以下の文章で、%表示の数値は、回答企業179社を100%とした百分率である。
なお、図3以外の棒グラフにおいては、企業規模による傾向の違いも検討できるように、回答企業数を従業員数別に8段階に分類・色分けして表示した。
179社の回答企業のうち、広島県が51%(92社)、岡山県が25%(45社)、山口県が12%(22社)、鳥取県が7%(13社)、島根県が4%(7社)であった。県別分布のグラフを図1と図2に示す。
集計結果を図5に示す。江戸・明治が3%(5社)、大正が2%(3社)、昭和元〜20年が8%(14社)、昭和21〜40年が37%(67社)、昭和41〜63年が32%(57社)、平成が11%(19社)であり、戦後の昭和時代に創業した企業が非常に多い。なお、従業員が9人以下の企業は全て戦後創業である。
集計結果を図6に示す。"ある"と回答した企業が58%(103社)であり、"ない"と回答した企業の16%(28社)よりもはるかに多かった。この比率を従業員数別にみると、従業員が19人以下の企業では"ない"と回答した企業が"ある"と回答した企業よりも多いか同数であったが、従業員が20人以上の企業では"ある"と回答した企業が"ない"と回答した企業よりも多く、一般に従業員が多い企業ほど"ある"の比率が高かった。
集計結果を図7に示す。どの従業員数区分においても、"ある"と回答した企業が"ない"と回答した企業よりも多かったが、一般に従業員が多い企業ほど"ある"の比率が高かった。
集計結果を図8に示す。"輸送用機械"及び"一般・精密機械"が最も多くて、各々41%(73社)及び40%(72社)の企業がこの分野の部品を加工している。次いで、"鉄鋼・金属"が31%(55社)、"電気・電子"が22%(39社)、 "土木・建設"が20%(35社)、等の順であった。
集計結果を図9に示す。"曲げ加工機(ベンダー)"、"機械式プレス"、"せん断加工機(シヤー)"、"液圧式プレス"が比較的多くて、各々58%(104社)、55%(98社)、50%(90社)、46%(82社)の企業が所有している。これら4種類以外では、"ロール成形機"の18%(32社)、"転造盤"及び"鍛造機"の6%(11社)等の順であった。
集計結果を図10に示す。"曲げ"が最も多くて70%(125社)の企業が行っている。次いで、"せん断(打抜、穴明)"が59%(106社)、"板材プレス成形(曲げ以外。絞り等)"が30%(54社)、"ロール成形"が16%(28社)、"鍛造"が9%(17社)、"転造"が7%(13社)、等の順であった。
集計結果を図11に示す。"ステンレス鋼"及び"炭素鋼"が他の材料よりもはるかに多くて、各々72%(129社)、71%(127社)の企業がこの材料を加工している。次いで、"アルミニウム合金"が38%(68社)、"その他の合金鋼"が19%(34社)、"銅合金"が18%(33社)、等の順であった。
自由記入であるために様々な回答をいただいたが、比較的多く挙げられた材種について集計した結果を図12に示す。"一般構造用圧延鋼材(SS***)"が最も多くて、51%(91社)の企業がこの材種を最も多く加工しており、なかではSS400が最も多い。次いで、"ステンレス鋼(SUS***)"が41%(73社)であり、なかではSUS304が最も多い。その次は、"アルミニウム合金(AL***)"の14%(25社)であり、なかではAL5052が最も多い。さらに、"機械構造用炭素鋼(S**C)"、"冷間圧延鋼板及び鋼帯(SPCC)"、"熱間圧延軟鋼板及び鋼帯(SPHC)"、等の順であった。
具体的な回答を多数いただいたが、自由記入であるために当然ながら用語が不統一であった。あえて分類して、比較的多く挙げられたものをまとめたものが図13である。それによると、"自動車部品"が他の用途よりもはるかに多くて20%(36社)であり、次いで、"建設関係"が7%(13社)、"農業"が6%(11社)、"金型"及び"電気・電子部品"が5%(9社)、"食品関係"、"配電盤・制御盤"、"船舶"が4%(7社)、等の順であった。
