアックな法律が存在します!

その名も、

美しく豊かな自然を保護するための海岸における良好な景観及び環境の保全に係る海岸漂着物等の処理等の推進に関する法律」。

長い(笑)

長すぎるので、海岸漂着物処理推進法と略すことにしますが、その17条において、海岸漂着物の処理責任が定められています。

(処理の責任等)

第十七条 海岸管理者等は、その管理する海岸の土地において、その清潔が保たれるよう海岸漂着物等(漂流ごみ等を除く。以下この条及び次条において同じ。)の処理のため必要な措置を講じなければならない。

、、、で、「海岸管理者等」は誰かというと、2条4項、海岸法と、引用が続き、基本的に、都道府県、となっています。

そして、17条3項によって、市町村が、都道府県に協力することとなっています。

しかくしかし、素朴な問題として、どこの誰が流出させたか分からないゴミの処理責任を、沿岸自治体に負わせてよいのか?という議論があります。

実際、漂着ゴミの処理には、膨大な費用が発生するため、多くの自治体では、十分に処理が進まず、放置されている実情があります。

しかく以上のとおり、海ゴミ問題、とくに漂着ゴミ問題は、技術的にも、経済的にも、未解決の問題として残されています。法律は存在しますが、十分に機能していません。

個人的には、漂着ゴミの処理責任を沿岸自治体にだけ負担させることは、経済的にみても、適切ではないと考えていますが、いかがでしょうか。

なお、各都道府県が海岸漂着物処理推進法に基づき策定している海岸漂着物対策推進地域計画が、インターネットで閲覧できますので、興味を持たれた方は是非ご覧ください。上記の問題点を、より具体的に、地域ごとに確認することができます。

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