政策評価に関する有識者会議(第50回) 議事要旨
1.日時
平成31年3月28日(木曜日)16時30分〜18時
2.場所
文化庁特別会議室(旧庁舎2階)
3.議題
- 座長の指名について
- 文部科学省政策評価基本計画(案)等について
- 政策評価結果の政策への反映状況について
- 今後の政策評価の在り方について
- 政策立案の改善に関する政府の取組について
- その他
4.出席者
委員
浦野座長、長我部委員、金藤委員、貞廣委員、杉谷委員、林委員、源委員、湯浅委員
文部科学省
菱山サイバーセキュリティ・政策立案総括審議官、柿田政策課長、木村会計課長、稲田政策推進室長、法量財務企画班主査、佐藤政策推進室室長補佐
5.議事要旨
1.座長の指名について
委員の互選の結果、浦野委員が座長に指名された。
2.文部科学省政策評価基本計画(案)等について
資料1-1から資料1-3に基づき、事務局より説明を行った。
委員からの意見等は以下のとおり。
- まず施策の計画を立てる際にアウトカムを設定すべきで、それに伴って、関連するエビデンスも集積できる。アウトカムの設定をはじめにしなくては、EBPMは成り立たない。特に文化で、アウトカムを計画せずにアクティビティを計画してしまっているように思える。
- そもそもアウトプットやインプットとの違いなど、アウトカムとは何かということについてもう少し全省一致した見解が必要ではないか。
3.政策評価結果の政策への反映状況について
資料2に基づき、事務局より説明を行った。
委員からの意見等は特段なし。
4.今後の政策評価の在り方について
資料3-1及び資料3-2に基づき、事務局より、施策立案との連携の促進、評価の質の向上、評価結果の他施策への反映等の観点から、説明を行った。
委員からの意見等は以下のとおり。
- メリハリのある評価の実施は非常に重要。特に、EBPM等が入った場合に、全ての政策やそのプログラムをエビデンスとともに実施するというのはほとんど不可能に近いが、文科省としてどう戦略的に取り組んでいくのか。
- 各審議会等においては、答申などを作るために、各政策分野の状況や課題について議論はするが、アウトカムを明確にするという取組が行われていないので、文科省の各分野の政策のアウトカムの設定とその測定手法について審議会でしっかり議論するべき。そのためのツールとして、まさにこの事前分析表を審議会でしっかりと見せて議論していただくことが重要ではないか。
- 特に研究開発の場合は、研究開発計画の下でプログラム評価が始まることになっており、
そこで指標を議論していくこととなる。例えば、前年度にしっかりとプログラム評価を行い、それを次の事後評価書に活用するなど、政策評価との連携も取ってもらいたい。
- EBPM等をするに当たって、政策評価を重点化するという、絞り込むという考え方も非常に妥当だと思うが、是非、評価のための評価にならないように、やり過ぎの評価というのは、マイナス効果にもなってしまうので注意してもらいたい。
- 政策評価の指標などは分かりやすさと適切性が両立しているというのが一番だと思うが、門外漢から見てわかりやすいかよりも、評価の指標としての適切性がより重要ではないか。
- EBPMの先進国等では、事業や施策の予算の10%を評価に必ず使うというキャップを掛けて、確実に評価ができるような仕掛けを作っているところもある。評価の文化が定着するまでは、そのような制度も場合によっては必要でないか。
- 適切なアウトカムを測定するデータがない場合は、それをまず共有した上で、次にしっかりと良質なエビデンスを創出していくというやり方も必要ではないか。
- 研究開発に関して、アウトプットとアウトカムの違いや、それをインデックスにする
ことの難しさ、また、データを集めるといっても、なかなか現場では苦労する中で、この指標の選び方で、誰の便益を最大化するのか、また、指標になりにくいところをどうやって乗り越えていくのかと、そこの知恵の出し方が重要ではないか。
- 目標に対して現状とのギャップを見つけ、そのギャップを埋めるために施策を立案するということだと思うが、データや現状分析、それを基にしたギャップのとらえ方を間違えると誤った施策になる。立案の際の目標に対して、どこが肝になるのか、どこが一番のボトルネックのギャップなのか、そういうところがきちっと見つからないと政策評価が有効に機能しないのではないか。
- 評価の在り方について、文科省の中で他部署の職員が評価を実施するなど、もう少し専門家の目でダブルチェック体制を機能させるべきではないか。
- 事後評価について、政策目標に対する施策のインプット、アウトプット、アウトカムのつながりを示したロジックツリーの形で一つか二つ示してもらえると、評価の焦点が分かりやすくなるのではないか。
5.政策立案の改善に関する政府の取組について
資料4-1及び資料4-2に基づき、事務局より説明を行った。
委員からの意見等は以下のとおり。
- エビデンスとは、評価の分野では検証された根拠を指し、ビッグデータとイコールではない。調査研究を踏まえた介入の結果どうだったか、こういう要因でこう効いているという研究のデータが必要。国立教育政策研究所などの研究機関との連携が重要ではないか。
- モデル事業をさらに活用して、エビデンスを収集するという取組ができるといいのではないか。
- 定量的なエビデンスに加え、ある介入により、どのように効果が出たのか、というHowの部分も考える必要がある。データを読むことではなく、現場の専門家などの質的な考えや経験をどう吸い上げていくかというのが、すごく重要ではないか。
- EBPMの導入当初はすごく大事な時期なので、丁寧に実施した方がよい。ただ、結局のところ弱いのはプラニングの部分である。計画づくりの中でアウトカムの設定がされていないことが問題で、そこを直さない限り、いかにデータを取っても意味がない。EBPMの結果がどのようにアウトカムの設定に関わっていくのかを明確にしたほうがいいのではないか。
- 政策評価と政策立案の連携に加え、政策の下にひもづく事業の実施者まで含めて全員が、事業のアウトカム指標を理解する必要がある。
6.その他
次回の開催について、事務局より、7月、8月当たりに日程を調整して開催する旨説明を行った。
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