集計結果を図14に示す。10mm以上について比較的まんべんなく回答をいただいたが、最も多い寸法は"1m以上" であり、38%(68社)の企業が回答した。次いで、"100mm以上〜500mm未満"が35%(62社)、"500mm以上〜1m未満"が31%(55社)、、"10mm以上〜100mm未満"が30%(53社)、"10mm未満"が18%(33社)の順であった。
集計結果を図15に示す。"100μm以上〜1mm未満"が最も多くて、41%(74社)の企業がこの範囲の要求精度の工作物を最も多く加工している。次いで、"1mm以上"が35%(62社)、"10μm以上〜100μm未満"が21%(37社)、"1μm以上〜10μm未満"が8%(15社)の順であった。"1μm未満"と回答した企業は全くなかった。なお、切削加工企業を対象にした平成17年度の調査6)では、工作物に要求される形状精度は10μm以上〜50μm未満が最も多かった。
集計結果を図16に示す。最も多い値は"100μm以上"の37%(66社)であり、次いで"10μm以上〜100μm未満"が26%(47社)、"1μm以上〜10μm未満"が13%(23社)、"1μm未満"が4%(7社)の順であった。なお、切削加工企業を対象にした平成17年度の調査6)では、工作物に要求される加工面粗さ値は、"1μm以上〜10μm未満"が最も多かった。
図18 技術上の問題点の具体的内容
合計59社から回答をいただいた。図18は、自由記入いただいた回答内容をあえて分類したものである。"小ロット・多品種"が最も多くて16社であった。次いで、"加工精度"及び"金型・工具の損傷"が12社、"製品不良(精度以外)"が9社、"技能・技術"及び"費用"が各5社、等の順であった。
図19 製品又は工具(金型)の欠陥検出の判断
集計結果を図19に示す。"作業者の判断による"ものが大部分であり、85%(153社)が回答した。"自動検出装置による"と回答した企業は8%(15社)、"その他"と回答した企業は9%(16社)であった。
1.製品の割れ・傷・しわ 2.製品の形状誤差 3.工具(金型)の損傷 4.振動 5.音 6.加工力(トルク) 7.超音波(AE) 8.その他( )
図20 具体的な検出基準(複数回答可)
集計結果を図20に示す。"製品の形状誤差"及び"製品の割れ・傷・しわ"が多く、各々59%(106社)、54%(96社)の企業が回答した。次いで、"工具(金型)の損傷"が28%(51社)であった。他の検出基準はこれらよりもはるかに少なかった。他の検出基準の中で加工力とAEは検出装置が必要なものであり、使用されてはいるが普及率は低い。
図21 製品又は工具(金型)の欠陥をうまく検出できますか
集計結果を図21に示す。"まずまず"と回答した企業が56%(101社)、"あまりできない"が16%(29社)、"十分にできる"が16%(28社)、"全くできない"が1%(1社)の順であり、"まずまず"と"十分にできる"を合わせた肯定的回答の比率は72%であった。
図22 できないことがある時は、どういう場合ですか
合計32社から回答をいただいた。図22は、自由記入いただいた回答内容をあえて分類したものである。"人的原因"に関するものが最も多くて12社であった。次いで、"検査・測定装置関係"が3社であった。さらに、その他の原因を17社が挙げた。
図23 問6と問7で回答した問題点の解決策(複数回答可)
集計結果を図23に示す。"自社解決(独自工夫、技術資料・書籍等を参照)"が62%(111社)で、他の回答よりもはるかに多かった。次いで、"工具(金型)メーカに相談"が31%(55社)、"加工機メーカに相談"が26%(46社)、等の順であった。なお、"県立・市立工業(産業)技術センターに相談"は7%(13社)、"大学・高専に相談"は3%(6社)、"国立研究所(独立行政法人)に相談"は2%(3社)であった。
9.の"その他"欄には、"コンサルタント"、"材料業者→メーカー"、"取引先に相談"、という回答が各1社から寄せられた。
