交通政策審議会海事分科会第1回海事イノベーション部会の開催結果について
平成28年2月4日
・国土交通省は2月3日(水)、交通政策審議会海事分科会のもとで設置された海事イノベーション部会の第1回会合を開催しました。
・本部会は、日本造船業において、製品の魅力向上、ICTによる生産現場改革、人材育成を一体的に推進する「生産性革命」を実現し「造船ニッポン」を復活させるとともに、海事産業全体にイノベーションをもたらす施策について審議しました。
海事産業の生産性革命による造船の輸出拡大と地方創生のために推進すべき取組について検討するため、2月3日、第1回海事イノベーション部会(座長:河野早稲田大学法学学術院教授)が開催されました。
学識経験者や海事産業界からの委員の他、土井国土交通副大臣、江島大臣政務官が出席し、日本造船業の強みを生かしつつ、新たな課題を克服し国際競争に打ち勝つための取組の方向性、将来目標等について審議が行われました。
審議概要は以下の通りです。
(1)造船業の現状と強み
最近の業況(受注回復、設備投資増大)、競合する中国・韓国の状況(公的支援により能力維持)、日本造船業の競争力強化に向けたこれまでの取組などについて、海事局より報告を行いました。
また、造船所における取組として、企業統合による設計開発能力の強化や建造効率の向上などについての紹介がなされました。
(2)シェア拡大に向けた新たな課題と今後の取組の方向性
IoTを活用した「i-Shipping」(※(注記))の推進、情報技術を活用した造船所の生産効率向上などについて審議が行われました。
※(注記)i-Shipping:海上ブロードバンドの進展に伴い、船社・造船所・舶用メーカー等が連携して、高度な運航支援や船上機器の故障予知・予防等を可能にし、安全性・経済性・船員の快適性を大幅に向上させる新たな取り組み
「i-Shipping」について、データ通信に関する国際規格化などの業界の取組が紹介されました。また、長年にわたり設備投資や建造方法の改善に取り組んできた日本の造船業には、IoTの活用により、さらに生産性を向上させる余地があるとの意見がありました。
大学造船学科から海事産業への就職率が低いこと、ベテラン技術者・技能者が減少していることから、人材の年齢バランスに配慮しつつ継続的に技術・技能の向上を図っていくことが必要との意見がありました。
さらに、造船業の魅力についての広報を充実させ、若者を惹きつけ、新しい人材を確保、育成していくことの重要性が共有されました。
(3)日本造船業が将来達成可能な目標
2015年1月〜9月の受注で短期的に達成した世界シェア30%(2008〜2013年平均では18%)を中長期的な目標とすべく、その実現可能性などについて、引き続き審議することとされました。
(4)海事イノベーション部会の今後の進め方
上記の施策や目標の具体化に向けて、海運、造船、舶用などの関係業会へのヒアリングを海事局で実施します。ヒアリング結果に基づき、第2回海事イノベーション部会(3月11日開催予定)では、「製品・サービスの力」、新事業分野を「拓く力」、船舶を建造する「造る力」及び「人の力」を一体的に向上させ海事産業全体の生産性革命を進めるためのロードマップ等について審議を行うこととなりました。
※(注記)第1回部会の資料については以下のURLに掲載します。
http://www.mlit.go.jp/maritime/maritime_tk5_000039.html
お問い合わせ先
- 国土交通省 海事局 船舶産業課 塩入、久保
-
TEL:03-5253-8111
(内線43-643、43-627) 直通 03-5253-8634 FAX:03-5253-1644
- 国土交通省 海事局 海洋・環境政策課 河合、井原 (i-Shipping関係)
-
TEL:03-5253-8111
(内線43-952、43-954) 直通 03-5253-8614 FAX:03-5253-1644
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