平成19年12月20日
<問い合わせ先>
住宅局住宅総合整備課
(内線39137)
TEL:03-5253-8111(代表)
- 改正の背景及び目的
改正の背景
- 公営住宅の入居収入基準*1は、平成8年に収入分位25%*2に相当する政令月収*320万円(年間粗収入3人世帯463万円)に設定されて以降、10年以上見直されていない。
- その間の世帯所得の変化や高齢者世帯の増加等に伴い、現在は収入分位36%相当
- この結果、応募倍率が上昇(平成17年度全国平均9.9倍、東京都32.1倍)し、住宅に困窮する多数の入居希望者が入居できない状況
改正の目的
こうした状況を踏まえ、「重層的かつ柔軟な住宅セーフティネット」の中核となる公営住宅を住宅困窮者に対し、公平・的確に供給するため、必要な見直しを実施
*1
:
「入居収入基準」とは、入居申込み可能な収入の上限をいう。
*2
:
「収入分位25%」とは、全国の2人以上世帯を収入の低い順に並べ、収入の低い方から4分の1番目に該当する収入に相当する分位をいう。
*3
:
「政令月収」とは、政令の規定に基づき、年間粗収入から、給与所得控除、配偶者控除、扶養親族控除等を行ったうえで月収換算することにより算定したものをいう。
- 改正の概要(詳細別紙)
(1) 入居収入基準等の見直し
改正の概要
- 入居収入基準
:政令月収を、現在の収入分位25%に相当する額である15万8千円(年間粗収入3人世帯400万円)に改定する。
- 裁量階層の入居収入基準*1及び高額所得者*2となる収入基準
:政令月収を、それぞれ現在の収入分位40、60%に相当する額である21万4千円(年間粗収入3人世帯484万円)、31万3千円(年間粗収入3人世帯632万円)に改定する。
改正の効果等
- 入居申込み可能な者が新たな入居収入基準以下の者となる結果、住宅困窮度の高い者に対し、より的確に供給することが可能となる。
- 一定の収入を超える既存入居者は、新たに収入超過者や高額所得者*2となり、市場家賃に近い家賃の段階的適用・明渡努力義務の対象、明渡請求の対象となる。
- これら既存入居者の居住の安定を図るため、急激な負担増や早急な明渡請求が生じないよう、施行後5年間は収入超過者や高額所得者としての適用を猶予する措置を講ずる。
*1
:
「裁量階層の入居収入基準」とは、地方公共団体の判断により、高齢者、障害者等について入居収入基準を引き上げることができる上限をいう。
*2
:
「収入超過者」とは引き続き3年以上入居し、入居収入基準を超える収入のある者、「高額所得者」とは引き続き5年以上入居し、最近2年間収入分位60%を超える収入のある者をいう。
(2) 家賃制度の見直し
改正の概要
- 家賃算定基礎額:収入区分の見直しを踏まえた見直しを行う。
- 規模係数:最近の公営住宅の供給規模(床面積)の変化を踏まえた見直しを行う。
- 利便性係数:運用の変更による地方公共団体の裁量性の拡大(下限の引下げ)について、地方公共団体に対し通知する。
改正の効果等
- 年金生活者等の特に収入の低い者(収入分位0〜10%、既存入居者の約72%*)については、家賃負担増は生じない。
- その他の新たな入居収入基準以下の既存入居者(既存入居者の約14%*)については、収入分位の変動により家賃の負担増が生じる(当該者に係る全国平均月額約2,900円)。
急激な負担増を避けるため、施行後5年間で新家賃に段階的にすりつく傾斜家賃を採用する。
- さらに、例えば建替え等により既に傾斜家賃が適用されている場合等にあっては、大幅な家賃の負担増となるため、地域住宅交付金(提案事業)を活用した更なる激変緩和措置を講ずるよう、地方公共団体に対し通知する。
*:
全国平均(平成17年度の既存入居者の収入別世帯数より推計)。いずれも新たな入居収入基準以下の者であり、その他の既存入居者は(1)のとおり、収入超過者や高額所得者としての適用を受けることとなる。
- 今後のスケジュール(予定)
事務次官等会議
:
平成19年12月20日(木)
閣議
:
平成19年12月21日(金)
公布
:
平成19年12月27日(木)
施行
:
平成21年4月1日(平成21年度の家賃から適用)
PDF形式のファイルをご覧いただくためには、Adobe Acrobat Readerが必要です。右のアイコンをクリックしてAcrobat Readerをダウンロードしてください(無償)。
Acrobat Readerをダウンロードしても、PDFファイルが正常に表示されない場合はこちらをご参照下さい。
アクロバットリーダーホームページへ
(ダウンロード)
ライン
All Rights Reserved, Copyright (C) 2007, Ministry of Land, Infrastructure and Transport