これまで日本における多くの道路は、高度経済成長を背景に、単にモノ・人を運ぶ機能を有する"道具"として、着実な整備が
進められてきた。
そのため、沿道空間との関係を持ちつつ、人・文化の交流空間、あるいは生活空間となっていた道の役割が忘れられると共に、
美しさ、景観、味わいなどのニーズは優先されてこなかった。
一方、行政では、美しい国づくり政策大綱や景観緑三法、観光立国行動計画の制定など、景観向上や地域主体の街道空間づくりを支えるための法制度が整備されつつある。また、道路の分野に関わらず、社会貢献に対する意識の高まりや行政と地域の連携など、地域住民などが社会参加を行う機運も高まっている。
このような状況のなか、近年、道路に対する多様なニーズに対応するため、道の駅の整備、オープンカフェなどの街道空間を有効に活用する社会実験、地域の人々による植栽・清掃、景観を楽しむための美しい街道づくりなどが、住民の積極的参加のもとに進められている。
このような動きを一層進めるためには、街道の機能の多様化や地域の資産の有効活用などの視点に基づき、 地域が主体となり、都市部や郊外部などそれぞれの特徴に応じ、"訪れる人"と"迎える地域"の交流による美しい街道づくりを支援する仕組みや体制の確立が必要である。
そこで、学識者、有識者、企業経営者などの賛同と協力を得て、新たな支援の仕組みや体制などの構築に向け検討することを
目的とし、本会議を設置する。