Taro9-資料7-3識別表示概要.PDF


紙製及びプラスチック製容器包装の識別表示等について(報告)
平成12年9月
通 商 産 業 省
検討の経緯I.1.平成12年4月から容器包装リサイクル法が完全施行されることに伴い 「その他紙、製容器包装」及び「その他プラスチック製容器包装」が分別収集及び再商品化の対象と
なる。
これらの容器包装の分別排出、分別収集の促進等のために、容器包装リサイクル法の
分別対象であることや、どの分別区分に属するかを示すための表示を行うべきとの要望
が消費者や地方公共団体を中心に寄せられている。
このため、昨年3月に開催された産業構造審議会 廃棄物・リサイクル部会 容器包装
リサイクル小委員会において、これらの容器包装に表示を行う場合の課題等について整
理、検討を行っていくこととなった。
2.これを受け、関係事業者、消費者、地方公共団体、関係省庁等の参画のもと、容器包
装の識別表示や材質表示に関する意見交換を行うための「容器包装識別表示等検討委員
会」を昨年7月に設置した。
検討委員会では、消費者が分別排出を行う際に利用する「識別表示」と、同一の素材
の中でさらに材質の区分をするための「材質表示」の二つの点について計7回の委員会
を開催し、昨年11月に報告書のとりまとめを行った。
3.検討委員会でとりまとめられた報告書の内容については、昨年12月に開催された産
業構造審議会 廃棄物・リサイクル部会 容器包装リサイクル小委員会において審議さ
れ、識別表示については法定化、その他プラスチック製容器包装への材質表示について
は事業者の自主的な取り組みが望ましいとされた。
しかしながら、これらの表示を実際に行うにあたっては、容器包装に付すマークのデ
ザインやその表記方法等について、さらに詳細に検討すべき課題が多く残されているこ
とから、これらの課題を集中的に検討するため、本分野の専門家を中心とした関係者に
よる「表示検討ワーキング・グループ(WG 」を本年1月に設置、計17回のWGを)開催し、本年6月にとりまとめを行った。
とりまとめられた結果は、容器包装識別表示等検討委員会に報告、更なる検討が行わ
れ、本年7月、検討委員会の報告書としてとりまとめられ、産業構造審議会 廃棄物・
リサイクル部会 第16回容器包装リサイクル小委員会(平成12年7月31日開催)
。 、 、 、
にて了承された 今後 WTO/TBT協定の通報手続きを経て 識別表示の対象製品
表示の標準となるべき事項について政省令を年度内に制定する予定。
II.報告書の概要
別紙参照
(参考)
平成11年3月 産業構造審議会 廃棄物・リサイクル部会 容器包装リサイクル
小委員会において、表示を行う場合の課題について整理・検討
を行うことを決定
7月 関係事業者、消費者、市町村、関係省庁等から構成される「容
器包装識別表示等検討委員会」を設置し、検討を開始
(計7回開催/表示に関するパブリックコメント実施)〜11月 「容器包装識別表示等検討委員会」としての報告書をとりまとめ
12月 「産業構造審議会 廃棄物・リサイクル部会 容器包装リサイクル
小委員会」において、識別表示・材質表示のあり方を検討
平成12年1月 識別表示のマークデザイン、材質表示の表記方法等の個別課題
を表示の専門家からなる「表示検討WG」において検討を開始
(計17回開催/表示デザインに関するパブリックコメント〜及び原課を通じた業界アンケート実施)
5月 再生資源の利用の促進に関する法律の一部改正
6月 「表示検討WG」及び「容器包装識別表示等検討委員会」として
の報告書とりまとめ
7月 「産業構造審議会 廃棄物・リサイクル部会 容器包装リサイクル
小委員会」において、マークのデザインや表記方法等を決定 (参考1)容器包装識別表示等検討委員会報告書のポイント
1.識別マークのデザイン、サイズ 4.多重容器包装等における表示の要件と表記方法 5.社名・
ブランド名等が印刷された包装への対応
社名・
ブランド名等が印刷された包装に対しては、原則、他
しかく識別マークのデザインしかく しかく多重容器包装等における表示の要件
の容器包装と同様に、
包装一枚につき一箇所以上、
識別マー
くろまる紙製容器包装 平成 年度の検討委員会ですでに決定されている通り、多重容器包装等の場合でも、原則として、対象 クを表示するものとする。11となる個々の容器包装ごとに識別表示を行う。 ただし、一枚当たりの面積が 以下の包装につい
1,300cm2(「
段ボール」
及び「
アルミニウムを使用していない ただし、 ては、表示を省略することができるものとする。
飲料用紙パック」
を除く) 1a.無地の容器包装 しかしながら、発注段階で裁断形状が明らかな場合には、
又は 一枚当たりの面積が 以下の包装についても、
表示
1,300cm2b.表示スペース等の物理的制約がある容器包装 することは技術的に容易であることから、極力、識別マークを
について、識別表示を省略した場合には、多重容器包装等を構成する表示可能な他の容器包装に表示 付すことが望ましい。
しなければならない(
表示可能な他の容器包装がない場合を除く)。
ただしこれらと同じタイミングで廃棄
される表示可能な他の容器包装がある場合には、それへの一括した表示が優先されなければならない。
2多重容器包装等を構成する容器包装のうち、同じタイミングで廃棄される複数の容器包装が存在する場
6.輸入品への対応
合には、それらについての直接の表示は省略できることとする。ただし、省略した場合には、同じタイミン
くろまるプラスチック製容器包装 グで廃棄されるいずれかの容器包装に一括して表示し、残りのものについては個別に表示しなければな
らない。 1輸入販売事業者自らが容器包装の素材、
構造、
デザイン、(「
飲料、しょうゆ用 ボトル」
を除く
) 印刷等の仕様に関し 指示できる場合には、国内商品と同PET様のルールで表示を行う。
(注記)
同じタイミングで廃棄される場合」とは、ほぼ同時期に廃棄されることを意味するが、詳細な判断は、
2一方、1以外で、印刷、シール・ラベル等による日本語表示
各事業者又は業界ごとの対応に委ねるものとする。
がある容器包装には、
日本語表示部分に、構成される全て
の容器包装について一括して表示(
全体一括表示)
する(たしかく一括して表示する場合の表記方法しかく
だし、表示スペース等の物理的制約がある場合には省略す
紙製容器包装とプラスチック製容器包装の区別を識別マークで表示し、隣接する位置に該当する部位を ることができる)。文字で記す。
例1 例2
しかく識別マークのサイズしかく
7.材質表示の表記方法ならびに複合材質・
複合素材の表記方法
表示に使用する識別マークは、印刷では高さ 以6mm2000
上、刻印・
エンボスでは高さ 以上とする。 プラスチック製容器包装の材質表示は、
8mm JIS K 6899-1( )で定められている記号を用いて行うことを
ISO 1043-11997
推奨する。
複合材質及び複合素材については、主要な構成材料を含
しかくデザインの運用要件しかく
め、2つ以上を表記し、主要な材料に下線を付す。
1識別マークは、容器包装全体の模様及び色彩と比較して なお、一括して表示する場合に使用する識別マークについても印刷では高さ 以上、
刻印・
エンボスで なお、プラスチック製容器包装の識別マークとともに表示す6mm鮮明であり、かつ、容易に識別できる限りにおいて、マー は高さ 以上とする。また、部位名の文字は視認性を考えると印刷では ポイント以上、刻印・
エンボス る場合には、逆くさび括弧> <は不要とする。
8mm 6
クの色、抜き文字、線幅、スリット、フォント等の装飾を事 では ポイント以上が適当である。81単一材質の場合 2複合材質の場合
業者の判断で施すことができるものとする。
(注記)事業者又は業界ごとの対応に委ねるものとする。
2識別マークは、他の第二種指定製品の識別マーク等を参
考に様式を定め、
表示スペースや容器包装の大きさ等に
1一括して表示する場合における表示部を囲む外枠や、部位の名称、表示
対応して、相似形で運用する。
PE PP PET
を付す場所、併記する識別マークの相対的な大きさ等、その他の表記 図1 ,
方法。
2.無地の容器包装への対応、 注)
例えば、紙製の外箱とプラスチック製の個包装から構成される多重
3.表示スペース等の物理的制約がある容器包装への対応 容器包装等で、
外箱に個包装を一括に表示する場合には、一括の表
示を付す対象(
外箱)
についてはサイズの大きなマークを使用し、一 一括して表示する場合、識別表示と材質・
素材表示を併記
しかく無地の容器包装の考え方しかく 括に表示される対象(
個包装)
についてはそれより小さなマークを使 する際には、部位名に材質・
素材表示を添えることができる。
用するなどの工夫も考えられる(図1参照)。(例)ポリプロピレン(
主たる材質)とポリエチレンテレフタレートを積層させた「無地の容器包装」とは、「容器包装の製造・利用及び
2多重容器包装等に、
識別表示が義務付けられていない容器包装(ガラ
ス 素材でできたボトルに、
ポリエチレンのキャップが付けられた容器が、紙
輸入販売段階で、印刷、
刻印・
エンボス、シール・ラベルが
びん、
飲料用以外の金属缶、段ボール、飲料用紙製容器等の容器包装) 箱に入れられており、紙箱に一括に表示する場合(図4)施されないもので、容器包装の製造段階において刻印・
エ 図2
が含まれる場合の情報提供の方法。
ンボスが可能な成形工程を有さない容器包装」
を指す。図4注1)
例えば、ガラスびんとプラスチック製のキャップから構成される容器
しかく表示スペース等の物理的制限のある容器包装の考え方しかく が紙製の外箱に入っている多重容器包装等で、
外箱に一括に表示す
る場合には、図2のような表記方法が考えられる。
注2)ここでいう識別表示とは、分別収集を促進するための表示(
再生資「表示スペース等の物理的制約がある容器包装」とは、
源利用促進法における第二種指定製品への表示)
を指す。
1容器包装の表示可能面積が 未満であって、既
50cm2(次項3も同様)
存の法定表示等がある一定面積を占めることにより、
印刷では高さ 、
刻印・エンボスでは高さ の
6mm 8mm
3紙製及びプラスチック製容器包装の表示を一括して表示できる容器包装
識別マークが表示できない容器包装
が、識別表示が義務付けられていない容器包装(
ガラスびん、飲料用以外 8.今後の取り組みの進め方
2形状、
素材面から技術的に印刷、刻印・
エンボスがで
きない容器包装 図3
の金属缶、段ボール、飲料用紙製容器等)
に限定される場合の対応。
しかく勧告・
命令・
罰則等の猶予期間しかく
を指す。注1)
識別表示が義務付けられていない容器包装へ、紙製及びプラスチッ
識別表示の義務化は、資源有効利用促進法(
再生資源利
ク製容器包装の表示を一括に表示する場合、
一括の表示を付す対象
用促進法一部改正)
の施行(
平成 年 月 日)
からとなる
しかくこれらの容器包装への対応しかく に識別表示がないため、
混乱が生じる恐れがある。このため、この 13 4 1
が、
勧告・
命令・
罰則等の規定は、
法施行から2
年間は適用し
ような多重容器包装等に一括の表示を行うにあたっては、それが消費
無地の容器包装、表示スペース等の物理的制約がある ない(
平成 年 月 日までの2年間が猶予期間)。者の要請に応えるものとなっているか考慮する必要がある。 15 3 31
