竣工式には、マラウイ側からユーニス・ガゼンベ教育科学技術大臣、日本側から寒川富士夫在マラウイ日本国大使、齋藤克郎JICAマラウイ事務所長、JICS職員を始めとしたプロジェクト関係者、学校関係者、生徒、地域の人々など多くの方が出席しました。
式典では、生徒代表が、「新しい施設を綺麗に大切に利用していきたい」という言葉とともに、日本への感謝の気持ちを伝えてくれました。ガゼンベ大臣はスピーチの中で「マラウイの経済発展に教育の向上は不可欠であり、今回の日本の援助によって不足していた中等学校が増設されたことに大変感謝している。特に女子学生寮の新設は女子生徒の就学を容易にし、女子の就学率の向上は未成年の妊娠、結婚、出産抑制に大きく繋がる。」と強く感謝の意を述べ、寒川大使との固い握手に会場では歓喜の声が上がりました。
その後も、生徒たち、地域の人々による伝統的な歌や踊り、演奏が披露され、竣工式は熱が冷めぬまま幕を下ろしました。本式典の様子は、同国の新聞やテレビなどで大きく報道されました。
このプロジェクトによって、対象地域での中等レベルの教育施設の収容能力が1,040人(24教室)分拡大し、中等教育の就学生徒数が向上するとともに、448人分の女子寮(4棟)、計1,280人収容可能な多目的ホール(4棟)が完成し中等教育の実施に必要な諸施設が整備され、良質な教育環境の提供につながることが期待されています。
JICSはマラウイ共和国教育科学技術省の調達代理機関として、援助資金を管理し、コンサルタントの雇用、施工会社の選定・契約、家具・機材の調達、施工・製造監理等、中等学校建設にかかるプロジェクト全体の調達代理業務を行ってきました。JICSは、残り3校の建設及び機材の調達が円滑に進むよう、引き続きこのプロジェクトの調達代理業務に努めていきます。
(※(注記)1)補足:マラウイでは、国家開発戦略である「Vision 2020」ならびに中期国家開発戦略である「マラウイ成長開発戦略(MGDS: Malawi Growth and Development Strategy)2006-11」で貧困削減を目的とした成長開発戦略フレームワークの下で「社会開発」の一環として教育の重要性を挙げています。また、国家教育政策では「国家教育セクター計画(NESP:National Education Sector Plan)2008-2017」では均等な教育機会提供、教育施設の改善・拡充、中等教育レベルの就学者数増加、教員数/有資格教員の増加等が優先課題に掲げられています。中等教育に関わる具体的な目標値は(1)中等教育就学者数の増加(2007 年と比較して2017 年までに90%増)、(2)公立中学校教室数の増加(3,754 教室から6,348 教室へ)、(3)女子の就学率の向上(目標男女比1:1)、(4)中等教育修了資格試験の合格率向上(38.6%から65%)等となっています。