集計結果を図24に示す。"内容による"が43%(77社)、"したい"が35%(63社)、"必要ない"が11%(20社)、"インターネットを未使用なので不明"が4%(7社)である。"内容による"と"したい"を合わせると78%であり、このようなホームページの利用希望は強い。次の問9−2への回答に示された要望に応えることのできるホームページの作成が課題である。
様々な要望が71社から寄せられた。
比較的多く記された材料を図25に示す。"ステンレス鋼"が他の材料よりもはるかに多くて10%(18社)であった。次いで"アルミニウム合金"が5%(9社)、"ハイテン"が3%(6社)、"チタン合金"が3%(5社)、"樹脂類"が2%(3社)、等の順であった。
比較的多く記された加工法等を図26に示す。"溶接"が最も多くて7%(12社)であった。次いで"曲げ"及び"絞り"が6%(11社)、"歪(取り)・スプリングバック"が5%(9社)、"鍛造"が2%(4社)、等の順であった。
材料と加工法の組み合わせでは、"ステンレス鋼の溶接(歪)"が最も多くて3%(5社)であった。次いで"ステンレス鋼の曲げ"、"ステンレス鋼の絞り"が各々2%(4社)であった。
回答に挙げられた様々な要望に応えるためには、様々な加工データベースの作成が必要であるが、なかでも"ステンレス鋼"に関する加工技術情報を公開することが大きな課題である。
集計結果を図27に示す。"技術講演会・講習会・展示会の開催"が最も多くて、33%(59社)であった。次いで、"試作・試験・分析への対応"が25%(44社)、"融資・補助金等の資金助成制度の拡充"が21%(37社)、"貴社からの電話、ファックス、電子メール等による技術相談への対応"が17%(31社)、"技術アドバイザーの訪問による指導・相談"が14%(25社)、"異業種交流会等の交流事業の開催"及び"そもそも、どこに何を問い合わせたらよいかを教えて欲しい"が11%(20社)、"公的機関からの郵送・FAX・電子メール等による技術情報提供"及び"技術・製品開発に関する公的機関との共同研究"が11%(19社)、等の順であった。
なお、10.の"その他"欄には、"講習会"、"難物の展示会(難物製品は最高の講演者)"、"特許情報及び特許の売買情報"、という回答が各1社から寄せられた。
集計結果を図28に示す。"アーク溶接"が最も多くて47%(85社)が回答した。次いで、"切削"が41%(73社)、 "研磨"及び "レーザ切断"が25%(44社)、"研削"が20%(36社)、等の順であった。
中国地域5県の金属塑性加工企業を対象に、加工概要、加工技術上の問題点、外部からの技術支援策等に関するアンケート調査を行い、179社から回答を得た。主な回答内容は以下の通りである。
参考文献
1) 経済産業省 産業技術総合研究所 中国工業技術研究所:「中国地域ものづくり技術調査」報告書(金属切削企業300社の声)、2001年2月刊。
2) 独立行政法人 産業技術総合研究所 産学官連携部門 中国産学官連携センター ものづくり基盤技術支援室:第2回「中国地域ものづくり技術調査」報告書(金属塑性加工企業144社の声)、2002年2月刊。
3) 独立行政法人 産業技術総合研究所 産学官連携部門 中国産学官連携センター ものづくり基盤技術支援室:第3回「中国地域ものづくり技術調査」報告書(材料研削・研磨加工企業224社の声)、2003年2月刊。
4) 独立行政法人 産業技術総合研究所 産学官連携部門 中国産学官連携センター ものづくり基盤技術支援室:第4回「中国地域ものづくり技術調査」報告書(材料溶接加工企業265社の声)、2004年3月刊。
5) 独立行政法人 産業技術総合研究所 産学官連携部門 中国産学官連携センター ものづくり基盤技術支援室:第5回「中国地域ものづくり技術調査」報告書(材料鋳造企業89社の声)、2005年2月刊。
6) 独立行政法人 産業技術総合研究所 産学官連携部門 中国産学官連携センター ものづくり基盤技術支援室:第6回「中国地域ものづくり技術調査」報告書(金属切削加工企業331社の声)、2006年3月刊。