注2)
なお、飲料用の金属缶(
スチール缶、アルミ缶)、二種 ボトルに
容器包装については、
直接の表示を省略できるものとする。 PET
ついては、既に識別表示が義務付けられているため、一括に表示でき しかく事業者の取り組み面での課題しかく
ただし、表示を省略したこれらの容器包装が多重容器包
る容器包装がこれらに限定される場合には、紙製及びプラスチック製
装等の一部である場合には、多重容器包装等を構成する
表示可能な他の容器包装に表示しなければならない(
表示 「
各事業者又は業界ごとの対応に委ねる」とさ
れた事項につ
容器包装についてもまとめて表示する必要がある。
可能な他の容器包装がない場合を除く)。 いては、各業界において早期に検討を進め、
一定の方法に基
注3)
例えば、二種 ボトルとプラスチック製のキャップから構成されるPETづいて識別表示及び材質表示が実施されるよう、これらに係
多重容器包装等で、二種 ボト
ルにキャップを一括に表示する場PETるガイドライン、マニュアル等を作成していくことが望まれる。
合には、図3のような表記方法が考えられる。
:外箱
:ボトル、キャップ
外箱 ボトル
キャップ
外箱 個包装
外箱 キャップ
ボトル(本体)は
「ガラスびん」です
:キャップ
:ボトル(本体)
外箱 ボ ト ル:PP,PET
キャップ:PE
容 器 包 装 識 別 表 示 等 検 討 委 員 会 報 告 書
平 成 1 2 年 7 月
容 器 包 装 識 別 表 示 等 検 討 委 員 会
はじめに
平成12年4月から、容器包装リサイクル法(以下、容リ法)が完全施行されるこ
と に 伴 い 「 紙 製 容 器 包 装 」 及 び 「 プ ラ ス チ ッ ク 製 容 器 包 装 」 が 新 た に 分 別 収 集 及 び、再商品化(リサイクル)の対象となった。分別を容易とするための表示等について、
平成11年3月から「産業構造審議会廃棄物・リサイクル部会容器包装リサイクル小
委 員 会 ( 委 員 長 : 永 田 勝 也 早 稲 田 大 学 教 授 ( 以 下 、 産 構 審 と い う ) に お い て 検)」
討が開始された。
さ ら に 、 平 成 1 1 年 7 月 、 本 問 題 に つ い て 集 中 的 な 検 討 を 行 う た め 、 通 産 省 を 事 務
局として、関係事業者、消費者、市町村、関係省庁等をメンバーとした「容器包装識
別 表 示 等 検 討 委 員 会 ( 委 員 長 : 永 田 勝 也 早 稲 田 大 学 教 授 ( 以 下 、 検 討 委 員 会 ))」
が設置された。以後、計7回にわたり意見交換・論点整理を行い、平成11年11月
に報告書「容器包装の識別表示・材質表示について (以下、平成11年度報告書)を」とりまとめた。
平成11年12月6日に開催された産構審ではこの報告書を受け、識別表示につい
ては法定化、材質表示については事業者の自主的な取り組みが望ましいとされた。
また、容器包装に付すマークの具体的なデザインやその他の技術的検討事項等につ
いては、本分野の専門家等からなる専門委員会を構成し、早急に検討を進めることと
された。
こ う し た 経 緯 か ら 、 検 討 委 員 会 で は 、 平 成 1 2 年 1 月 の 第 8 回 委 員 会 に お い て 、 4
省庁(国税庁、厚生省、農林水産省、通商産業省)から推薦を受けた容器包装分野の
7 名 の 専 門 家 に よ っ て 構 成 さ れ る 「 表 示 検 討 ワ ー キ ン グ ・ グ ル ー プ ( 以 下 、 W G 」)を設置し、容器包装に付すマークの具体的なデザインやその他の技術的検討事項等に
関する検討を依頼した。
WGでは平成12年1月から計17回にわたる検討がなされ、同年6月「表示検討
ワーキング・グループ報告書(以下、WG報告書 」がとりまとめられた。)それを受けて検討委員会では、事業者、消費者、自治体等の立場からさらなる検討
を行った。本報告書はWG報告書をもとに検討委員会で検討した結果をとりまとめた
ものである。
注 ) な お 、 本 報 告 書 中 に 記 載 さ れ て い る 「 再 生 資 源 利 用 促 進 法 」 に つ い て は 、 平 成 1 2 年 5、「 」 。 、
月の一部改正により 資源有効利用促進法 と名称が変更されることとなった ま た
「 」 「 」
分別収集を促進することを目的とした表示を行う 第二種指定製品 も 指定表示製品
と名称が変更された。
容器包装への識別表示等に関する検討の枠組み
(注記)なお、各グループは各々6名とし、リーダーを各1名選任する。
産業構造審議会廃棄物・リサイクル部会
容器包装リサイクル小委員会
表示検討 第1ワーキング・
グループ(WG)
テーマ:
無地への対応
表示スペース
一括表示
ブランド名入り包装
輸入品の取扱い
テーマ:
マークのデザイン
材質表示
容器包装識別表示等検討委員会
容器包装識別表示等検討委員会の委員+事業者、消費者、WG座長等
(注記)容器包装識別表示等検討委員会
の委員等より推薦
表示検討 第2ワーキング・
グループ(WG)
容器包装識別表示等検討委員会
委員名簿
<委員長>
永 田 勝 也 早稲田大学理工学部 教授
<委員>
荒 木 亨 紙製容器包装リサイクル推進協議会 事務局長
伊 澤 伯 日本プラスチック工業連盟 顧問
岩 松 眞 六 日本製薬団体連合会 日本製薬工業協会 環境委員会専門委員
上 田 泰 行 全日本紙器段ボール箱工業組合連合会 環境問題対策委員会 委員長
内 田 恒 彦 日本段ボール工業会 事務局長
大田原 誠 (社)日本貿易会 地球環境委員会 代表委員
小 野 勝 士 (社)日本たばこ協会 専務理事
織 本 文 雄 (社)日本印刷産業連合会 業務推進部長
角 田 禮 子 主婦連合会 参与
越 山 了 一 表示検討ワーキング・グループ リーダー
庄 司 元 (社)全国都市清掃会議 調査普及部長
中 野 邦 夫 日本生活協同組合連合会 組織推進本部 環境事業推進室長
新潟谷 誠三郎 (財)食品産業センター 企画調査部 次長
日向寺 昭 夫 プラスチック容器包装リサイクル推進協議会 事務局長
福 田 全国牛乳容器環境協議会 事務局長
藤 井 史 朗 日本商工会議所 中小企業振興部付課長
牧 野 英 夫 日本チェーンストア協会 環境問題小委員会 委員
松 田 美夜子 生活環境評論家
丸 山 佳 広 全日本菓子協会 企画部長
吉 田 陽 酒類業中央団体連絡協議会 酒類容器等に関する協議会 作業部会委員
<オブザーバー>
上 野 明 (財)日本容器包装リサイクル協会 専務理事
阿 部 要 (社)日本包装技術協会 常務理事
福 井 慶 太 大蔵省理財局総務課たばこ塩事業室 課長補佐
本 宮 孝 夫 国税庁酒税課 企画専門官
岩 屋 孝 彦 厚生省健康政策局経済課 課長補佐
那 須 基 厚生省水道環境部環境整備課リサイクル推進室 課長補佐
倉 林 輝 雄 農林水産省食品流通局企画課食品環境対策室 課長補佐
<事務局>
通商産業省基礎産業局化学課
通商産業省生活産業局紙業印刷業課
通商産業省環境立地局リサイクル推進課
(参考)
表示検討ワーキング・グループ
委員名簿
<リーダー>
越 山 了 一 前(社)日本包装技術協会 常務理事
<メンバー>
荒 木 亨 紙製容器包装リサイクル推進協議会 事務局長
河 野 重 通 共同印刷(株) 技術本部技術第二部担当課長
曽根原 悦 夫 (有)曽根原デザイン事務所 代表取締役
長谷川 浩 大日本印刷(株)包装総合開発センター企画開発本部環境包材対策室長
堀 込 辰 雄 PETボトルリサイクル推進協議会 会長
茂 利 晃 前 プラスチック容器包装リサイクル推進協議会 副会長
(五十音順)
<オブザーバー>
大蔵省理財局総務課たばこ塩事業室
国税庁酒税課
厚生省健康政策局経済課
厚生省水道環境部環境整備課リサイクル推進室
農林水産省食品流通局企画課食品環境対策室
通商産業省基礎産業局化学課
通商産業省生活産業局紙業印刷業課
通商産業省環境立地局リサイクル推進課
目次
はじめに
1.識別マークのデザイン、サイズ ・・・・・・・・・・・・・・・・ 1
2.無地の容器包装への対応・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5
3.表示スペース等の物理的制約がある容器包装への対応・・・・・・・ 9
4.多重容器包装等における表示の要件と表記方法・・・・・・・・・・12
5.社名・ブランド名等が印刷された包装への対応・・・・・・・・・・18
6.輸入品への対応・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・21
7.材質表示の表記方法ならびに複合材質・複合素材の表記方法・・・・23
8.今後の取り組みの進め方・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・27
おわりに - -1
1.識別マークのデザイン、サイズ
平成11年度報告書では 「識別表示の表記方法として、原則「マーク」による表示、を行う」とされており、マーク表示が望ましい理由として以下の3点が挙げられてい
る。
1消費者が求めている識別表示の要件としては 「わかりやすさ」が第一である。、2 消 費 者 ア ン ケ ー ト か ら 見 て も 明 ら か な よ う に 、 基 本 的 に 、 消 費 者 は 、 形 状 の 違
いで容易に識別することができる「シンボルマーク的なもの」を求めている。
3すでに再生資源利用促進法で識別表示が義務づけられている飲料用スチール缶、
、 。
飲料用アルミ缶 飲料及びしょうゆ用PETボトルもマーク表示を採用している
「 紙 製 容 器 包 装 「プラスチック製容器包装」の具体的な識別マークの
WGには、 」、を要請した。
デザインについて、事業者の意見を踏まえつつ検討すること
これを受けて、WGでは 「紙製容器包装 「プラスチック製容器包装」の具体的
、 」、な 識 別 マ ー ク の デ ザ イ ン 、 サ イ ズ に つ い て 「 消 費 者 に と っ て わ か り や す い 」 と い う、観 点 か ら 「 既 存 の マ ー ク と の 識 別 性 「 視 認 性 」 を 重 視 す る と と も に 「 技 術 面 で
、 」
、 、
の対応可能性」について事業者の意見等を考慮し、検討が進められた。
1.1 識別マークのデザイン
(1)識別マークのデザイン
くろまる 紙 製 容 器 包 装 ( 段 ボ ー ル 」 及 び 「 ア ル ミ ニ ウ ム を 使 用 し て い な い 飲 料 用 紙 パ「ック」を除く)
くろまるプラスチック製容器包装( 飲料、しょうゆ用PETボトル」を除く)「 - -2(2)識別マークのデザインの設定根拠
1紙製容器包装とプラスチック製容器包装の識別マークは一瞥して区別できるよ
う な 形 状 と す る 。 ま た 、 既 存 の 識 別 マ ー ク ( ス チ ー ル 缶 、 ア ル ミ 缶 、 P E T ボ
ト ル ) と も 異 な っ た 形 状 で あ る こ と が 望 ま し い 。 以 上 を 考 慮 し 、 紙 製 容 器 包
装は楕円形、プラスチック製容器包装は四角形のマークとする。
2既存の識別マークとの統一性の観点から、右回り(時計回り)の矢印を付す。
3紙製容器包装の識別マーク内の文字については、漢字あるいは平仮名、片仮名
