週刊金曜日
11月28日発売 780円(税込)
11月28日
(1547)号
旧統一教会問題の深層
安倍晋三元首相銃撃事件を契機に、自民党議員を中心とする政治家と旧統一教会(現・世界平和統一家庭連合)の癒着が明らかになった。また高額献金に苦しむ元信者や、親が信者の「宗教2世」問題が浮かび上がった。なぜカルト被害が放置され、政治家はそれに加担してきたのか。そしてそれを是正することができなかった根本原因はどこにあるのか。10月28日から始まった山上徹也被告人の裁判員裁判、被害者である元信者の声などから旧統一教会問題の深層を探る。
- 安倍元首相銃撃事件裁判
政治と教団の癒着構造から生まれた犯行
鈴木エイト - 被害者救済の道は遠く
元信者と宗教2世が抱える苦悩と現実
岡本有佳6月に新政権となった韓国では、特別検察によってようやく旧統一教会(現・世界平和統一家庭連合)の首脳部に対し、本格的な捜査が始まった。総裁の韓鶴子被告を政治資金法違反罪や業務上横領などの罪で起訴した。10月半ば、韓国の調査報道独立メディア「ニュース打破」が、旧統一教会問題の取材のために来日した。同行取材した筆者は過度な献金によって被害を受けた元信者や宗教2世、「全国統一教会被害対策弁護団」などの話を聞いた。旧統一教会問題に日本で最も詳しいとされる宗教社会学者の櫻井義秀さん(北海道大学教授)の解説とともに報告する。
- 布教のために岸信介元首相も利用
「スパイ防止法」を推進する旧統一教会の思惑
成澤宗男自民党や参政党などが制定を目指す「スパイ防止法」。同法成立を40年以上前から強く推進してきたのは「霊感商法」で悪名高い旧統一教会(現・世界平和統一家庭連合)と、系列の政治団体「国際勝共連合」だ。笹川良一氏や岸信介元首相も「利用」した旧統一教会にはどのような狙いがあったのか。
- どうする日本政治 多党化時代を問う
中野晃一さん(上智大学教授〔政治学〕)インタビュー
政権基盤が弱い高市政権は
兵站が弱い「大日本帝国軍」 聞き手・まとめ/竪場勝司 - 【提携連載企画】 弾圧・関生支部事件 17
関生支部執行委員、西島大輔さん
国連調査のきっかけ作った「人権部長」 Tansa渡辺 周、中川七海 - 金曜ジャーナリズム塾 [第7期 第2講]
川名壮志(毎日新聞社記者)
少年事件は社会のゆがみを
あぶり出すことが多い - 認知症の店主をスタッフが支えるバー「チョトハイルナッツ」
「昨日できたことが今日はできなくなっているかもしれない」
恐怖に立ち向かう 吹野ユリ - 「働く」からいまを見つめる(43)
貧困日本の背中を押す
関生国賠判決の怖さ 竹信三恵子 - 新龍中国(82)
流行語大賞候補にもノミネート
「ラブブ」を支えるビジネスモデル 浦上早苗 - 【連載】これからどうする?
高市発言を注視する 田中優子 - くらしの泉
【労働】
スポットワークで働く前に
覚えておいてほしい、い・ろ・は 内藤眞弓 - きんようぶんか
【本】
『自由への終わりなき模索』 田沢竜次
『Tシャツの日本史』 長瀬 海
『研修生』 高原 到
【映画】『チャップリン』 さこうますみ
【音楽】『Gaïa』 二本木かおり
【TVドキュメンタリー】 ワタナベ=アキラ
次号予告:2025年12月5日(第1548)号
【スパイ防止法】 ●くろまる高市政権が制定したい本当の理由 ●くろまる脅かされる「市民の自由」|佐藤和雄 ●くろまる「スパイ防止法」制定の必要性・正当性はない|清末愛砂 ●くろまる思想弾圧・相互監視の負の歴史 世間話をしただけで「スパイ」の疑い|吉永磨美 ●くろまる南北朝鮮の「11・22事件」と「第十八富士山丸事件」を検証 「スパイ」は簡単にでっちあげられる|西村秀樹 ●くろまる再発防止訴える集会がソウルで2日間開催 【どうする日本政治】 ●くろまる支持率の高さにもかかわらず自民党は低調 高市政権の構造分析|木下ちがや 【中村哲医師】 ●くろまる凶弾に倒れてから6年『中村哲対談集 人・水・命』が出版 中村哲医師の強靱な言葉|佐々木亮 ●くろまるアフガニスタンの現地活動 「誰も行かない所でこそ必要とされる」8月の地震被災者への救援に奮闘 【靖国神社への戦没者合祀をめぐる問題】 ●くろまる取り消し求める遺族らとの面談拒否、背後で進む自衛隊との急接近|平野次郎 【歓喜へのフーガ】 ●くろまるJAL被解雇者労働組合執行委員長・山口宏弥さんインタビュー|聞き手・崔善愛 【好評連載】 ●くろまる政治時評|望月衣塑子 ●くろまる風速計|田中優子 ●くろまるくらし 米は余っているのにどうして安くならないのか|垣田達哉 ●くろまる新・買ってはいけない 「揚げないフライ粉」ってどんなもの?|沢木みずほ