U-19日本女子代表が世界への挑戦権を獲得 〜AFC U-19女子選手権〜(07.11.02)
10月5日から中国(重慶)で行われていたAFC U-19女子選手権で日本が準優勝した。これにより、日本は来年12月に行われるFIFA U-20女子ワールドカップの出場権を手にした。
AFC U-19女子選手権は2年に一度開催される大会で、上位3チームにFIFA U-20女子ワールドカップ出場権が与えられる。日本は朝鮮民主主義人民共和国、オーストラリア、ミャンマーとともにグループAに入った。
日本の初戦の相手はオーストラリアだ。決勝トーナメントへ進出するのは上位2チームのみ。「第一戦が山場であるということは十分に感じていました」と佐々木則夫監督も語ったように、日本は初戦からビッグゲームに挑むこととなった。両者ともにハイプレッシャーな戦いの中、21分、後藤三知の左サイドからのクロスを吉良知夏がスライディングで押し込み、日本が貴重な先制点を生み出す。日本はこの1点を守り抜き、決勝トーナメントへ大きく近づく勝利を手に入れた。ほとんどのメンバーを入れ替えて臨んだミャンマー戦にも日本は8-0で大勝し、いよいよ朝鮮民主主義人民共和国との対戦を迎えた。16分に與山このみのゴールで先制に成功する。しかし25分に同点に追いつかれると、FKから連続2失点を喫し、1-3で敗れた。「ここまで調子良く来ていたので我々に甘えが生じた」とは佐々木監督の弁。
この敗北で気を引き締め直した日本は準決勝で韓国と対戦。FIFA U-20女子ワールドカップの出場権がかかったこの試合は、手に汗握る展開となった。互いに決定機を作り出すことが出来ないまま90分を終え、延長戦へ突入。その後半、日本は韓国にPKを与えてしまう。絶体絶命のこのピンチを途中出場のGK小林詩織のファインセーブが救う。PK戦にまでもつれ込んだ勝負を6-5で日本が制し、決勝進出を決めた。
決勝は再び、朝鮮民主主義人民共和国との戦いとなった。先制は朝鮮民主主義人民共和国。22分にセットプレーからこぼれ球をラ・ウンシムに決められる。「相手の気迫に臆したところがあった」(佐々木監督)前半。しかしハーフタイムにゲキを飛ばされ、送り出された後半、ようやく日本らしいプレーが出始める。惜しくもゴールまではたどり着くことはできなかったがチャンスはつくり出した。準優勝に終わったものの、日本は世界への切符をしっかりと手に入れた。
今大会での成長を佐々木監督はこう振り返る。「大会に入るまでは、ここまで頑張れる選手たちではなかったように思いますね、正直に言って(笑)。でも一戦毎に精神面でもプレー面でも明らかに成長していった。そしてとてもタフになりました。私が指示したわけではなく、選手一人一人が積み上げていったものなんです」。勝利も敗北も強さも甘さもすべてを受け止め、実感することで成長し、その経験が一戦毎に生きていったのだという。そしてもう一つ。この成長の背景には8月のスウェーデン遠征があった。この遠征で攻守においてアクションするサッカーを貫き、その手応えを指揮官はもちろん選手たちも感じ取っていたのである。
そして同じように実りの大きかったこのAFC U-19女子選手権を戦い終えた今、それぞれに新たな手応えを感じているに違いない。「バリエーションやビルドアップなど攻撃においても、まだまだプレーの精度を上げていかなければいけない」と語る佐々木監督。限られた帰還の中、どこまで世界レベルに対抗する準備が出来るかがカギとなる。FIFA U-20女子ワールドカップは来年12月、チリで開催される。
Copyright (c) JFA All rights reserved.