で も 表 示 に あ た っ て の 技 術 上 の 差 は ほ と ん ど な い 。 こ こ で は 、 そ の 中 で 最 も
視 認 性 が 高 い と 考 え ら れ る 漢 字 の 「 紙 」 と す る 。 ま た 「かみ」や「カミ」で、あると紙以外のものをイメージしてしまう可能性がある。
注 ) 1 「 紙 」 と い う 漢 字 は 小 学 校 2 年 生 で 学 習 す る こ と と な っ て お り 、 子 供 に と っ て
もわかりやすいと考えられる。
2 市 町 村 の 廃 棄 物 回 収 カ レ ン ダ ー 等 に は 「 紙 製 容 器 包 装 「 そ の 他 紙 」 と い う よ」うに漢字の「紙」が説明文に使用されている例がある。
4識別表示は、排出時における分別区分をわかりやすくすることが目的である。
DER GRÜNE PUNKT
一方、ドイツなどで導入されているGPマーク(緑の点:( )) 、
グリュネ・プンクト やISOの環境ラベルタイプIIのメビウス・ループは
識 別 の た め の マ ー ク で は な い の で こ れ ら の マ ー ク を 採 用 す る こ と は 本 来 の 目
的に沿わない。
1.2 識別マークのサイズ
(1)識別マークのサイズに係る基準
表示に使用する識別マークは、印刷では高さ6mm以上、刻印・エンボスでは
高さ8mm以上とする。
(2)識別マークのサイズに係る基準の設定根拠
1WG報告書においては 「既存のマークとの識別性 「視認性 「技術面での
、 」
、 」、対 応 可 能 性 」 と い う 3 つ の 観 点 の う ち 、 マ ー ク の サ イ ズ に 関 し て は 特 に 「視、認 性 」 を 確 保 す る と い う 点 を 最 大 限 重 視 す る 必 要 が あ る と さ れ て お り 、 P E T
ボ ト ル で の 実 績 、 及 び 、 刻 印 の 視 認 性 が 低 い 点 等 を 考 慮 し て 、 識 別 マ ー ク の
最小サイズは印刷、刻印・エンボスによらず高さ8mmとするのが適当である
とされた。
( 参 考 ) 再 生 資 源 利 用 促 進 法 に お け る 二 種 P E T ボ ト ル の 表 示 に 関 す る 省 令 で は 、 別 表 ( 第
二条関係)にて表示の大きさを以下の通り規定している。 - -3
・内容積150ml以上1L未満 刻印:一辺8mm以上 印刷、ラベル:一辺15mm以上
・内容積1L以上4L未満 刻印:一辺8mm以上 印刷、ラベル:一辺21mm以上
・内容積4L以上 刻印:一辺8mm以上 印刷、ラベル:一辺28mm以上
2しかしながら 「容器包装の識別表示・材質表示に関する業界アンケート (平
、 」
成 1 2 年 2 月 実 施 ) に よ る と 、 各 業 界 で 使 用 し て い る 容 器 包 装 の う ち 、 容 器 包
装 の 表 面 積 の 小 さ い 商 品 で 代 表 的 な も の に つ い て 、 既 存 の 表 示 の 存 在 、 余 白
の 面 積 、 マ ー ク の 視 認 性 の 確 保 等 を 考 慮 し た 場 合 の 表 示 可 能 な マ ー ク の 大 き
さ を 質 問 し た と こ ろ 、 高 さ 6 m m 及 び 高 さ 3 m m を 適 当 と す る 回 答 が 、 回 答 数
111件のうち、それぞれ41件(36.9% 、45件(40.5%)と多かった。)3また、本検討会委員ならびに関連業界から寄せられたWG報告書に対する意見
を と り ま と め た と こ ろ 、 識 別 マ ー ク を 表 示 す る た め に は 、 実 運 用 上 、 マ ー ク
の最小サイズを、高さ8mmより小さくしてほしいとする意見・要望が複数の
団体からあった。
、 、 (
「 」、「 」)4こうした中 識別マークの外周の線幅を細くしたり 中の文字 プラ 紙
のフォントを変更するなど装飾を工夫することにより、印字上は、高さ6mm
程度なら、その視認性を担保することは概ね可能である。
5一方 法律で規格が定められている既存のマークでは 例えば JISマーク 工
、 、 、 (
業標準化法)では、ガラス製コップにおいて直径5mm以上とされている。ま
た 、 J A S マ ー ク ( J A S 法 ) で は 、 炭 酸 飲 料 及 び 果 実 飲 料 に お い て 円 の 外 形 5
mm以上とされている(びんのふたに表示する場合に限る 。)6 し か し な が ら 、 J I S マ ー ク は い わ ゆ る 一 筆 書 き の 線 画 で あ り 、 文 字 印 刷 で あ る
識 別 マ ー ク と は 印 刷 技 術 的 に も 異 な り 、 よ り 小 さ い サ イ ズ の マ ー ク を 印 刷 す
る こ と が 容 易 で あ る 。 ま た 、 J A S マ ー ク で は 「JAS ( ロ ー マ 字 ) の 文 字 が
、 」
印 刷 さ れ て い る が 、 識 別 マ ー ク の 「 紙 ( 漢 字 ) に 比 べ れ ば 、 明 ら か に 簡 単 な」文 字 で あ り 、 や は り 、 小 さ い サ イ ズ の マ ー ク を 印 刷 す る こ と は 技 術 的 に 容 易
である。
7したがって、印刷技術上からは、JISマーク、JASマークに比べ複雑な識別マ
ークにおいて、これらマークの最小サイズである高さ5mmで識別マークを鮮
明かつシャープに印刷することは、多少困難を伴うと判断する。
8なお、本来の目的は異なるが、ドイツなどで導入されているGPマークでは、
マークの最小サイズは直径6mm以上とされている。
9以上のことから、表示に使用する識別マークは、印刷では高さ6mm以上、刻
印・エンボスでは高さ8mm以上とすることが技術的にも適当である。なお、
刻 印 ・ エ ン ボ ス で は 、 8 m m 以 下 の 場 合 、 視 認 性 に 欠 け る こ と か ら 8 m m 以 上
での運用が適当である。 - -4
1.3 識別マークのデザインの運用に係る要件
(1)識別マークのデザインの運用に係る要件
1識別マークは、容器包装全体の模様及び色彩と比較して鮮明であり、かつ、容
易に識別できる限りにおいて、マークの色、抜き文字、線幅、スリット、フォ
ント等の装飾を事業者の判断で施すことができるものとする。
2識別マークは、他の第二種指定製品の識別マーク等を参考に様式を定め、表示
スペースや容器包装の大きさ等に対応して、相似形で運用する。
(2)識別マークのデザインの運用に係る要件の設定根拠
1識別マークについては、その視認性を重視し、容器包装全体の模様及び色彩と
比較して鮮明であり、かつ、容易に識別できる必要がある。
2 紙 製 容 器 包 装 、 プ ラ ス チ ッ ク 製 容 器 包 装 の 場 合 、 ス チ ー ル 缶 、 ア ル ミ 缶 、 P E
Tボトルとは異なり、容器包装の大きさ、形状等が多岐にわたり、規格品が少
な い た め 、 表 示 ス ペ ー ス や 容 器 包 装 の 大 き さ 等 に 対 応 し て 、 相 似 形 で 運 用 す
る。 - -5
2.無地の容器包装への対応
平成11年度報告書では 「無地の容器包装については、新たに表示を付すことによ、る経済的・社会的コストが過大なものとなるため、表示を付さなくてもよいこととす
る 」 と さ れ 「 無 地 の 容 器 包 装 と は 印 刷 、 刻 印 ・ エ ン ボ ス 、 シ ー ル ・ ラ ベ ル が 全 く 施、されていないものなどの容器包装を指す」とされている。
、 。
WGには を要請した
無地の容器包装の範囲について より詳細な検討を行うこと、これを受けて、WGでは、印刷、刻印・エンボス、シール・ラベルが全く施されて
いない容器包装を抽出し、事業者の意見等を参考に表示の可能性について多面的な議
論が進められ 「無地」の考え方や容器包装の範囲等が検討された。、また 「 多 重 容 器 包 装 等 ( 注 ) に お け る 表 示 の 要 件 」 に 関 す る 検 討 を 通 じ て 「無
、 、
地の容器包装への対応」についても検討が行われた。
注 「多重容器包装等」の用語の解説は4.3に掲載。)2.1 無地の容器包装の考え方
(1)無地の容器包装の考え方
「 」 、
「 、 、
無地の容器包装 とは 容器包装の製造・利用及び輸入販売段階で 印刷
刻印・エンボス、シール・ラベルが施されないもので、容器包装の製造段階にお
いて刻印・エンボスが可能な成形工程を有さない容器包装」を指す。
(2)無地の容器包装の考え方の設定根拠
、 。
1印刷のある容器包装には 改版等により識別表示を付加することが可能である
2容器包装の製造段階に成形工程があれば、刻印・エンボスで表示可能である。
3紙製容器包装についても、製造段階に成形工程が含まれるものについては、プ
ラスチック製の容器包装と同様に刻印・エンボスで表示可能である。
4容器包装を利用する段階でシール・ラベルが付されるものは、識別表示を付加
することが可能であり、無地の容器包装には含めない。
2.2 無地の容器包装への対応
(1)無地の容器包装への対応
無地の容器包装については、直接の表示を省略できるものとする。
ただし、表示を省略した無地の容器包装が多重容器包装等の一部である場合に
は、多重容器包装等を構成する表示可能な他の容器包装に表示しなければならな
い(表示可能な他の容器包装がない場合を除く 。) - -6<無地の容器包装が単体で用いられる場合への対応>
プラスチック製のロール状連続袋、無地のレジ袋、商品小分け用のポリエチレン製
の袋、花束包装用のプラスチック製フィルム等、無地の容器包装については、単体で
使用される場合、表示は省略してもよい。
しかし、多重容器包装等の中に無地の容器包装がある場合については、多重容器包
装等を構成する表示可能な他の容器包装に表示することが可能である。無地の容器包
装が単体で用いられ、直接の表示を省略した場合においても、消費者が分別しやすい
よう、店頭(レジ台等)における掲示やパンフレットの配布等何らかの情報提供をす
ることが望ましい。
<汎用品を用いて加工した容器包装への対応>
全面柄模様の印刷が施されている素材等であっても、それが容器包装以外にも使用
される汎用品の場合、それを製造する事業者は、容リ法の義務対象者ではなく、識別
表示についても対象外となる。素材メーカーなどいわゆる 川上 の事業者で製造さ
、 、 、 、
れた こうした素材を用いて容器包装に加工する際に 新たに印刷 刻印・エンボス
シール・ラベルを施さず、刻印・エンボスが可能な成形工程を経ないときには、無地
の容器包装に該当するため、表示を省略できるものとする。
<消費者向けの商品(市販品)を転用した容器包装への対応>
本来、消費者向けの商品(紙コップ、紙皿等の市販品)を、容リ法の対象となる容
器包装に転用した場合、表示の義務対象者は、市販品の製造事業者ではなく転用者で
ある。したがって、こうした転用者が、新たに印刷、刻印・エンボス、シール・ラベ
ルを施さないでそのまま転用した場合には、無地の容器包装に該当するため、表示を
省略できるものとする。
(参考)容リ法の対象となる容器包装とは 「商品の容器及び包装であって、当該商品が費、.........
