[フレーム] 本文へ移動
国立劇場

トピックス

【10月声明公演】出演者にきく『如意輪講式』の魅力


10月声明公演『如意輪講式-天台声明と管絃による-』に出演する、天台聲明七聲會の室生述成(むろうじゅっせい)からコメントが届きました!
今回初めて雅楽とのコラボレーションで上演する『如意輪講式』の魅力を語ります。

だいやまーくだいやまーくだいやまーく

室生述成(天台聲明七聲會)

[画像:コメントを語る室生述成]


Q、「講式」や『如意輪講式』について教えてください。
A、声明には、詞章よりも音に重きを置いた「歌い物」と、物語の意味や内容を伝えることが中心の「語り物」があります。能の謡曲、文楽の義太夫節など数多くの日本の音楽の源であると言われているのが、今回取り上げる語り物の「講式(こうしき)」です。
『如意輪講式』は、平安時代末に澄憲(ちょうけん)という僧侶によって書かれた講式です。法会として長い間断絶していましたが、平成26年(2014)に、岩手県平泉にある中尊寺から、「2年後の中尊寺世界文化遺産登録5周年を記念し、『如意輪講式』を復元したい」と、天台聲明七聲會の主宰だった海老原廣伸(えびはらこうしん)先生に依頼がありました。それで、海老原先生の声明の弟子だった私のほかに、中世文学研究者である柴佳世乃(しばかよの)先生と、雅楽と声明の研究者である近藤静乃(こんどうしずの)先生が復元チームに加わり、平成28年に中尊寺で復元法要が行われました。

Q、今回の公演では、どのような演奏になるのですか。
A、語り物である講式は基本的に1人でお唱えするものなので、歌い物に比べると音楽的には素朴です。本来の法要では講式の前段で仏様を道場にお迎えする歌い物の曲もありますから、今回の公演でも前半に歌い物を入れました。歌い物は、最初は1人でお唱えしますが、途中から13人の男声ユニゾンとなるので、迫力がありますよ。
歌い物があって、語り物があって、さらに今回は『如意輪講式』では初めて、雅楽(管絃(かんげん))を加えた「管絃講」にしました。

Q、雅楽とのコラボレーションなんですね。どうやって雅楽の演奏が加わるのですか。
A、最初の入場する時や最後の退場する時など、僧侶がお唱えしていない部分では、雅楽単独での演奏となります。また、声明と雅楽が一緒に演奏されることもあります。「附楽(つけがく)」といって声明曲とは全く関係ない既存の雅楽曲が同時に演奏されたり、「附物(つけもの)」といって声明をより盛り上げたり綺麗に聴かせたりするため声明曲に合わせて作曲された雅楽曲が伴奏されたりもします。
今回は箏や琵琶による附物があり、こちらは近藤静乃先生に作曲していただきました。

Q、雅楽の演奏にも注目ですね。今回の公演の聴きどころや意気込みを教えてください。
A、非常に美麗な対句を多用した美しい文章ですね。澄憲の素晴らしい文章があったからこそ、『如意輪講式』の復元が始まりました。歌い物声明も聴けるし、語り物声明も聴けるし、伶楽舎さんの素晴らしい雅楽もお聴きいただけます。国立劇場主催公演ならではの、貴重で豪華な公演です。
国立劇場主催公演では無料配布の公演プログラムに全ての詞章を載せてくださっていますから、見ながら聴いていただくこともできますし、帰ってからゆっくり調べれば描写の美しさや意味もお分かりいただけると思いますよ。また、上演前には、柴先生によるお話「『如意輪講式』について」があるので、初めての方でもお楽しみいただけます。
1000年以上長い時間をかけて伝えられてきた声明を、日頃から鍛錬している天台聲明七聲會の僧侶がお唱えするのは厳かで迫力があります。公演を聴きに来てくださったお客様に、声明の素晴らしさをお伝えしたいと思います。


だいやまーくだいやまーくだいやまーく

10月声明公演『如意輪講式-天台声明と管絃による-』は、ティアラこうとう大ホールにて10月25日(土)に開催!

チケットは好評販売中!

【国立劇場チケットセンター】
しろまる電話:0570-07-9900/03-3230-3000[一部IP電話等]
しろまるインターネット:https://ticket.ntj.jac.go.jp/
(注記)残席がある場合のみ、会場にて当日券の販売も行っています。

公演詳細はこちら

10月声明公演情報ページ


だいやまーく稽古動画も公開中!

[フレーム]

声明についてより詳しく知りたい方はこちら
(文化デジタルライブラリーへのリンクです。)
ページの先頭へ

Copyright (C) Japan Arts Council, All rights reserved.

AltStyle によって変換されたページ (->オリジナル) /