いちごは収穫が長期間にわたるため、トータルの収量・収入向上を目指すためには売値
の高い時期の高収量だけを目指すのではなく、安定的に収量を維持することが大切です。
特に中心的作型である促成栽培では早期収穫(頂果房収穫)後に成り疲れ(中休み)しやす
く、中期〜後期に成り疲れさせないための栽培管理が必要です。
しろまる初期の肥料過剰
生育初期に過剰に吸収されると草勢過多と
なり、腋花房の分化の遅れにつながる。
対 策 肥効調節型などの緩効性肥料を
施用し、生育初期のチッソを控えめにする。
しろまる根の消耗
着果負担により根が消耗し、肥料が
残存していても吸収しにくくなる。
対 策 地下部の環境を良好に保ち、
収穫始期までに健全な根を確保、維持
する。
しろまる低温の影響
厳寒期は低温により草勢が低下する。
対 策 加温、電照、炭酸ガス施用
により草勢を維持する。
しろまる花芽過剰
過度の花芽分化で着果負担が大きくなる。
対 策 適度に摘花する。
成り疲れの原因と対策
促成いちご収量安定のポイント051015202530チッソ リン酸 カリ カルシウム マグネシウム吸収量(kg/ a)他
果実
葉身
クラウン
花梗
葉柄10チッソ リン酸 カリ カルシウム マグネシウム
いちごの 10a 当たり部位別養分吸収量(栃木農試,1996)
いちごは肥料成分の中で
カリを最も多く吸収します。
カリは特に果実に多く吸収
され、果実の肥大に重要な
働きをしています。
生育は初期を抑えめに、後期重視が理想的です。
成り疲れのいちご
農文協「野菜の施肥と栽培 果菜編」より
9月 10 11 12 1 2 3 4 5生育・収量いちごの促成栽培でみられる生育・収量パターン
中休み
(成り疲れ)↓初期生育
=抑えめ
初期生育
=旺盛
<後期重視・安定型>
<中休み型>
しろまるいちご栽培でのけい酸加里の効果
本年のとちおとめの促成栽培は天候不良により、
例年に比べこの地域は全体的に収量が悪かった。
しかし定植前にけい酸加里を全層に 60kg/10a
施肥した生産者は平年並みの収量を確保した。
しろまるけい酸加里でカリを持続的に補給
けい酸加里のカリ成分は長期間肥効が
持続するため、果実肥大に必要なカリを
途切れることなくいちごに供給します。
また硫酸分を含まず、根にストレスを
与えません。
けい酸加里の肥料成分
く溶性
加里
可溶性
けい酸
く溶性
苦土
く溶性
ほう素
石灰 鉄
20 34 4 0.1 7〜12 2〜5
保証成分(%) 含有成分(%)
いちごの根づくりとカリの補給に
「けい酸加里」
けい酸加里の使い方
施肥量(10a当り) 施 肥 方 法
40〜80kg 定植前に全面またはうねに沿って散布し、土に良く混和する。
(注記)土壌診断結果に基づき適宜増減して下さい。
<生産者のコメント>
栽培後半は葉にカリ欠乏の症状が現れ、
下葉の枯れ上がりも多くなったが、
けい酸加里を施用したハウスではそれ
らの症状は見られず、根の活力維持が
収量安定につながったのではないか。
根張り促進と活力維持の事例(2009)
栃木県那珂川町 JA なす南管内生産者
定植 9/2 収穫 11/20〜5/28 根量調査 6/4
にじゅうまる いちごの長期収量安定には「けい酸加里」を施肥し、
健全な根の確保と根の活力維持に努めましょう。白く活力ある根地下部 対照区 けい酸加里区
乾物重 10.2g 21.8g
けい酸加里のカリは長期間緩やかに効きます。流亡し易い作物に吸収されやすいカリ濃度硫酸加里
けい酸加里
施用 施用後日数
開発肥料株式会社 2009.8

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