消され、又は当該商品と分離された場合に不要になるもの」をいう。
(2)無地の容器包装への対応の設定根拠
1容器包装の製造・利用及び輸入販売段階で、印刷、刻印・エンボス、シール・
ラベルが施されないもので、容器包装の製造段階において刻印・エンボスが可
能 な 成 形 工 程 を 有 さ な い 容 器 包 装 に 新 た に 識 別 表 示 を 付 す こ と は 、 平 成 1 1 年
度報告書にも述べられているように、経済的・社会的コストが過大なものとな
るため、無地の容器包装には直接の表示を省略できるものとする。
、 、
2無地の容器包装に識別表示をするために 新たにシール・ラベルを施すことは
平 成 1 1 年 度 報 告 書 に も あ る よ う に 、 リ サ イ ク ル の 観 点 か ら は 異 物 の 混 入 を 意
味するだけでなく、シール・ラベルの離型紙(はがした後の台紙)が新たな廃 - -7
棄物となることから、好ましくないと判断される。
3無地の容器包装であっても、その識別に対して実施可能な範囲での対応を図る
ことが消費者にとっては望ましい。したがって、無地の容器包装で直接の表示
を省略した場合でも、多重容器包装等で、それを構成する表示可能な他の容器
包装があるときには、それに表示を付加することが必要である(表示方法の詳
細については4.を参照のこと 。)2.3 用語の解説
1印刷 : 一 般 に 原 稿 に 従 っ て 版 を 作 り 、 こ れ に イ ン キ を 塗 布 し 、 圧 力
を 加 え て 版 の 画 線 部 を 紙 そ の 他 の 面 に 移 す 技 術 ( ス タ ン プ。は印刷に含める )。(注記) 賞 味 期 限 ・ ロ ッ ト ナ ン バ ー 等 の 印 字 は 簡 易 な 印 字 装 置 を 用
い た 方 式 で あ り 、 既 存 設 備 の 中 で 識 別 マ ー ク を 付 す こ と が
技術的に困難と認められるので印刷に含めない。
(注記) 単 一 色 に よ る 全 面 着 色 ( い わ ゆ る 色 無 地 の 印 刷 ) や 、
機 能 付 加 ( 遮 光 性 向 上 、 変 質 防 止 等 ) の た め の コ ー テ ィ ン
グ は 、 パ タ ー ン 印 刷 ( 文 字 印 刷 、 柄 印 刷 等 ) と は 技 術 的 に
全く異なるため印刷に含めない。
(注記) 樹 脂 へ の 着 色 は 、 も と も と 樹 脂 に 顔 料 を 練 り 込 ん だ も の で
あり印刷に含めない。
2刻印・エンボス:紙、プラスチックなどの表面に凹凸の文字や模様、絵柄を付
加する技術。
3シール・ラベル:ラベルには、原紙だけのもの、接着紙を水で活性化させて貼
る も の ( ガ ム ラ ベ ル 、 接 着 紙 を 熱 に よ っ て 活 性 化 さ せ て 貼)る も の ( 感 熱 ラ ベ ル 、 接 着 紙 を 加 圧 に よ っ て 貼 り 合 わ す も)の ( 粘 着 ラ ベ ル ) の 4 つ の タ イ プ が あ る 。 シ ー ル は 粘 着 ラ ベ
ルに該当する。
4成形工程 : 材 料 を 加 熱 ・ 溶 融 し 、 金 型 な ど を 用 い て 所 用 の 形 に す る 手 法
の う ち 、 射 出 成 形 、 ブ ロ ー 成 形 、 真 空 成 形 、 圧 空 成 形 、 圧 縮
成 形 等 を 指 す 。 こ こ で は 、 シ ー ト ・ フ ィ ル ム 類 等 へ の イ ン フ
レ ー シ ョ ン 成 形 及 び カ レ ン ダ ー 加 工 、 切 断 加 工 、 抜 き 加 工 、
折 り 曲 げ 加 工 、 罫 線 加 工 、 熱 融 着 等 の 単 純 な 加 工 は 刻 印 ・ エ
ンボスが可能な成形工程に含めない。 - -8
<参考> 検討の対象となった容器包装(しろまる×ばつ:無地としない)
1外装フィルム
しろまる外装フィルムには2.3の4に示す成形工程がないため、印刷、刻印・エンボス、シー
ル・ラベルが全く施されていない場合には、新たに印刷等を施さない限り表示を付すこ
とができない。
2シート成形品(ブリスターパック、トレイ等)×ばつブロー成形品には2.3の4に示す成形工程があるため、印刷、刻印・エンボス、シー
ル・ラベルが全く施されていない場合であっても、刻印・エンボスで追加的に表示可能
である。
4箱形状など形を維持しているもの(紙製、プラ製の折り箱等)
しろまる箱形状など形を維持しているものには2.3の4に示す成形工程がないため、印刷、刻
印・エンボス、シール・ラベルが全く施されていない場合には、新たに印刷等を施さな
い限り表示を付すことができない。
5その他の形状の容器包装(エアクッション、軟質発泡シート、薄葉紙等)
しろまる×ばつパルプモールドには2.3の4に示す成形工程があるため、印刷、刻印・エンボス、シ
ール・ラベルが全く施されていない場合であっても、刻印・エンボスで追加的に表示可
能である。 - -9
3.表示スペース等の物理的制約がある容器包装への対応
平成11年度報告書では 「原則、表示の対象となる容器包装のスペースに関わらず、表示を行うこととする。ただし、一定面積以下の場合や表示が困難な形状の場合、当
該容器包装に表示を付さなくてもよいこととする」とされている。
表示を付さなくてもよいとする基準の面積(裾切り面積)等について検
WGには、
を要請した。
討すること
これを受けて、WGでは、既存の法定表示における表示スペースの扱いを調査する
とともに、表示スペースの小さい容器包装サンプルの表面積の計測やこうした容器包
装を数多く利用している業界に対するヒアリング等を通じて、表示スペース等の物理
的 制 約 に よ り 識 別 マ ー ク を 表 示 し な く て も よ い と す る 容 器 包 装 の 考 え 方 が 検 討 さ れ
た。
また 「 多 重 容 器 包 装 等 ( 注 ) に お け る 表 示 の 要 件 」 に 関 す る 検 討 を 通 じ て 「表
、 、
示スペース等の物理的制約がある容器包装への対応」についても検討が行われた。
注 「多重容器包装等」の用語の解説は4.3に掲載。)3.1 表示スペース等の物理的制約がある容器包装の考え方
(1)表示スペース等の物理的制約がある容器包装の考え方
「表示スペース等の物理的制約がある容器包装」とは、
1 容 器 包 装 の 表 示 可 能 面 積 が 5 0 c m 未 満 で あ っ て 、 既 存 の 法 定 表 示 等 が あ2る一定面積を占めることにより、印刷では高さ6mm、刻印・エンボスで
は高さ8mmの識別マークが表示できない容器包装
2形状、素材面から技術的に印刷、刻印・エンボスができない容器包装
を指す。
注)既存の法定表示とは、家庭用品品質表示法、薬事法等に基づく表示を指す。
(2)表示スペース等の物理的制約がある容器包装の考え方の設定根拠
1容器包装の表面積が小さい等の理由から、表示スペースに制約があり、印刷の
場 合 は 高 さ 6 m m 、 刻 印 ・ エ ン ボ ス の 場 合 は 高 さ 8 m m の 識 別 マ ー ク で も 表 示
できないものが存在する。識別表示を法定化する以上、表示を付さなくてもよ
いとする基準の面積(裾切り面積)等を明示しておく必要がある(裾切り面積
については(3)参照 。)2ネット状の容器包装や数mm角で一方向に長い容器包装、プラスチック製のボ
トルで曲率の大きい容器包装、スポンジ状素材の容器包装などは、形状、素材
面から技術的に識別マークそのものの表示が困難であり、表示を行う上で物理 - -10
的制約がある容器包装として位置づけられる。
(3)表示可能面積50cm (裾切り面積)の設定根拠21裾切り面積を設定する場合には、既存の法定表示の面積や容器包装の大きさ等
を 考 慮 す る 必 要 が あ る が 、 容 リ 法 の 対 象 と な る 容 器 包 装 は 、 多 岐 に わ た る と
と も に 、 既 存 の 表 示 が 占 め て い る 面 積 も 対 象 商 品 に よ っ て 大 き く 異 な る 。 し
た が っ て 、 容 器 包 装 の 大 き さ か ら 基 準 と な る 面 積 を 設 定 す る こ と は 困 難 で あ
る た め 、 W G で は 他 の 法 定 表 示 に お い て 設 定 さ れ て い る 表 示 に 関 す る 裾 切 り
面積を参考とし、検討が行われた。
容器包装が小さいからといって、必ずしも、印刷で高さ6mm、刻印・エンボスで注)高さ8mmの識別マークを表示する面積がないとは限らず、逆に、ある程度の大き
さを持つ容器包装でもすでに多くの法定表示が付されて表示スペースの少ないもの。もある
2主な既存の法定表示で設定されている裾切り面積のうち、最も小さいのは食品
衛生法の30cm であるが、これは30年前に決められたものであり、現在その2見直しも進められているため参考事例からは除外した。
3家庭用品品質表示法では、比較的小型でかつ曲面が多い合成樹脂加工品につい
て 、 表 示 の 裾 切 り 面 積 が 5 0 c m と さ れ て い る 。 こ こ で は こ れ を 根 拠 に 裾 切 り2面積を設定する。
(参考)家庭用品品質表示法:
表示することができる平面が50cm 未満であって全ての表示事項を表示で2き な い 場 合 に お い て は 、 本 体 に 第 1 条 の 表 示 事 項 の う ち 、 容 量 及 び 取 扱 い 上
の 注 意 を 省 略 し て 表 示 す る こ と が で き る ( 通 産 省 告 示 「 合 成 樹 脂 加 工 品 品。質表示規定」平成9年12月)
4なお、裾切りの面積は、容器包装の分別区分(紙、プラスチック)や、容器包
装の形態(外装フィルム、外箱など)によらず一律の値とする。
3.2 表示スペース等の物理的制約がある容器包装への対応
(1)表示スペース等の物理的制約がある容器包装への対応
表示スペース等の物理的制約がある容器包装については、直接の表示を省略で
きるものとする。
ただし、表示スペース等の物理的制約によって表示を省略した容器包装が多重
容器包装等の一部である場合には、多重容器包装等を構成する表示可能な他の容( )。
器包装に表示しなければならない 表示可能な他の容器包装がない場合を除く - -11
(2)表示スペース等の物理的制約がある容器包装への対応の設定根拠
1 平 成 1 1 年 度 報 告 書 に あ る よ う に 、 表 示 ス ペ ー ス 等 の 物 理 的 制 約 が あ る 容 器 包
装には、直接の表示を省略できるものとする。
2表示スペース等の物理的制約がある容器包装であっても、その識別に対して実
施可能な範囲での対応を図ることが消費者にとっては望ましい。したがって、
表示スペース等の物理的制約によって直接の表示を省略した場合でも、多重容
器包装等で、それを構成する表示可能な他の容器包装があるときには、そこに
表示を付加することが必要である(表示方法の詳細については4.を参照のこ
と 。)3.3 用語の解説
・表示可能面積:中身商品を容れ、又は包んでいる状態における当該容器包装の
表面積をいう。ただし、印刷によって高さ6mm以上、刻印・
エンボスによって高さ8mm以上の識別マークを付しても判読
が著しく困難な部分を除く(食品衛生法による表示面積の定義
