リーグ中盤戦に入り混戦モードへ突入〜モックなでしこリーグ再開〜(07.10.19)
約2ヶ月半の中断期間を終え、10月8日にモックなでしこリーグが再開。各チームもしっかりと強化に励んだ後とあって、予想もつかない展開が待っていた。
モックなでしこリーグが中断期間に入る前はTASAKIペルーレFCが2位以下に勝点7差をつけて首位を走っていた。そのTASAKIが再開後にいきなり山場を迎える。上位との直接対決が続くのだ。再開後1戦目となった3位の浦和レッズレディースとの対戦では、鈴木智子のゴールで先制したものの、8分後には浦和の堀田えり子にゴールを奪われ、ドローとなる。次にTASAKIがホームで対戦したのが、前節に8−0で湯郷ベルを下して勝点をのばしているベレーザだ。両者ともに勝点を確保したいこの試合。ベレーザの意気込みがTASAKIを上回った。20分に大野忍のゴールで先制したベレーザは前半終了間際に永里優季が決めて2点をリードして折り返す。後半、早い段階で追いつきたいTASAKIだったが、思いも寄らない出来事がおこってしまう。ゴールエリア内で澤穂希の突破を阻止しようと飛び出したGK佐々木香織が、この接触プレーで一発退場処分となってしまったのだ。劣勢を打開すべく臨んだ後半開始まもない54分のことだった。結局このPKを含め、この後も得点を重ねたベレーザが6得点を挙げ、重要な試合を決めた。この直接対決をベレーザが制したことで勝点は3差にまで縮まった。また3位につける浦和も勝点を29にのばしており、再開後わずか2戦で上位は混戦模様を呈してきた。モックなでしこリーグは現在13節を終え、この先、戦いは益々激しさを増してくる。今後は1試合ごとの星取りが直接順位に響く、プレッシャーのかかる試合が続くだろう。そんな中でのプレーはこれまで以上にアグレッシブなものとなるに違いない。
またこの中断期間中には、なでしこリーグカップも行われた。このカップ戦は試合機会の増加、若手戦力の発掘など様々な相乗効果を狙って取り入れられたもので、ディビジョン1、2全16チームが参加し、4チームずつ4グループに分かれて「予選ラウンド」を戦い、各グループ1位チームがノックアウト方式の決勝ラウンドへ進む。途中からFIFA女子ワールドカップから戻ってきたなでしこジャパンの選手たちも加わり、なでしこリーグカップは白熱したものとなった。決勝トーナメントはベレーザ、浦和、INACレオネッサ、そしてディビジョン2から唯一駒を進めたTEPCOマリーゼによって争われた。決勝のカードはベレーザvs浦和。シーソーゲームとなった決勝は、ベレーザが2−1で浦和を下した。最優秀選手には決勝ゴールを決めた近賀ゆかりが選ばれている。
カップ戦が行われるのは1999年以来のことで、女子サッカーが多くの目に触れる機会が増えたことは大きい。チームの強化、若手の躍進という意味でもカップ戦の果たす役割は大きい。
FIFA女子ワールドカッププレーオフに始まり、北京オリンピック予選、そしてFIFA女子ワールドカップ本大会と、今季は重要な国際大会が続いているが、国内に目を向けてもまだまだビッグゲームは続いていく。ますます盛り上がりを見せていくことだろう。
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