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Cypressの子会社,MEMS技術を利用するDWDM通信用ダイナミック・ゲイン・イコライザを発売

ニュース 2002年3月15日

2002年3月のニュース

米国Cypress Semiconductor社の子会社であるSilicon Light Machines社は,MEMS(micro electro mechanical systems)技術を利用するDWDM(dense wavelength division multiplexing)通信用ダイナミック・ゲイン・イコライザ「Model2200 DGE」を発売する.DWDMなどの光通信では,長距離伝送の過程で,波長によって光パワーにバラツキが生じる.Model2200は,波長ごとにばらついた光パワーを等化する可変アッテネータ・モジュールである.波長によって光パワーの異なる光に対して,15dBのダイナミック・レンジにわたって等化を行い,光パワーのバラツキ(スペクトラム・パワー・リップル)を±0.1dBの範囲に収める.等化時間は1.0ms以下,消費電力は5W以下.

Model2200にはGLV(Grating Light Valve)を利用したMEMSデバイスが組み込まれている.GLVとは,光の回折効果を利用して光の向きや光パワーを制御するMEMS技術である.GLVでは,アルミを蒸着した細いシリコン窒化膜のリボン(ブリッジ)がシリコン基板の上にアレイ状に配置されている.電圧が印加されていないとき,このリボンのアレイは平面ミラーとして働き,光を反射する.一方,電圧を印加すると,静電吸引力によって一部のリボン(可動リボン)が基板に引き寄せられ,矩形波状の凸凹を形成する.これが回折格子(Grating)になり,光は回折を起こして,リボンのピッチと波長によって決まる方向へ回折光を出射する.今回のダイナミック・ゲイン・イコライザでは,出力される光パワーを電圧に変えてGLVにフィードバックし,動的制御を行っている.

同社のGLV技術はすでに投射型ディスプレイ装置に応用されており,ソニーが採用している.このほか,GLVは光変調器や光スイッチなどにも応用できるという.

現在,Model2200 DGEのサンプル品を出荷している.2002年前半中に量産出荷を開始する予定.


[図1] GLV(Grating Light Valve)の原理


[写真1] Model2200 DGEの外観(左が内部基板,右が筐体)

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