を参考とした 。)注 ) 容 器 包 装 に は 一 般 的 に 前 面 と 裏 面 及 び 側 面 が あ り 、 通 常 、 前 面 に は 商 品 名 等 が 表 示
さ れ 、 法 定 表 示 等 は 裏 面 に 配 置 さ れ る も の が 多 い が 、 表 示 可 能 面 積 は 前 面 及 び 側 面
も含めるものとする。 - -12
4.多重容器包装等における表示の要件と表記方法
平成11年度報告書では 「多重容器包装等の分離可能な容器包装への対応は、原則、として、対象となる個々の容器包装ごとに、識別表示を行う。ただし、1一定の面積
以下の容器包装、2無地の容器包装については、当該容器包装への表示を行わずに、
表示を付すことが可能な別の容器包装に一括の表示を行うことが望まれる」とされて
いる。
一括して表示する際の表記方法(マークか文字か、あるいはその両方)
WGには、
を要請した。
など、一括表示の問題点について検討すること
これを受けて、WGでは、様々な商品の多重容器包装等のサンプルを収集し、消費
者にとってわかりやすい表示をいかに付すかといった観点から、多重容器包装等にお
ける表示の考え方(要件)を整理するとともに、一括表示の表記方法などについて検
討が加えられた。
、 、
「 」、なお 多重容器包装等における表示の考え方の検討においては 無地の容器包装
「表示スペース等の物理的制約がある容器包装」への対応とともに、消費者が分別排
出するにあたって一括した表示が合理性を有する条件を吟味することが議論のポイン
トとされた。
4.1 多重容器包装等における表示の要件
(1)多重容器包装等における表示の要件
平 成 1 1 年 度 の 検 討 委 員 会 で す で に 決 定 さ れ て い る 通 り 、 多 重 容 器 包 装 等 の 場
合でも、原則として、対象となる個々の容器包装ごとに識別表示を行う。
ただし、
1a.無地の容器包装
又は
b.表示スペース等の物理的制約がある容器包装
について、識別表示を省略した場合には、多重容器包装等を構成する表示可
能な他の容器包装に表示しなければならない(表示可能な他の容器包装がな
い 場 合 を 除 く 。 た だ し 、 こ れ ら と 同 じ タ イ ミ ン グ で 廃 棄 さ れ る 表 示 可 能 な)他の容器包装がある場合には、それへの一括した表示が優先されなければな
らない。
2多重容器包装等を構成する容器包装のうち、同じタイミングで廃棄される複
数の容器包装が存在する場合には、それらについての直接の表示は省略でき
ることとする。ただし、省略した場合には、同じタイミングで廃棄されるい
ずれかの容器包装に一括して表示し、残りのものについては個別に表示しな - -13
ければならない。
「同じタイミングで廃棄される場合」とは、ほぼ同時期に廃棄されることを意味す
るが、詳細な判断は、各事業者又は業界ごとの対応に委ねるものとする。
(2)多重容器包装等における表示の要件の設定根拠
1分別排出の実施者である消費者の立場からは、多重容器包装等の場合でも、個
別 の 容 器 包 装 ご と に 直 接 の 識 別 表 示 が 付 さ れ て い る こ と が 望 ま し く 、 平 成 1 1
年度報告書に示されているように、原則として、対象となる個々の容器包装ご
とに識別表示を行う必要がある。
2ただし、a.無地の容器包装、又は、b.表示スペース等の物理的制約がある
容器包装で、当該容器包装への表示を省略した場合にあっては、多重容器包装
等を構成する表示可能な他の容器包装へ表示することで対応する必要がある。
3この場合、a.無地の容器包装、又は、b.表示スペース等の物理的制約があ
る 容 器 包 装 と 同 じ タ イ ミ ン グ で 廃 棄 さ れ る 表 示 可 能 な 容 器 包 装 が あ る と き に
は ( 3 ) で 示 す よ う に 消 費 者 の わ か り や す さ の 点 か ら 、 そ れ へ の 一 括 し た 表、示を優先すべきである。
4 平 成 1 1 年 度 報 告 書 で は 「 個 々 の 容 器 包 装 ご と に 表 示 を 行 っ た と し て も 、 効 果
がさほど期待できなかったり、経済的・技術的観点から問題が生じることなど
が 想 定 さ れ る 。 こ の よ う な 場 合 に は ( 同 一 商 品 の ) 別 の 容 器 包 装 に 一 括 の 表、」 ( ( )
示を行うことも合理的と考えられる とされている この要件については 3
参照 。)(3)一括した表示をしても合理的と考えられる要件の設定根拠
1一括した表示をしても消費者が分別排出をする場合において合理性を有すると
考 え ら れ る 要 件 に つ い て 「 分 別 区 分 が 同 一 で あ る 場 合 「 同 じ タ イ ミ ン グ で
、 」、廃棄される場合」という2つの視点に着目し、検討した。
2その結果、複数パーツからなる容器包装(例えば、ボトルとキャップ等から構
成される容器包装、4.3用語の解説参照)については、個々への直接表示が
可 能 な 場 合 で あ っ て も 、 通 常 「 同 じ タ イ ミ ン グ で 廃 棄 さ れ る 」 こ と が 多 い た、め、一括した表示をしても合理性を有すると考えられる。
3また、多重容器包装(外箱と個包装等から構成される容器包装、4.3用語の
解 説 参 照 ) に つ い て は 「 分 別 区 分 が 同 一 で あ る 」 か 否 か に か か わ ら ず 「同
、 、
じタイミングで廃棄される場合」は、一括した表示をしても、消費者が分別排
出をするにあたって合理性を有すると判断される。
4 な お 、 一 括 し て 表 示 す る 場 合 の 要 件 を 「 構 成 さ れ る 全 て の 容 器 包 装 が 同 じ タ、. .
イミングで廃棄される場合」に限定すると、様々な商品に対して柔軟に対応で - -14
き な い 可 能 性 が あ る 。 し た が っ て 「 同 じ タ イ ミ ン グ で 廃 棄 さ れ る 容 器 包 装 が、複数存在する場合」には、それらを一括して表示できるものとした。
5一括の表示をしても合理的である場合の判断を事業者に委ねるという意見もあ
るが、この場合、多重容器包装等における表示方法にかなり幅が生じることが
想定される。ここでは、消費者にとってわかりやすいという点を重視し、消費
者 が 分 別 排 出 を す る に あ た っ て 合 理 性 を 有 す る 場 合 の 要 件 と し て 「 同 じ タ イ、ミングで廃棄される容器包装」に限定した。
(4)一括して表示する場合の表示パターン
1「個々の容器包装ごとに表示する」という原則に基づくと、表示可能な容器包
装へは個別に表示する必要がある。ただし、無地又は表示スペース等の物理的
制約がある容器包装について表示を省略した場合には、多重容器包装等を構成
する表示可能な容器包装へ一括して表示(部分一括表示)する必要があり、個
別表示と部分一括表示とで情報提供されることとなる。
2また、同じタイミングで廃棄される容器包装が複数存在し、同じタイミングで
廃棄されるものだけを一括して表示(部分一括表示)する場合、それらの部分
一括表示と、異なるタイミングで廃棄される容器包装の個別表示とで情報提供
されることとなる。
3部分一括表示と個別表示が併存すると、消費者にとってわかりにくいとの意見
もあり、一括して表示する場合には、構成される全ての容器包装について表示
(全体一括表示)する必要があるとの指摘もある。このような観点からは、部
分一括表示と個別表示に加え、自主的な取り組みとして全体一括表示すること
が望ましいといえる。
4.2 表記方法
(1)一括して表示する場合の表記方法
紙製容器包装とプラスチック製容器包装の区別を識別マークで表示し、隣接す
る位置に該当する部位を文字で記す。
例1 例2
なお、一括して表示する場合に使用する識別マークについても印刷では高さ6
m m 以 上 、 刻 印 ・ エ ン ボ ス で は 高 さ 8 m m 以 上 と す る 。 ま た 、 部 位 名 の 文 字 は 視
認性を考えると印刷では6ポイント以上、刻印・エンボスでは8ポイント以上が
適当である。
容リ法の対象となる容器包装は多岐にわたるので、消費者にとっての視認や識別の
:外箱
:ボトル、キャップ
外箱 ボトル
キャップ - -15
し易さは、実際の商品の個々の容器包装で検討し、判断する必要がある。消費者の要
請に柔軟に対応できるよう、表記方法には自由度を持たせた方がよいと考える。
したがって、以下の事項については、各事業者又は業界ごとの対応に委ねるものと
する。
1一括して表示する場合における表示部を囲む外枠や、部位の名称、表示を付す
場所、併記する識別マークの相対的な大きさ等、その他の表記方法。
注)例えば、紙製の外箱とプラスチック製の個包装から構成される多重容器包装等で、外
箱 に 個 包 装 を 一 括 に 表 示 す る 場 合 に は 、 一 括 の 表 示 を 付 す 対 象 ( 外 箱 ) に つ い て は サ
イ ズ の 大 き な マ ー ク を 使 用 し 、 一 括 に 表 示 さ れ る 対 象 ( 個 包 装 ) に つ い て は そ れ よ り
小さなマークを使用するなどの工夫も考えられる(図1参照 。)図1
2多重容器包装等に、識別表示が義務付けられていない容器包装(ガラスびん、
飲 料 用 以 外 の 金 属 缶 、 段 ボ ー ル 、 飲 料 用 紙 製 容 器 等 の 容 器 包 装 ) が 含 ま れ る
場合の情報提供の方法。
注1)例えば、ガラスびんとプラスチック製のキャップから構成される容器が紙製の外箱
に 入 っ て い る 多 重 容 器 包 装 等 で 、 外 箱 に 一 括 に 表 示 す る 場 合 に は 、 図 2 の よ う な 表
記方法が考えられる。図2注2)ここでいう識別表示とは、分別収集を促進するための表示(再生資源利用促進法に
おける第二種指定製品への表示)を指す (次項3も同様)。3紙製及びプラスチック製容器包装の表示を一括して表示できる容器包装が、識
別表示が義務付けられていない容器包装(ガラスびん、飲料用以外の金属缶、
段ボール、飲料用紙製容器等)に限定される場合の対応。
注1)識別表示が義務付けられていない容器包装へ、紙製及びプラスチック製容器包装の
表 示 を 一 括 に 表 示 す る 場 合 、 一 括 の 表 示 を 付 す 対 象 に 識 別 表 示 が な い た め 、 混 乱 が
外箱 個包装
外箱 キャップ
ボトル(本体)は
「ガラスびん」です - -16
生 じ る 恐 れ が あ る 。 こ の た め 、 こ の よ う な 多 重 容 器 包 装 等 に 一 括 の 表 示 を 行 う に あ
た っ て は 、 そ れ が 消 費 者 の 要 請 に 応 え る も の と な っ て い る か 考 慮 す る 必 要 が あ る 。
注 2 ) な お 、 飲 料 用 の 金 属 缶 ( ス チ ー ル 缶 、 ア ル ミ 缶 、二種PETボトルについては、す)で に 識 別 表 示 が 義 務 付 け ら れ て い る た め 、 一 括 に 表 示 で き る 容 器 包 装 が こ れ ら に 限
定 さ れ る 場 合 に は 、 紙 製 及 び プ ラ ス チ ッ ク 製 容 器 包 装 に つ い て も ま と め て 表 示 す る
必要がある。
注3)例えば、二種PETボトルとプラスチック製のキャップから構成される多重容器包装
等で、二種PETボトルにキャップを一括に表示する場合には、図3のような表記方
法が考えられる。図3(2)一括して表示する場合の表記方法の設定根拠
1識別マークにより一括して表示する場合は 「紙 「プラスチック」等の文字表
、 」
記により一括表示する場合(図4)に比べ、必要とするスペースが若干大きく
なる。しかしながら、識別マークは分別排出を行う消費者に対し、個々の容器
包装が容リ法の対象物か否か、該当する分別区分は何かについてわかりやすく
情報提供することを目的として設定されたものであり、これと一括表示の場合
の文字表記が混在すると混乱が生じ、上記の点が適切に伝達されない恐れがあ
る。したがって、一括して表示する場合にも、識別マークを使用するのが適切
と判断される。図42また、既存の法定表示は文字表記が多く、文字での一括表示では、これらとの
区別がつきにくい。
3一括して表示する場合にも、視認性の確保という観点を重視し、識別マークの
最 小 サ イ ズ は 印 刷 で は 高 さ 6 m m 、 刻 印 ・ エ ン ボ ス で は 高 さ 8 m m と し 、 部 位
名の文字は印刷では6ポイント以上、刻印・エンボスでは8ポイント以上とす
紙製容器包装 :外箱
プラスチック製容器包装:ボトル、キャップ
:キャップ
:ボトル(本体) - -17
るのが適当である。
(参考)既存の表示における文字サイズの規定は以下の通りである。
・二種PETボトルの「PET」の文字:5ポイント以上
・JAS法の日本農林規格:原則8ポイント、150cm 以 下 の 場 合 は 6 ポ イ ン ト2「 」 ( )、・ニカド電池の Ni‐Cd の文字:4.5ポイント以上 高さ10mm未満のもの
6 ポ イ ン ト 以 上 (高さ10mm以上のもの)
・栄養表示基準:原則8ポイント、100cm 以下の場合は5.5ポイント24 部 位 ご と に 個 々 の 識 別 マ ー ク を 表 示 す る 場 合 ( 図 5 、 部 位 の 数 が 多 く な る に)伴って、より大きなスペースが必要となるため、好ましくない。図54.3 用語の解説
1 多 重 容 器 包 装 等 : 多 重 容 器 包 装 と 複 数 パ ー ツ か ら な る 容 器 包 装 の 総称2 多 重 容 器 包 装 : 外 装 フ ィ ル ム 、 外 箱 、 個 包 装 の よ う に 容 器 包 装 が
2重以上重なっているもの
3複数パーツからなる容器包装:容器本体、キャップ、ノズル等の複数のパーツか
ら構成される容器包装であり、ボトル状、筒状、
袋状、チューブ状等の形態を持つもの
「 、
『 、
( ) 、
参 考 報告書では
平成11年度 多重容器包装等の分離可能な容器包装とは ボトル
キ ャ ッ プ 、 中 ふ た 『 袋 、 外 箱 、 オ ー バ ー ラ ッ プ 』 な ど 分 離 可 能 な 容 器 包 装 が』、
複数利用されている場合を指す」とされている。
外箱 :
ボトル :
キャップ: - -18
5.社名・ブランド名等が印刷された包装への対応
平成11年度報告書では 「社名・ブランド名等が印刷された包装の場合、製造段階、では、どのような大きさで利用されるのか不明であり、適切な表示方法等について専
門委員会等で検討を行うことが必要である」とされている。
社名・ブランド名等が印刷された包装への適切な表示方法等について検
WGには、
を要請した。
討すること
これを受けて、WGでは、百貨店業界へのヒアリング等を通じて、包装の使用やそ
れへの表示の実態を把握することにより、社名・ブランド名等が印刷された包装への
適切な表示方法等について検討が行われた。
社 名 ・ ブ ラ ン ド 名 等 が 印 刷 さ れ た 包 装 主 に 百 貨 店 、
な お 、 こ こ で い う 「 」とは 「、スーパー、小売店等において付される紙製及びプラスチック製の包装(いわゆる包装
」を指す。
紙)であって、包む商品(中身商品)を特定しないもの
(1)社名・ブランド名等が印刷された包装への対応
社名・ブランド名等が印刷された包装に対しては、原則、他の容器包装と同様
に、包装一枚につき一箇所以上、識別マークを表示するものとする。
ただし、一枚当たりの面積が1,300cm 以 下 の 包 装 に つ い て は 、 表 示 を 省 略 す2ることができるものとする。
しかしながら、発注段階で裁断形状が明らかな場合には、一枚当たりの面積が
、 、
1,300cm 以 下 の 包 装 に つ い て も 表示することは技術的に容易であることから2極力、識別マークを付すことが望ましい。
ロール状で印刷・製造される包装についても、上記の場合に相当する程度に表示を
付す。また、ヒラ袋(容器)についても、製造段階でデザイン上位置決めが可能であ
る場合が多いので、上記の場合と同様に表示を付す。
具体的な表示方法については、社名・ブランド名が印刷された包装の利用業界や各
事業者の対応に委ねるものとする。その際、消費者にとってわかりやすい表示をする
ことを前提とする。
(2)社名・ブランド名等が印刷された包装への対応の設定根拠
1改版に要するコストは、識別マークを表示する他の事業者も同様に負担するも
のであり、公平性の観点から、容リ法対象の容器包装には、原則、識別表示を
付すものとする。
2包装紙については、かなりの部分が古紙回収ルートで有償取り引きされている - -19
ので表示は不要であるという意見や、紙であることが容易に判断できるので表
示は不要であるという見解も示された。しかしながら、識別表示は、紙である
という素材を示すためのものでなく、容リ法対象物を識別し、分別区分を明確
にするための表示であるため、他の容器包装と同様に表示が必要である。
3包装紙へのエコマークの表示例(<参考1>参照)から判断すると、社名・ブ
ランド名等が印刷された包装の場合でも、デザイン等に配慮した上で、他の容
器包装と同様に識別マークを付すことは可能である。
4 百 貨 店 で の 利 用 を 想 定 す る と 、 包 装 紙 は 、 A 全 、 B 全 、 菊 全 、 四 六 全 等 を 全 紙
のままか、又は一定の規格に裁断して(半裁・4栽)利用する場合が多い。こ
れら包装紙一枚につき一箇所以上識別マークを表示することを前提に、表示を
省略できる裾切り面積を検討すると1,300cm となる(<参考2>参照 。2)
5なお、一般的には、1,300cm 以下の包装紙が小売段階等で用いられることも2ある。これらについても、発注段階で裁断形状が明らかな場合には、包装の利
用事業者が製造事業者に事前に指示する等、極力、識別マークを表示すること
が望ましい。
<参考1>
1 日 本 百 貨 店 協 会 が 主 要 百 貨 店 1 5 店 に 対 し て 行 っ た 調 査 に よ れ ば 、 8 店 で 包 装
紙にエコマークを表示している。
(内訳)全サイズとも同一箇所に入っている ・・・1店
全サイズとも不特定箇所に入っている ・・・4店
一部のサイズにエコマークが入っている ・・・3店
2また 「ヒラ袋」にエコマークを表示しているのは2店である。、<参考2>
一般的な全紙について、汎用的に用いられる大きさの最小単位ごとに、包装紙
一枚当たり一箇所以上の識別マークを表示できる面積を求めると、以下のような
結果となる。
A 全 ×ばつ880mm →4箇所表示すると、1,375cmにつき1箇所表示2B 全 ×ばつ1,085mm →4箇所表示すると、2,075cmにつき1箇所表示2菊 全 ×ばつ939mm →4箇所表示すると、1,493c×ばつ1,091mm →4箇所表示すると、2,149cmにつき1箇所表示2ま た 、 独 自 規 格 の 包 装 紙 を 利 用 し て い る 百 貨 店 を 例 に と り 、 同 様 の 計 算 を 行 っ て み る と 、
以下のような結果となる。
A 判 ×ばつ910mm →4箇所表示すると、1,331cm につき1箇所表示2B 判 ×ばつ1,050mm →4箇所表示すると、1,987cmにつき1箇所表示2 - -20これらより、表示を省略できる裾切り面積を1,300cm と設定した。なお、1,300cm は、2 2A3版(×ばつ420mm=1,134cm ) よ り も 一 回 り 程 度 大 き い 面 積 に 相 当 す る 。2 - -216.輸入品への対応
平成11年度報告書では 「輸入品も、原則、表示を行う。ただし、輸入品特有の事、情により、国内商品と同様の表示を行うことが経済的・技術的に著しく不合理である
と考えられる場合の取扱いについては別途専門委員会で検討する」とされている。な
お、その際、国内商品(国内事業者)との公平性の観点についても十分留意すべきと
されている。
WGには、 を要請し
輸入品特有の事情に配慮した表示方法等について検討すること
た。
これを受けて、WGでは、輸入品特有の事情により、国内商品と同様の表示を行う
ことが経済的・技術的に著しく不合理と考えられる場合について考察することを通じ
て、国内商品と同様の表示を行うことができる場合の要件を明らかにするとともに、
表示方法について検討が行われた。その際、輸入業界へのヒアリングや該当する容器
包装のサンプルの収集を通じて、輸入品における容器包装の実態が把握された。
(1)国内商品と同様の表示を行うことができる場合の要件
国 内 商 品 と 同 様 の 表 示 を 行 う こ と が で き る 場 合 」 と は 「 輸 入 販 売 事 業 者 自
「 、
らが容器包装の素材、構造、デザイン、印刷等の仕様に関し指示できる場合、も
しくは、輸入販売する商品の容器包装に日本語表示がある場合」を指す。
(2)国内商品と同様の表示を行うことができる場合の要件の設定根拠
1 平 成 1 1 年 度 報 告 書 に あ る よ う に 、 国 内 商 品 ( 国 内 事 業 者 ) と の 公 平 性 の 観 点
から、輸入販売事業者であっても、国内事業者が国内商品に表示を付ける際に
発生する負担と同等レベルの負担の範囲内で表示を付すことができるものにつ
いては、表示を付す必要がある。
注 ) 国 内 商 品 に お い て 、 識 別 表 示 が 付 さ れ る 容 器 包 装 は 「 す で に 印 刷 、 刻 印 ・ エ ン、ボ ス 加 工 が 可 能 な 成 形 工 程 や シ ー ル ・ ラ ベ ル 等 の 貼 付 が あ る 場 合 で 、 基 本 的 な 考
え 方 と し て は 、 従 来 プ ロ セ ス の 延 長 線 上 で 追 加 的 に 表 示 を 行 え る も の 」 が 対 象 で
ある。
2具体的には、以下の2つのケースが該当する。
) 、 、 、
i 日本語表示部分がなくても 輸入販売事業者自身が容器包装の素材 構造
デザイン、印刷等の仕様に関し指示できる場合については、輸入販売事業
者が自らの指示のもと追加的に表示を行うことが可能である。
ii)また、印刷、シール・ラベル等による日本語表示を有する容器包装につい
ても、国内事業者と同等の負担レベルで、追加的に表示を行うことが可能 - -22
である。
(3)輸入品への表示方法
1輸入販売事業者自らが容器包装の素材、構造、デザイン、印刷等の仕様に関し
指示できる場合には、国内商品と同様のルールで表示を行う。
2一方、1以外で、印刷、シール・ラベル等による日本語表示がある容器包装に
は、日本語表示部分に、構成される全ての容器包装について一括して表示(全
体一括表示)する(ただし、表示スペース等の物理的制約がある場合には省略
することができる 。)スポット商品についても、1、2のルールに従って表示を行う。
参考>業界アンケートに見られるスポット商品の定義<1定期的・継続的な購入契約によらない商品
・定番導入でない商品
・カタログアイテムでない商品
・発注回数の極端に少ない商品
2期間限定や試験販売の商品
3特定の顧客の注文に応じた商品 - -23
7.材質表示の表記方法ならびに複合材質・複合素材の表記方法
平成11年度報告書では 「 プ ラ ス チ ッ ク 製 容 器 包 装 』 に 係 る プ ラ ス チ ッ ク の 材 質
、 『
表 示 に つ い て は 、 原 則 『JIS方式(ISO方式 』 に よ る 表 示 を 行 う こ と が 望 ま し い と
、 )
考えられる。ただし、従前から一部で行われているSPI方式の表記等への配慮の必要
性 な ど も 含 め た さ ら な る 検 討 が 必 要 で あ る 「 プ ラ ス チ ッ ク 製 容 器 包 装 に つ い て リ」、
サイクル容易性等を判断するためには、複合素材や複合材質であることがわかるよう
な何らかの表記方法が必要である」とされている。
「 」 、
WGには、 プラスチック製容器包装 に係るプラスチックの材質表示の表記方法
を要請した。
複合材質・複合素材の表記方法について検討すること
これを受けて WGでは 平成11年度報告書で提示された3つの表示方式 JIS I
、 、 ( (
S O ) 方 式 、 S P I 方 式 、 日 本 語 表 記 方 式 ) に つ い て 、 容 器 包 装 へ 材 質 表 示 す る 際 の 優
位性を比較し、表示方式を選定するとともに、具体的なその表記方法について検討が
行われた。
(1)材質表示の表記方法
、 ( )
プラスチック製容器包装の材質表示は JIS K 6899‐1 ISO 1043‐1
2000 1997
で定められている記号を用いて行うことを推奨する。
、 、 、
複合材質及び複合素材については 主要な構成材料を含め 2つ以上を表記し
主要な材料に下線を付す。
なお、プラスチック製容器包装の識別マークとともに表示する場合には、逆く
さび括弧> <は不要とする。
材質表示はあくまでも自主的取り組みであり、従前から一部で行われ、先進的な取
り組みとして評価されてきたSPI方式や日本語表記方式による表示を否定するもので
はないが、今後はJIS(ISO)方式に統一することを推奨する。
注)複合材質とは、ポリエチレンとポリプロピレンなどの複数の材質のプラスチックから
なり分離不可能なものを指す。一方、複合素材とは、プラスチックが他素材(紙、ア
ルミニウム等)と複合されたもので、分離不可能なものを指す。
(2)材質表示の表記方法の設定根拠
1 自 動 車 、 家 電 製 品 等 の プ ラ ス チ ッ ク の 材 質 表 示 に は J I S ( I S O ) 方 式 が 採 用 さ
れており、容器包装の材質表示についても、これらと共通した表示方式を採用
した方が消費者にとってわかりやすい。
2 J I S ( I S O ) 方 式 は 、 ほ と ん ど の 種 類 の プ ラ ス チ ッ ク を シ ン プ ル な 記 号 で 表 示
することができる。 - -24
3 J I S ( I S O ) 方 式 、 S P I 方 式 、 日 本 語 表 記 方 式 の 中 で は 、 J I S ( I S O ) 方 式 が 最
も国際整合性がある。
4 S P I 方 式 は 、 5 種 類 の 材 質 し か 表 す こ と が で き ず 、 そ の 他 ( 7 番 ) に 分 類 さ れ
、 。 、
るものが非常に多いことから 十分な材質情報の開示にはつながらない また
第二種PET(飲料、しょうゆ用)の識別表示と、それ以外のPET(洗剤、食用
油用等)の材質表示が同じとなり混乱を招く恐れがある。
5日本語表記方式は、特に複合素材、複合材質の場合、JIS(ISO)方式やSPI方
式に比べてより多くの表示スペースが必要となる。
6日本語表記方式は、容易に判読可能という点で親しみやすいと考えられるが、
材質がどのようなものなのかという実質的な把握の面ではJIS(ISO)方式やS
PI方式と大差はない。
7JIS(ISO)方式による表示は、PP、PEのようにアルファベットで記載される
ため、消費者にとって難解であるとの意見もあり、このような観点から、日本
語 表 記 を 併 記 す る こ と を 否 定 す る も の で は な い 。 た だ し 、 J I S ( I S O ) 方 式 に
よる表示が普及し、消費者がこれに慣れることによって、容易に判読すること
が可能となると考える。
(3)表記例
1単一材質の場合(例:ポリエチレン単一材質)
【識別マークの下に表示する場合】 【識別マークと離して表示する場合】
>PE<PE2複合材質の場合
(例1:ポリプロピレンとポリエチレンテレフタレートを積層させたもので、ポリプロピレン
が主たる材質である場合)
【識別マークの下に表示する場合】 【識別マークと離して表示する場合】
>PP,PET<
PP,PET
( 、 )
例2:ポリエチレンとナイロンを積層させたもので ポリエチレンが主たる材質である場合 - -25
【識別マークの下に表示する場合】 【識別マークと離して表示する場合】
>PE,PA<
PE,PA
3複合素材の場合
(例1:ポリプロピレンと金属(アルミニウム等)を積層させたもので、ポリプロピレンが主
たる素材である場合)
【識別マークの下に表示する場合】 【識別マークと離して表示する場合】
>PP,M<PP,MM:金属を表す記号
(例2:ポリエチレンと紙を積層させたもので、ポリエチレンが主たる素材である場合)
【識別マークの下に表示する場合】 【識別マークと離して表示する場合】
>PE,P<PE,PP:紙を表す記号
(4)一括して表示する場合における識別表示と材質あるいは素材表示の併記方法
1一括して表示する場合において、識別表示と材質あるいは素材表示を併記する
、 ( 、 ) 。
際には 部位名に材質あるいは素材表示を添える 図6 図7 ことができる
(例1)ポリプロピレン(主たる材質)とポリエチレンテレフタレートを積層させた素材
でできたボトルに、ポリエチレンのキャップが付けられた容器が、紙箱に入れら
れており、紙箱に一括に表示する場合(図6)図6(例2)ポリプロピレン(主たる材質)と金属(アルミニウム等)を積層させた素材の内
袋が、紙箱に入れられており、紙箱に一括に表示する場合(図7)
外箱 ボ ト ル:PP,PET
キャップ:PE - -26図72 ま た 、 一 括 し て 表 示 す る 場 合 で も 、 識 別 表 示 と 同 一 の 箇 所 に 材 質 あ る い は 素 材
表 示 を せ ず に 、 個 々 の 容 器 包 装 ご と に ( 逆 く さ び 括 弧 を 用 い て ) 刻 印 ・ エ ン、ボスで材質あるいは素材表示することも可能である。
3材質あるいは素材表示を併記する場合の詳細な表記方法については、7 (3).( 4 ) の 表 記 例 を 参 考 と し て 、 各 事 業 者 又 は 業 界 ご と の 対 応 に 委 ね る も の と す
る。
外箱 内袋:PP,M - -27
8.今後の取り組みの進め方
平成11年度報告書では 「事業者の負担軽減、円滑な実施の観点からは、容器包装、を付す商品のライフスパン、印刷の版の更新時期等を考慮して、2〜3年の猶予期間
が適切と考えられるが、2年又は3年のいずれかにすべきかは今後検討する」とされ
ている。
ここでは、識別表示の実施に向けた今後の取り組みの進め方として、勧告・命令・
罰則等の規定が適用されない猶予期間 及び 事業者における取り組み面での課題 紙
、 、 (
製及びプラスチック製容器包装への対応、飲料用紙製容器及び段ボール製容器包装へ
の対応)について検討した。
8.1 勧告・命令・罰則等の猶予期間
(1)勧告・命令・罰則等の猶予期間
識別表示の義務化は、資源有効利用促進法(再生資源利用促進法一部改正)の
施 行 ( 平 成 1 3 年 4 月 1 日 ) か ら と な る が 、 勧 告 ・ 命 令 ・ 罰 則 等 の 規 定 は 、 法 施
行から2年間は適用しない(平成15年3月31日までの2年間が猶予期間 。)なお、事業者においては、平成12年4月より紙製容器包装及びプラスチック製容
器包装の分別収集が実施されていることから、資源有効利用促進法が施行される前で
あっても、可能な限り早期に識別表示を開始していくことが望まれる。また、国、自
、 、
治体においては 少しでも早い段階から事業者の取り組みが効果的なものとなるよう
積極的に広報、普及啓発に努める等、社会的な受け皿づくり、意識づくりを進めるこ
とが求められる。
(2)勧告・命令・罰則等の猶予期間の設定根拠
1識別表示は、資源有効利用促進法(再生資源利用促進法一部改正)の施行(平
) 、 、
成13年4月1日 とともに義務化されるが 平成11年度報告書にある通り
容器包装を付す商品のライフスパンや、商品表示の印刷の版の更新時期等を考
慮すると、勧告・命令・罰則等の規定が適用されない期間として、2〜3年の
猶予期間が必要と考えられる。
2事業者においては、識別表示の円滑な実施を進める上で、業界内での調整、周
知徹底に係る準備期間や、デザイン変更、金型改造、改版等に伴う新たな負担
増の軽減等を考えると、猶予期間を少なくとも3年とすることを望む意見が多
い。
3一方、分別排出を行う消費者や、実際に消費者への分別排出の呼びかけ、収集
業務等を担う市町村からは、すでに容リ法は完全施行されており、紙製容器包 - -28
装及びプラスチック製容器包装の分別排出、分別収集を促進するためには、猶
予期間は1年以内とすることを望む声が多く、少しでも早い段階での実施を求
めている。
4スチール缶、アルミ缶、PETボトルの表示の場合も、以下に示すように、再
生資源利用促進法(公布:平成3年4月26日)の中で、勧告・命令・罰則等
の規定を適用しない猶予期間が定められている。
i ) 鋼 製 又 は ア ル ミ ニ ウ ム 製 の 缶 で あ っ て 、 飲 料 が 充 て ん さ れ た も の の 表 示 の 標 準 と な る
べ き 事 項 を 定 め る 省 令
付則3:平成5年4月24日までに製造され、又は輸入された缶であって、飲料が充て
んされたものについては、法第17条(勧告及び命令 、第21条第二項(報告及び立入)検査)及び第26条から第28条まで(罰則)の規定は適用しない(施行:平成3年10
月25日 。)ii ) ポ リ エ チ レ ン テ レ フ タ レ ー ト 製 の 容 器 で あ っ て 、 飲 料 又 は し ょ う ゆ が 充 て ん さ れ た も
の の 表 示 の 標 準 と な る べ き 事 項 を 定 め る 省 令
付則2:平成7年6月29日までに製造され、又は輸入された容器であって、飲料又は
しょうゆが充てんされたものについては、法第17条(勧告及び命令 、第21条第二項)( 報 告 及 び 立 入 検 査 ) 及 び 第 2 6 条 か ら 第 2 8 条 ま で ( 罰 則 ) の 規 定 は 適 用 し な い ( 施
行:平成5年6月30日 。)5こうした状況にかんがみ、識別表示の義務化に関し、勧告・命令・罰則等の規
定を適用しない猶予期間は、資源有効利用促進法の施行より、2年間とするの
が適当である(平成15年3月31日まで 。)6なお、平成12年度の紙製容器包装及びプラスチック容器包装の分別収集を実
施している市町村数は、ガラスびんやペットボトルの分別収集を実施している
市町村数に比べて少ないが、紙製及びプラスチック製容器包装の分別に係わる
表示がなく、分別排出、分別収集を実施しにくいことが一つの理由となってい
るものと考えられる。
8.2 事業者の取り組み面での課題
(1)紙製及びプラスチック製容器包装への対応
「各事業者又は業界ごとの対応に委ねる」とされた事項については、各業界に
おいて早期に検討を進め、一定の方法に基づいて識別表示及び材質表示が実施さ
れるよう、これら表示に係るガイドライン、マニュアル等を作成していくことが
望まれる。
(2)紙製及びプラスチック製容器包装への対応の設定根拠
1本報告書では、次の(3)の表1に示す通り、識別表示については、法定事項 - -29
と各事業者又は業界の対応に委ねる事項とが併記されている。
2「各事業者又は業界ごとの対応に委ねる事項」とは、容リ法の対象となる容器
包装を利用した商品が多岐にわたるため、消費者にとって識別マークに対する
視認や識別のし易さが、実際の商品の個々の容器包装ごとに異なることから、
消費者の要請に事業者が柔軟に取り組めるよう詳細な対応を法定化すべきでな
い事項である。
3また、プラスチック製容器包装の材質表示については、事業者による自主的な
取り組みとされている。
4しかしながら、各事業者が、独自の判断に基づいてこれら事項について取り組
み、その結果が一定の統一性を保たなかった場合、実運用上、消費者が分別排
出をする上で混乱が生じることが予想される。
5したがって、各業界においては、これら事項について早期に検討を進め、消費
者にとってのわかりやすさや、視認性に配慮した一定の方法に基づいた識別表
示及び材質表示が実施されるよう、これらをガイドライン、マニュアル等とし
てとりまとめることが望まれる。なお、こうしたガイドライン、マニュアル等
を策定する際には、できる限り消費者、市町村関係者等の意見を聴取すること
が重要である。
6さらに、これらを策定した際には、産構審等において報告し、識別表示及び材
質表示の普及促進に努めていくことが望まれる。 - -30
(3)法定事項と各事業者又は業界ごとの対応に委ねる事項
表1 識別表示及び材質表示の進め方について
項目 法定事項 各事業者又は業界の対応に委ねる事項
・識別マークのデザイン ・識別マークの色、抜き文字、線幅、スリ
1.識別マークのデ
・表示に使用する識別マークの高さ(印刷 ット、フォント等の装飾
ザイン、サイズ
:6mm以上、刻印・エンボス:8mm
以上)
・識別マークを相似形で運用すること
・無地の容器包装の考え方 ・表示を省略した無地単体の容器包装につ
2.無地の容器包装
・無地の容器包装への対応 いて、消費者に分別区分を周知させるよ
への対応
うな方策(推奨)
・表示スペース等の物理的制約 ある容
3.表示スペース等 が
器包装の考え方
の物理的制約がある
・物理的制約 ある容器包装への対応
容器包装への対応 が
・多重容器包装等における表示の要件 ・同じタイミングで廃棄される場合の詳細
4.多重容器包装等
・一括して表示する場合の表記方法 な判断
における表示の要件
・個別表示と部分一括表示が併存する場合
と表記方法
に、部分一括表示を全体一括表示とする
こと(推奨)
・一括して表示する場合における表示部を
囲む外枠や、部位の名称、表示を付す場
所、併記する識別マークの相対的な大き
さ等、その他の表記方法
・多重容器包装等に、識別表示が義務付け
られていない容器包装(ガラスびん、飲
料用以外の金属缶、段ボール、飲料用紙
製容器等の容器包装)が含まれる場合の
情報提供の方法
・紙製及びプラスチック製容器包装の表示を
一括して表示できる容器包装が、識別表示
が義務付けられていない容器包装(ガラス
びん、飲料用以外の金属缶、段ボール、飲
料用紙製容器等)に限定される場合の対応
・包装の一枚当たりの面積が1,300cm ・識別マークの具体的な表示方法
5.社名・ブランド2以下の場合には、表示を省略できる ・包装の一枚当たりの面積が1,300cm 以
名等が印刷された包2下でも、裁断形状が発注前に明らかな場
装への対応
合の識別マーク表示(推奨)
・国内商品と同様の表示を行うことがで
6.輸入品への対応
きる場合の要件
・輸入品への表示方法
・JIS(ISO)方式で定められている記号を
7.材質表示の表記
用いて行う材質表示の表記方法(推奨)
方法ならびに複合材
・一括して表示する場合の識別表示との併
質・複合素材の表記
記方法(推奨)
方法
(注 「推奨」とは各対応を実施することが望ましいとされた事項) - -31(4)飲料用紙製容器及び段ボール製容器包装への対応
「飲料用紙製容器及び段ボール製容器包装」については、事業者団体において
それぞれ識別表示等が定められ、今後、それらに基づき事業者が自主的に行うこ
ととしている。今後、事業者は、運用の詳細について関係者と意見交換を進める
とともに、確実に識別表示を実施することが望まれる。なお、国としても識別表
示の実施状況や消費者の分別にあたっての認識・問題点について調査を行い、法
定化の検討が必要と判断される場合には、識別表示の法定化に関する検討を行う
こととする。
(5)飲料用紙製容器及び段ボール製容器包装への対応の設定根拠
1平成11年度報告書では 「識別表示の表示区分は、紙については 『飲料用紙
、 、
製 容 器 ( 牛 乳 パ ッ ク 等 『 段 ボ ー ル 製 容 器 包 装 『その他紙製容器包装』の)』
、 』、3 区 分 と し 『 段 ボ ー ル 製 容 器 包 装 』 に つ い て は 、 検 討 が 進 め ら れ て い る 国 際、標準の動向を勘案しながら、なるべく早期に識別表示を付すことを検討すると
ともに 『 飲 料 用 紙 製 容 器 』 に つ い て は 、 早 期 に 識 別 表 示 を 付 す 方 向 で 、 さ ら、に検討を行う」こととされている。
2これを受け、飲料用紙容器リサイクル協議会は、飲料用紙容器識別表示ガイド
ラインを、段ボール産業は、国際段ボール協会において国際的に共通な段ボー
ルのリサイクル・シンボルを定め、これに基づき事業者は自主的に識別表示を
実施することとしている。
3今後は、これらの識別表示の実施状況や消費者の分別にあたっての認識・問題
点について調査を行い、消費者が分別にあたって困っている等により識別表示
の法定化の検討が必要と判断された場合には、これらの自主的なガイドライン
を踏まえつつ、識別表示の法定化に関する検討を行う。
8.3 国及び市町村の取り組み面での課題
(1)国及び市町村の取り組み面での課題
国は、少しでも早い段階から事業者の取り組みが効果的なものとなるよう、消
費者や市町村、事業者に対して積極的に識別表示、材質表示の普及啓発、広報に
努める必要がある。
また、市町村においては、住民が容器包装リサイクル法に基づき適正に分別排
出できるよう、これらの表示に関して普及啓発、広報に努める必要がある。
(2)国及び市町村の取り組み面での課題の設定根拠
1容器包装リサイクル法では、消費者には適切な分別排出を、市町村には分別収
、 、 、 、
集義務が課せられており 行政には 消費者に対して 識別表示等に係る広報 - -32
、 。
教育・啓発活動を積極的に進め 消費者への認知度を高める対応が求められる
加えて、消費者が分別排出に協力しやすい効果的な分別収集システムを構築し
ていく取り組みも要請されている。
2国においては、消費者に対して分別排出を指導する、また、分別収集を担当す
る市町村が、消費者からの問い合わせ等に対して十分な説明ができるよう統一
的なマニュアルの作成が望まれる。また、事業者向けにパンフレット等の配布
により、識別表示等の普及啓発を行う必要がある。 - -33
おわりに
平 成 1 2 年 4 月 か ら 容 器 包 装 リ サ イ ク ル 法 が 完 全 施 行 さ れ 、 紙 製 容 器 包 装 及 び プ ラ
スチック製容器包装の分別収集及び再商品化がスタートした。また、先般5月31日
に資源有効利用促進法(再生資源利用促進法の一部改正)が成立し、上記の容器包装
に対して識別表示を行うことが決定された。こうした取り組みに加え、循環型社会形
成推進基本法や食品リサイクル法、建設リサイクル法、グリーン購入法の制定、廃棄
物処理法の改正等が行われ、循環型経済社会の構築に向け、我が国はさらに大きく一
歩踏み出したところである。
容器包装のリサイクルを推進していく上で、識別表示の問題は消費者の分別排出へ
の協力の観点から極めて重要な事項であると認識されている。表示の実施主体である
事業者には、識別表示等に対して積極的に取り組み、早期にこれを実施していくこと
が強く求められている。また、そうした状況を適宜、公表していくことも望まれる。
こうした対応によって、広く社会に事業者の努力が伝わり、消費者による分別排出へ
の協力も高まることが期待できる。このような製品・商品のリサイクル等に関する情
報の提供は、事業者にとって重要な責務の一つである。
ただし、容器包装の製造又は利用事業者、輸入販売事業者が容器包装への表示を的
確に行ったとしても、それのみによって容器包装リサイクルの環が完成するものでは
ない。行政には、消費者に対して、識別表示等に係る広報、教育・啓発活動を積極的
に進め、消費者への認知度を高める対応が求められる。加えて、消費者が分別排出に
。 、
協力しやすい効果的な分別収集システムを構築していく取り組みも要請される また
消費者と接する機会を持つ流通業者においては、店頭における掲示やパンフレットの
配布等により、消費者に対して識別表示に係る情報提供を積極的に行うことが望まれ
る。さらに、消費者においても、識別表示等によって提供される情報を活用し、容器
包装廃棄物を適正に分別排出するよう努める必要がある。
容器包装リサイクル法は我が国にとって、個別の製品を対象としたはじめてのリサ
イクル制度といってよく、その実効性を高めるためには、容器包装の太宗を占める紙
製ならびにプラスチック製容器包装への対応が重要であり、今回検討を進めてきた識
別表示等の意義は大きい。識別表示等の導入後にあっては、適切な表示が行われてい
るかが消費者、事業者、行政等の関係主体によって検証されるとともに、より効果的
な識別表示等の運用に向け、関係者間での活発な意見交換の行われることを期待する
ものである。
謝辞
本報告書をまとめるにあたっては、業界を対象としたアンケート調査やパブリック
コメントにおける御意見等を参考にさせていただいた。アンケート調査等に御協力い
ただいた皆様には、この場をかりて深く感謝の意を表する次第である。

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